お祝いのクラッカーを三千発ほど

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東京物語 December 31, 2011 4 p.m.


 ※これは2011年の大晦日東京に行ったときの話です。


今回のルート



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15.


皇居に沿ってすすんでゆく。


これは、あくまで地方都市に住む人間の、しかも個人的な感覚ではあるけれど、僕には、僕の住む地域に住む人間は、けっきょくのところ、すべからく”庶民”だと思っている。

どんな豪邸を見たとしても、そこに住む金持ちのじいさんはウチのじいさんと小学校が一緒でよく喧嘩していたじゃないか、というような、どこのだれであろうと出自にたいした差はなく、身分はフラットであるとゆー幻想を持っている。


しかしその幻想は、大都会の真ん中に、ドーナツの穴のような巨大な”邸宅”が存在するという事実を見て、ゆらぐ。


皇居のまわりを取り囲む長大な石垣、広く整った道路、古く風格を感じる橋や門、これら皇居を形作る建造物は、実用のためにあるのではなく、格式や威厳、そういったものを示すためのものだ。

そしてこの東京のドーナツの穴に位置するそれは、史料として、あるいは観光のために存在する古城のような過去に属するものではない。

今をなお、その中で生活をしている主人がいて、その主人のために、その主人の格式、威厳を保つために、数百人もの人たちが付き従っているのだ。


本当に、身分の違う人間がいる。と感じるのは、日本では、東京でしか味わえない特別な感覚なのだと思う。




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16.


湯島天神。

もうだいぶん日が落ちてきた。

屋台は常設なのか、明日の初詣に当て込んでるのか。




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17.


アメ横に到着。

午後430分。

この時刻にずいぶん空が暗くなっているのは、九州とちがっていてすこし戸惑うところ。

ああ、よその土地にきたのだなあと思う。

九州の日暮れは1時間は遅い。





このアメ横みたいに、人が沸騰しているような商店街の光景は、僕の住む地方都市の商店街にも確かにあったが、今はもうない。


人の混雑がなくなったのは、清潔だけれども無個性で巨大なショッピングモールが、個人商店を吸い上げるように、いくつもできてしまって、買物をする場所が分散してしまったせいだ。


それから、そもそも今は、正月ですら、ショッピングモールやコンビニエンスストアは開店していて、平日と変わらない買い物ができる。

わざわざハレの日のために特別な買い物をする必要が薄くなったせいでもある。


話は逸れるけれども、便利と引き替えに、僕が子供だった昔に比べ、今は、ハレの日の強度、特別感は確実にうすくなってしまったとおもう。

嵐の日があるから晴れた日がすばらしく感じるわけで、暑くもなく寒くもなく、暗くもなく明るくもない、そういった快適なだけの気候がずっと続く世界に、住んでいる人がいるとしたら、その人達はまちがいなく無気力になるのではないだろうか。


ともかく、大晦日のアメ横で感じる感覚は、懐かしさだ。

こういうアメ横のような商店街の人混みは、都会でしか味わえない特別なものだろう。



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お正月のデッドラインを控えている晦日のアメ横は、在庫一掃処分モードになる。


マグロの中トロ、6,800円のひとかたまりが、半値でいいと店の兄ちゃんが叫んでいた。

黙って店の前に突っ立って写真など撮っていたら、さらに半額!1,500円でどーだ、と声を聞く。

正月のごちそうは用意しているから、冷蔵庫に入りきれないぐらいあるから、なんにも買わんでいいかんね。と友人に念を押されていたのだけど、思わず買った。


味は期待できないと思ったら、それはとんでもないまちがいで、元旦にいただいたけれど、びっくりするほど味がよくて驚いた。

これは、お土産に買って帰りたいぐらい。




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そして、帰宅。

アメ横で友人が買った蟹で鍋。

そしてビールで乾杯。




全体ルートはこのようになりやした。



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東京物語 December 31, 2011 3 p.m.



今回のルート


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12.

東京タワーを堪能して、国道1号線を北上する。

このあたりが普段どのぐらいの交通量なのか知らないけれど、これはやっぱり知っている人からすると信じられないほど車がいない風景なのだと思う。


都会のど真ん中、自分が街を貸し切ったような気分で、大通りを悠々走るのは、贅沢で気持ちがよい。


何らかの原因で人間だけが消えてしまい、人っ子一人いない街を探索するというSF小説のプロットにすごくあこがれをいだいた憶えがあるのだけれど、そんぼ願望が少しだけ満たされた気がした。

まあちょこちょこ人みかけるんだけどさあ。



13.

霞ヶ関の官庁街。

古いのだけど建物に格式を感じるなあ。




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14.

国会議事堂前

パトカー以外なにもいない。




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議事堂正門を背に一枚。

なにもなくて誰もいなくて、おまけに雲もひとつもみえなくて、ああ気持ちがよい。



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東京物語 December 31, 2011 2 p.m.




今回のルートですたい。



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8.

というわけで(前回参照)方向音痴の我々には鉄板ルートであった山手線追走ルートを捨て、五反田の駅から桜田通りを北上することになった。


「東京じゃ家が走ってるんだよ」

「え?」

「都内にいたらほんとうによく見かけるのよ、家が買えちゃうぐらいの車を」


そういえばたかだか2時間程度走っているだけで、地元では見たことのない車を何台も見かけた。


所ジョージが乗ってそうな古いアメ車が路肩にとまっていたり、高級車はベンツなどありふれていて、フェラーリやロールスロイスなど地元で月に一回みるかみないかというまさに「動く家」を何台も見かけた。


そういえばここは白金。(今はちょとちがうのかもしれないけど)高級住宅地の代名詞であったよなあ、お嬢様だとか〜ざますだとかマドレーヌだとか、そういった言葉が脳裏に浮かぶ。

しかし白金といえば地元ではあまりガラのよろしくない地域ではあるんだけどねぇ


サングラスをかけた有閑マダムらしき女性が白いマセラティで、僕ら自転車二人組を追い抜いていった。




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9.


午後2時。

当初の予定ではこのぐらいの時間で、すでに月島で生ビール飲みながらもんじゃ喰ってるはずだったけれど(自転車も飲酒運転はいけないヨ)、この時間になってそのプランを実行すると昼飯が夕飯になっちゃう可能性を感じて、あきらめてラーメン屋に入る。


大晦日に開店している店が少ないのは道理だけれど、それにしてもこのあたりは、おどろくほど食事する店がない。

桜田通りマジ飲食店砂漠。


店を出てから友人と別れた。

味噌ラーメンで脳に栄養がまわったせいか、おたがい状況判断ができるようになって、どうやらいままでのペースでは上野に着いたとしても、また渋谷まで戻るのは時間的に体力的に難しいだろうとラーメンを啜りながら話あったのだった。


俺は渋谷まで車をとって上野のアメ横近辺にとめるから、あんたはぼちぼち観光しながら上野に向かいなさいといわれ、


僕は上野へ。

友人は渋谷にUターン。




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10

慶応大学を横に見ながら北上。

ここを進んでいると慶応大学に都会的なという代名詞がくっつく理由がよくわかる。

そして、東京タワーが見えた。

少し進んでは立ち止まることを繰り返して、沢山写真を撮った。




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11

みちゃったらしかたがない。

蛾がたき火に吸い寄せられるみたいにふらふらと東京タワーの真下まで行く。


東京タワー登ったことがあるようなないような。

幼少の頃中途半端に数年間東京にいたけれど、両親は足軽くにあちこち見物してまわるタイプでもなかった。

住んでいた場所の半径数キロぐらいの範囲が僕にとっての東京で、東京名所という所に連れて行ってもらった記憶がほとんどない。

それでも東京タワーぐらいはあったかなと思うのだけれど、まるで記憶にない。


当時日本一の高さだった60階建ての池袋のサンシャインビルには登った記憶があるのだけれど、40階建ての高層マンションなんかがもう地元に建ってるし、いま60階程度のビルってめずらしくないんだよなあ。

あ、こんな事書くとトシがわかってしまうではないか。


東京タワー、スカイツリーへの恨みなのか先端ちょっと曲がってるのね。(本当は去年の地震で曲がったらしい)





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東京物語 December 31, 2011 1:30 p.m.






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4.

恵比寿駅前。

それにしても東京の坂道の多さには辟易させられる。

たかだか30分自転車こぐだけでここまで登ったり下ったりさせられるとは思わなかった。

東京は坂の街だなあと体感する。

これで、ようやく懸案の安全ルートの「山手線に沿って」進むことができると、ひと安心するのだけど、後に友人に方向音痴の才能を遺憾なく発揮されるとは、このとき僕は気がつかないでいる。




今回のルート



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このあたりは、緑が多いけれど、あくまで人工的で、都会的なおされを感じる場所。大使館なんかが近くにあるし、こういった場所を通ると都会に来たなあとおもう。




6.

おされな場所を通過し線路沿いの細い路地を進むと、そこは対照的に庶民的な空間で、じいちゃんばーちゃんが昔からやってる酒屋とかタバコ屋とか小さな個人商店が点在する生活感のある場所だった。


そして、線路沿いの小道は下り坂。

重力を受けて快調に自転車は進む。

雲ひとつないせいか、湿度の低く、空気が澄み、洗われたようなコントラストが高い街の風景。

寒いとはいえ日差しもあり、自転車を漕いで汗もかかない気温に

大晦日のせいか人や自動車が極端に少ない路上。


青い空を見ながら、今日は理想的なサイクリング日和だなあと思い、スピードを上げる。




7.

五反田の駅。

「あれ?」

どうしたと友人に尋ねる。


じつは当初予定していたのは、渋谷から山手線を時計回りに上野に向かうというものだったけれど、どうも、というか明らかに、今は反時計回りに山手線を廻ってる、と告白される。

方向音痴の天才ですね。

いやーこれだとずいぶん遠回りになっちゃう。とか言われても困るんですけど、じゃあどうすると、自転車を降り、駅に直交する道路の表示を見ると「東京上野方面」と書かれてある。

じゃあそっちにGOですな。











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東京物語 December 31, 2011 1 p.m.





上野近くの「鶯谷」に戻るのもどうかという話になった。

渋谷ー上野の往復は、自転車だったらまあたいした距離じゃない(友人談)と言って、渋谷駅を通過し、適当な駐車場に入った。




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1.


駐車場の横にはドンキホーテがあり、まあこれはわかりやすい目印になるだろう。

僕が借りた自転車は、タイヤが小径の折りたたみ式のヤツ。

車輪が小さい自転車はトルクが出るので、意外と加速がいい。

それにこの自転車はスピードが出てもハンドルがぶれずにしっかりしていて、なかなか乗り心地がよい。

そんなに高くはないけど安物ではないとのこと。

ちょっと小径車、欲しくなる。

ただし車輪が小さいと、段差に影響を受けやすく転けやすいのはいかんともしがたいのだけれど。


このあたりの印象は、新しいビルに、歩道も広くきれいな道路が通っていて、清潔だけれど、どこの街にでもある、どこかの部分をコピー&ペーストして、貼り付けたような無個性な街並みだ。


同じような大型店舗が並んでいる地方の国道沿いの開発の無個性さもすごいけれど、こういった都心の開発というのも、同じ程度に無個性だ。


目隠しされて、連れ去られ、睡眠薬で眠らされ、ここに捨てられ目覚めたら、まずここは地元福岡の薬院あたりではないかと思うかもしれない。




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2.


まあ山手線が見えたらそれに沿っていけば上野に着くよね。

という程度のアバウトながら、まあ堅実だろうと思われるプランで道を進むことにした。

交差点にて、どっちに進むのか、スマホで調査中の友人。





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3.


んで、こっちに進むのだと、駒沢通り。

このあたりは大きなお寺があったり、落ち着いた住宅街。

無個性なビルばかりの街でなくて、個人商店や、小さな商店街があったり、地元の色みたいなものが見える。


澄んだ空の下、快調に自転車を走らせる。

15分ほどすると「ちょっとまった」とねるとん紅鯨団で聞いたような台詞を友人が吐く。


「上野と真反対、横浜方面に進んでおりました」


反転する。





今回のルート

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