会場は定員が2500人で、五階席まである縦に広いホールだった。
無事買えた私の席は四階の一番後ろ。音響にはさしたる問題は感じなかったが
ステージ一人一人は動きこそわかるものの、表情などは全くわからなかった。その席で開演を迎える。
いやー、もう全面降伏だ。レベルの高さは半端じゃない。CDと同じ水準の生歌が続き
しかもそれがコンサートの間全く崩れない。聴くに徹するコンサートは初めてだった。
彼女の曲はみんなではじけるタイプではないことも影響しているが、それにしても。
それに加えてすばらしかったのが、彼女の人柄だ。一曲ごとの拍手に必ず頭を下げる。
MCでも人柄の良さが現れていて、いっぺんにファンになってしまった。
セットリストは添付写真の通りだが、印象的とあわせコンサートを振り返る。
1、セレナーデ からの 2、Sleepers,Wake
このコンサートに来るきっかけにもなった曲。
客席からの手拍子も入って、足を踏みしめるような動作も入りながらの歌と
今日から新しい日々が始まる喜びを歌う歌詞が合わさり、前進のイメージで一気に気分が明るくなる。
客席の手拍子も曲調に合わせ静かなところは抑えられ、ステージと客席に一体感が出る。
そして、3、威風堂々 でタイトル通り堂々とした歌いぶりで三曲を歌った。
ここまでは最新アルバム「My Classics2」の最初からをアルバム収録通り演奏。
4〜6は前作「My Classics」からの3曲だが、聴きなじみが2に比べてないせいで、実は印象が弱い。
落ち着いた曲が続いて、最初の盛り上がりが落ち着きじっくり聴くモードに入った。
6曲目が終わったとき初めてのMC。まずは昨日からの悪天候に触れ
足元の悪い中の来場に感謝。謙虚さにこちらが恐縮してしまった。
名古屋の雷が人生初と思うぐらいひどくて「こっちはいつもあんな感じですか?」と訊ねて爆笑。
その後、前回ライブツアーのときは自分に迷いを抱えていたが
乗り越えて歌とメッセージを届けようという思いで
「from The New World」と題したツアーに臨んでいるというMCだった。
ここからオリジナルに移る。まずはドラマ「優しい時間」の主題歌になった「明日」。
二宮和也が主演だったため家族が観ていて、私もちらちらと見たなぁと懐かしい思いがした。
8〜10曲目はiPodにはもちろん入っていたのだが、これも聴きなじみがなく
むしろ初めて聴いた印象で「ああ、いい曲ばかりだなぁ」と
気づいていなかった今までの自分が残念になるほどだった。
11、星つむぎの歌は気持ちが穏やかになれる曲で、これは前からいいなぁと思っていた。
今までは立って歌っていたところを、ステージの段差に腰を下ろし
ステージ照明も暗くなって、ペンライトが役立つところだ。
といっても私は4階席でペンライトがあまり効果的でないように思えて購入を見送った。
周りもそのようでほとんどペンライトは使っていなかったが、一階では使っている人も多く
見ていてきれいだった。歌の合間に「一緒に歌いましょう」と呼びかけがあったが
周りでは歌声が聞こえなくて口ずさむぐらいしかできなかった。これも一階だと違ったのだろうか。
12、CARMENからはクラシックカバーに戻り、一気に雰囲気が変わる。
今までは白いドレス姿だったのだが、赤いライトに照らされ赤いハットもかぶって装い新たに。
CARMENは低めの独唱から始まるが後半は彼女の最高音付近をテクニカルに使う難局。
口笛も入れてとても面白い曲だった。彼女のテクニックに魅了されていたら
次の13、アランフェス協奏曲はもっとすごかった。
ベースと二人で一曲奏でるのだが、ベースと同じ音を声を刻み文字通り協奏する。
後半はボイスパーカッションまで披露。彼女の底なしのテクニックに脱帽だった。
14、仮面舞踏会の妖しい魅力のあるステージだったが
15、Ave Maria〜シューベルト〜でクラシックの王道に戻った。
16、Joyful,Joyfulに入る前に、この曲が自分の歌の原点であることを紹介した。
元々自分は高校でサックスを学んでいて他にクラシックバレエも習っていたが
高校の文化祭の時にミュージカル・「天使にラブソングを2」で「Joyful Joyful」を歌ったのが
今の歌手の道を志すきっかけになったことを述べ
私の前を歩いてくれる人の真似をしていたことで今の私がある、と述べた。
「その人は、今日一緒のステージにいる、aikaお姉ちゃんです」という言葉と共に
aikaさんにスポットが当たる。
この瞬間が、彼女の家族愛や長年の尊敬の思いが伝わってきてこちらの胸も温かくなった。
そしてJoyful,Joyful。コンサートで唯一客席がスタンディングになって盛り上がる。
といっても私の周りでは誰も立っていなかったのだが、確かこの曲高校の後輩が演奏会で歌っていて
一番パワフルな歌声の女の子がソロをしていたように思う。
自分も合唱をしているのもあって通常のメロディなら歌えるので
周りが座っていても関係なく、立って口ずさみ楽しんでいた。
盛り上がってから17〜19の歌に移り、アウトロが幻想的に消えて
何の曲か分からないシンセサイザーの音が鳴った後に「Everyday I listen to my heart」との
歌いだしが。20、Jupiterだ。
この曲は、自分でも松下耕さん編曲の合唱版を歌ったことがあり、何度か他団の演奏会でも聴いたが
実は何度聴いても歌っても胸がふるえて涙が出そうになる。
心が弱っているときにこの曲を練習したときは、涙があふれてあふれてたまらなかった。
昔
こんな記事も書いた。とらえたメッセージ性は今も変わらない。
孤独を抱える人に「ひとりじゃない」と語りかけるこの歌はやっぱり胸を打つ。
独白がすぎたが、ということでコンサートの前から「きっと生歌を聴いたら泣くだろう」と
号泣する準備をしていたが、案の定だった。周りに人がいる手前号泣はしなかったが落涙落涙。
一番胸をうったのは、実は歌の終わりで手で空をすくう仕草をしたときだ。
コンサートの最初で「辛いことがあった人も明日からがんばろうと思ってもらえるよう歌います」と
言っていたその通りに私たち観客の辛い思いや悲しい思いを掬い取ってくれたように感じ
彼女の持つ慈愛の心を感じ涙が止まらなかった。
そしてツアータイトルの通り21、新世界でコンサートが幕を閉じた。
観客の、本当にぴったり揃ったアンコールの拍手に応え、ツアーTシャツを着て再登場。
ちなみに、15曲目あたりで紺のロングドレスへと衣装は変わっていた。
そしてツアーグッズの紹介があった後、ミオ・アモーレでコンサートは終演を迎えた。
平原綾香さんに心をつかまれたのは、最後の曲が終わった後だった。
何度も何度も、本当に何度も、ステージを駆け回って観客の拍手に応えてくれた。
目線がいったときにはみんな拍手ではなく手を振り返していた。もちろん私も。
普段手を振り返すようなことはしないのだが
今回は彼女を見ていると自然とこちらも手を振りたくなった。
あーや(平原綾香さんの愛称)のファンになった瞬間だった。
歌声の巧さ・素晴らしさ、歌詞のメッセージに共感できること
そしてあーやの謙虚さ・愛らしさなどの数々の魅力を感じ、一気にファンになってしまった。
今までどれだけ好きなアーティストでも入って事がない、ファンクラブにも入ろうか今も悩んでいる。