働く駐在(妻)生活 in アメリカ

日本を離れて4年、特殊な日本人コミュニティーで経験した面白ねた、ここだけ話の記録です。

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働く駐在妻

結婚して以来日本中を転勤で転々としていたのだが、仕事だけは細々と続けていた。
そんなに転勤するなら、と、専業主婦になる覚悟をした時期もあるが、やっぱり専業主婦は1年と持たない。自分自身の居場所というのがない状況を保持するのが難しいのだ。

家族がアメリカに駐在し、専業主婦の生活を続けるのに限界を感じた頃、運よく拾ってくれる会社が見つかった。以前から勤めていた会社でアメリカ駐在を希望を出していたこともあって、(自分の力では叶えられなかったが)願ったりかなったりの駐在同行だった。ただ、日本の大学しか卒業していない私は、アメリカの学歴社会での就職活動なんて門前払いだろうと、専業主婦になる覚悟を決めていたのだが、意外とあっさりと現地採用された。

勤務先は会計事務所。もともと会計の仕事がしたかったわけではないが、転勤族であるがために、仕事の種類を色々と試行錯誤した結果、どんな土地へ異動しても可能だったのが会計の仕事だったからである。

アメリカの会計事務所は日本の会計事務所のような厳しい師弟関係もなく、皆ドライでかなり居心地が良かった。日本の高校、短大、大学なりを卒業し、会計系の学科に留学し、こちらにインターンで入ってそのまま、という若い方が多く、PCソフトの使い方から分からない社員が半分程いて、実際の仕事はほとんど回っていなかった。ここは日本のように研修やOJTがほとんどない。

付き合って残業するという文化がないので、担当の客の仕事が片付けばさっさと帰る。ラッキーなことに上司はなかなか優秀で仕事量を把握していて、残業をしていないから仕事量が少ない、と判断されることも無かった。

私は日本だとそろそろ求人がなくなってくる年なんだが、アメリカでは年齢を聞かれることは無かった。(日本人の女性はだいたい聞いてきたが。)ブランクも関係なく、最初の試用期間の仕事ぶりですべてを判断してくれる。
子育てがひと段落した50歳近くで仕事を再開した、という女性社員も多数いて、長く勤める男性と同じように扱われ、年齢の垣根のなさには感動すらした。転職によるデメリットも日本に比べて格段に少ない。日本で家族の転勤により意図せぬ転職を繰り返し、だんだんと給料も仕事内容も先細りしていた私には、天国のような世界だ。

大学卒業と同時に就職した日本の一部上場企業。そこで総合職とは名ばかりで女性を戦力と思っていない社風にあきれて以来、世の中で働く女性が本当の意味で認められるには、ずばぬけた才能と努力と会社を起せるほどの財力が必要だと信じてきたのだが。

懐の大きいアメリカ、もっと若いときに渡っていればきっと二度と日本に戻ることは無かったと思う。

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