Amazing Grace 「今あるは神の恵み」

わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。イザヤ書 43・4

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2008年10月19日

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荒野の泉 37

 翌週、礼拝が終わると広田神学生がダンのところにやってきた。

「ダン。バプテスマプールって見たことある?」広田が言った。
「え? 何ですか?」
「こっちへおいでよ。」広田はダンを講壇の脇から、奥へと案内した。そこには風呂桶を長方形にして、もう少し大きくしたようなFRPのプールがあった。
「これがバプテスマプールっていうんだ。」広田がダンに説明した。ダンはよく意味がわからなかった。城南キリスト教会のバプテスマは、岡田牧師が祈りながら信者に水をかけていた。それを広田に言うと、広田は簡単に説明してくれた。
「それは滴礼というんだ。水をかけるだろう。また、水を注ぐ注礼という方法もあるんだ。バプテスト教会や福音派の教会は浸礼という、全身を水につけるやり方でバプテスマを行うんだよ。」
 へぇー。バプテスマや洗礼といっても、教会によっていろいろなやり方があるんだな。
「聖書の時代は川で浸礼を行っていたので、バプテスト教会も浸礼なんだ。」広田は言った。ダンはバプテスマといえば、岡田牧師のやり方しか知らなかったので、浸礼というやり方には違和感を感じた。

「この教会って、復活を信じないとバプテスマを受けれないんですか?」ダンは広田に聞いてみた。
「どうして?」
「この間、広田さんはイエス様が十字架で罪をあがない死んでしまっただけではなく、復活も信じる必要があるって言ってましたよね。」ダンは言った。
「聖書のローマ人への手紙にそう書いてあるからね。バプテスマは救いを受け入れた人であれば受けられるけど、最終的には牧師の判断かなあ。」広田は考えながら答えた。
「それよりダンは、自分の罪のためにイエス様が十字架で死んでくれたことは信じれるの?」
ダンはうっと詰まってしまった。そのように正面から尋ねられると答えに窮してしまう。
「まあ、この前もいったと思うけど、あまりあせらずに聖書をじっくり勉強しようよ。」広田は笑ってダンの肩を叩いた。
「でも、先週の新来者はその日のうちに救いの決心をしたと聞いたので・・・」ダンは言った。
「人それぞれだよ。ダンにもその時がいつかは来るよ。すべてのわざには時があるって聖書に書いてあるんだ。どっちがいいかなんて、神様にしかわからないんだ。」広田が言った。
「僕は死者の復活を信じるのは難しいかもしれません。」ダンは言った。
「ダンはイザヤ書を読んだことがある?」広田が言って、ダンはうなずいた。
「それじゃあ、52章の終わりから、53章を来週までに読んできてくれる?」広田が言った。
「この箇所はすごい箇所なんだ。」広田はそう言うとダンに、イザヤ書52章13ー15節、53章1−10節と書いたメモをダンに渡した。

 ダンは城南キリスト教会とバプテスト教会の違いに戸惑っていた。岡田牧師のほうがダンに対して、キリスト教をわかりやすく説明してくれたような気がする。ダンがイエス様を信じたいと言えば、岡田牧師は喜んで下さり、おそらくバプテスマを受けることができただろう。今から思えば、岡田先生に反発ばかりしていた。ダンはそのように思った。ところが広田神学生はいつも、「焦らない方がいい」と言う。ダンは城南キリスト教会と岡田牧師、女先生が無性に懐かしくなってきた。
「やっぱり、僕は城南キリスト教会に行ったほうがよいのだろうか?」ダンはそのようにも感じ迷っていた。

 「ダン、そういえば、来週、宣教師と宣教師夫人がアメリカから帰って来るんだ。ダンはまだ会ったことないよね。」広田が言った。「楽しみだね。」
 「別に。」とダンは言おうと思ったが黙っていた。宣教師に会ったら、その後、一度、城南教会に行ってみようかな。でも、この教会は岡本夫妻の車に乗れば便利だが、城南教会に行くのは不便だな。ダンはそんなことを考えていた。

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ハロウィンについて

今年もハロウィンの季節が近づいてきました。ブログでハロウィンについて書かれていた方がいらっしゃったので、私も以前、調べたことを記してみます。

アメリカに引っ越して、一番、戸惑った習慣は、ハロウィンでした。

7月4日の独立記念日は、みんなでお祝いすればいいし、感謝祭やクリスマスは楽しそう。
でも、ハロウィンってどういうお祭りなんだろう? ハロウィンは毎年10月31日です。

10月になると、アメリカのスーパーにはかぼちゃの形をくりぬいた人形と様々なコスチュームが並びます。ハロウィンはアメリカでは、Trick or Treat! と仮装のお祭りとして知らない人はいません。

 Trock or Treat! とは子供達が魔女やお化けの仮装をして近所の家を周り、「おやつを出せ、さもなければいたずらするぞ」と言って、お菓子をたくさんもらう行事です。決して、子供達に近所を歩かせたりしないアメリカの家庭も、この日だけは特別と全米で子供達が仮装をしてお菓子を求めて歩き回るのです。(親が後ろからついて行ったり、隠れて見ていることが多いようですが)1992年にはルイジアナ州のバトンルージュでハロウィンパーティーに参加しようとした仮装したAFS派遣の日本人留学生が家を間違えて殺害されるというたいへん不幸な事故もありましたが、陪審員制度により殺害した人は全員一致の無罪となりました。「玄関のベルがなったら、誰に対しても銃を手にしてドアを開ける法律的権利がる」という弁護士の意見や、AFS派遣生が家を間違えただけで殺されてしまったのに、アメリカの世論が被害者に同情的な人々と銃の権利を守るため加害者を擁護する人々に分かれたことに私達はたいへん驚き、アメリカの文化を認識する機会となりました。また、私達はこの当時、アメリカ人の一部にまだ残っていたアジア系民族に対する差別や偏見を知ったのです。この事件のポイントは10月17日だったという点にもあると思います。ハロウィンの当日にはまだ2週間前でした。Freeze!(動くな。元は凍れという意味)というスラングについても、日本で随分話題になりました。

 友人にハロウィンについて聞いたところ、子供達が可愛いし、近所の人と仲良くなれるよい機会なので、お菓子をたくさん配っていると言っていました。我が家はクリスチャンとして、このお祭りはどうなんだろう? よくわからないが参加するのはやめようと灯りを暗くしてお菓子を配らず、我が家の子供達もお祭りに参加しませんでした。

 私は大勢のアメリカ人とハロウィンについて話しましたが、ほとんどのクリスチャンはたわいのないお祭りだから、そんなに目くじら立てなくてもいいんじゃない? 子供達はとっても可愛いし、という反応です。でも、一部のクリスチャンや教会はあのお祭りは良くないといわれる方もいます。

 翌年はアメリカにいる日本人の牧師がハロウィンについて調べてくれました。それによると、もともとアングロ・サクソンやケルト人の死者の霊を迎えるお祭りで、英国、アイルランド、フランス北部のブルゴーニュ地方などで盛んなお祭りだそうです。アングロ・サクソンと共に、アメリカに渡ってきて、ニューイングランドでも盛んになりました。特にマサチューセッツ州には魔女狩りなどの習慣も一部にあり、ハロウィンは悪魔礼拝のお祭りとして、アメリカに根付いたそうです。これに対して多くの教会はさほど否定的ではなかったようです。

 現代のアメリカの教会はハロウィンに対してあまりコメントしていないようです。きわめて大規模なお祭りになってしまったので、今更やめられないという感じでしょうか? しかし、福音派やバプテスト教会などでは、ハロウィンは駄目! と言っている教会もあります。聖書の教えから言えば、まさに偶像礼拝以外のなにものでもありません。

 アメリカに住んでいた当時はこの習慣にNOということは結構、勇気が入りました。我が家は最初の年は近所に知り合いも少なくよかったのですが、だんだん知り合いも増えてくると、隣の奥様が子供達のためにお菓子を用意してくれたりして、これを頂かないことを拙い英語で説明するのに苦労しました。クリスチャンだからといっても、相手もクリスチャンですから理解しづらいのでしょうね。きちんと伝わったかどうか怪しいものです。

 驚くべきことにイースターはまったく普及しない日本ですが、ハロウィンは近年入ってきています。やはり、日本にいる人々は悪霊のようなものが好きなのでしょうか?

 私の息子が受験を考えたことがありミッションスクールを調べたのですが、そこでアメリカ人の英語教師が中心となり、ハロウィンのお祭りをやっていることを知りびっくりしたことがあります。それほど、ハロウィンはアメリカの社会に深く入り込んでいるのです。

 日本の教会やミッションスクールには、まだ、ハロウィンはあまり入ってないと思います。ハロウィンの意味を良く知り、教会がハロウィンや仮想パーティーを行うことに対してはっきりとNOということは大切なことだと思います。

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