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2015年7月15日


安保法案の成立に反対する同志社大学教職員有志の声明
 
 2015年7月13日に開かれた衆議院平和安全法制特別委員会の中央公聴会において、同志社大学の現学長・村田晃嗣教授は与党推薦の公述人として出席し、現在審議されている集団的自衛権の容認を含む安保法案に対し、国際政治学者として肯定的立場からの発言をおこないました。わたしたちは同志社大学教職員として、村田教授のこの発言を看過できません。
 現在審議中の安保法案は、自国が直接攻撃されなくとも「自衛」の名のもとに、「同盟国」とともに武力を行使することを、限定的であれ、容認しようというものです。これは現行憲法の枠組を明白に踏み越えた法案であり、これが成立するかどうかは国際社会における今後の日本のあり方を大きく左右するような分かれ目となっています。そうした状況において、村田教授は、憲法違反かどうかの判断を差し置いて、「国際情勢」の変化という観点から、法案に対して明確な賛意を議会の場で表明したのです。村田教授は、問題を憲法学者と安全保障の専門家との見解の相違として整理していますが、国際情勢に対応しなければならないからといって憲法違反の法律を制定したとすれば、立憲主義の原則をないがしろにすることになります。それに村田教授の公述は、中国を仮想敵国とした日米同盟の強化を積極評価する立場からこの法案に賛成するという、学術的というよりはむしろきわめて政治的な観点からの演説でした。
 これが「国際政治学者としての個人の見解」であると前置きしてからの発言であるとはいえ、本件をマスメディアは、同志社大学学長による安保法案への支持表明として報じました。実際、憲法学者の多くが反対するなかで、賛成の旗幟を鮮明にした学者を学長とする大学として、本学の名前が日本社会のなかで広く知られることになりました。わたしたちは、今回の学長の発言が、良心教育を基軸とした同志社大学のイメージを大きく損なう結果をもたらしたと考えています。
 わたしたち平和を希求する同志社大学教職員有志は、現行憲法に違反する安保法案の成立に反対します。また、その法案に対し、本学の学長職にある教授が公的な場で支持を表明したことについて、心から恥ずかしく思います。同志社大学が教育理念の一つの柱に掲げてきた国際主義と、今回の村田教授の個人的見解とが一致するものではないことを、ここに表明するものです。

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