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ある夏の日。
ゆらゆら
ゆらゆら
陽炎の中
白いキリンが歩いていた。
僕は夢中になって駆け出した。
キリンは僕の理想だった。
どくどく
どくどく
僕の心臓。
しかし
そこはいつもの交差点だった。
疲れた顔のサルたちが歩いていた。
僕はキリンを待つことにした。
きっと来るに違いない。
信号が
青くなったり
黄色くなったり
赤くなったりした。
葉っぱも
青くなったり
黄色くなったり
赤くなったりした。
何千回も
何万回も
繰り返した。
待ち続けた僕の首は
少しずつ
少しずつ
長くなった。
いつしか
信号機が壊れ
木々も枯れ果て
サルたちは姿を消した。
私は世界のリズムを手に入れた。
首も長くなった。
それなのに
どうしてこんなに白くて淋しいのだろう。
ある夏の日。
ゆらゆら
ゆらゆら
陽炎の中
黒いサルが歩いていた。
私はサルと目が合ったような気がした。
なぜか懐かしかった。
私は夢中になって駆け出した。
サルは私の現実だった。
どくどく
どくどく
私の心臓。
地平線の向こうから
近づいてくる
もう1つの心音。
白と黒が交わった。
そして
自分という名の塊になった。
ある夏の日。
ざーざー
ざーざー
雨が降る。
色の洪水の中
ぷかり
ぷかり
灰色の塊が流れていく。
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