大叩き男(渡辺隆司)のゴルフブログ「アゲンスト・ウインドばっかり

イラストレーター、仕事で描いた以外の「本当に描きたかったこと」を描きます。

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なんだ、あれ?...(続)

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ターゲット確認!
ロック・オン!

ゴー!

...で、柚に掴まる掴まる蝶なんているはずがない。
網戸の向こうをヒラヒラと優雅に舞い飛ぶカラスアゲハは、こちら側で興奮している柚なんぞ知るはずも無く、木々の間を遊ぶ。

思わず柚は、猫パンチ...

網戸に爪が引っかかり、慌てる柚の目の前を飛び去りもせずに蝶は舞い続ける。

柚も自慢じゃないが猫頭。
元をたどれば、ハンターの血筋。
視線は、舞い飛ぶ蝶の複雑な動きから外さない。
弱点と言えば、まだ猫の初心者。
現状の正確な確認なんぞ出来やしない。

ただきっと、「諦めたら生きて行けない」と先祖の声がするんだろう。

獲物が見えている限り、次の攻撃を。

気迫は、まだ衰えず...  (続)

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なんだ、あれ?

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夏が近づいて来て、いろいろなものが宙を遊ぶ。

柚にとっては、それら全てが珍妙で不思議で、彼女の太古からの本能にささやきかける魅力的なもののようだ。

それは、蝶であったり、羽虫であったり、あるいは小鳥であったり、鳩であったり...
大きさ速さに関係なく、猫の目には動くものは良く見えるらしい。

これは、珍しくカラスアゲハが庭を訪れた時の、昼寝中だった柚の様子。
顔を横切った影に目を覚まし、半分寝ぼけたような顔で見上げる。
その目に映った不思議な動きで飛ぶ蝶の様子に、一遍に野獣のような緊張感を持った顔になる。

後ろ足がむずむずと動き、前足は宙に浮きそうになってヒゲが前に来る。
腰が浮き上がり、頭が下がり、目は一瞬たりとも蝶から離れない。

柚というのは、なんだか緊張感のない表情の猫だけど、こういったときは何時もより利口そうで精悍な顔に見える。
甘ったれた子猫の表情は消える。

こういう状態になった時に柚の名前を呼んでも、聞こえない。

蝶の動きに合わせて、頭が上下に動く。
お尻が左右に振られ、前足がぷるぷると動く。

蝶が近づいたら、飛びかかるつもりらしい。

....間に網戸があるのを忘れているのかもしれない。


(続く)

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ディーゼル規制

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ある日、テレビのニュースでその映像は流れた。

いろいろと目立つことの好きな東京都の知事という男が、記者会見の場で記者に向かって小さなガラス容器に入った黒い粒子をバラまいた。
「キャッ」とか「わあっ!」とか言う記者達の声の後、「トラックはこんなものをバラまいているんだ」と言う。
このトラックのディーゼルエンジンから出る、「PM・NOx」を規制するというディーゼル規制がこの時から始まった。

確かに自分でも大型トラックの後ろを走ると、黒煙とともに臭い排ガスの匂いが車内に入って来て、抜ける所であればトラックの前に出たいということは良くあった。
特に整備不良とも思える古いトラックなんかの後では、前が見えなくなる程の黒煙あるいは白煙で窒息するような気持ちになることもあった。

しかし、当時の排ガス規制をクリアしたトラックであれば、それほど酷い排出物が出ることはなかったと思うのだけど。
...何よりも首都近辺の殆どのトラックが走れなくなるような規制は、他に意味があるのではないか、と感じられる程厳しいものだった。
この規制には、荷物輸送のトラック以外に元が1ナンバー4ナンバーの「トラックベースの8ナンバー」も入っていて、キャンピングカーも含まれていた。

キャンピングカーのメーカーや、キャンピングカーのオーナー達が集まって対策を調べたが、当時のキャンピングカーに乗っている人たちの数は少なく、とても大きな声にはならなかった。
いろいろと調べて行くうちに、ヨーロッパなどではガソリン車よりむしろディーゼル車の方が、資源の浪費を防ぎ環境にも易しいと言われていることが判る。
何故日本のディーゼルエンジンは世界的にも評判が良いのに、国内でこうした規制が必要な程排出物に問題が出るのか...原因は軽油に含まれる硫黄分の量だった。
ヨーロッパの軽油の方が硫黄分が遥かに少ないために、排出物が日本の軽油よりずっとクリーンなのだ。
それで、日本の軽油の硫黄分をヨーロッパ並みにすれば、ディーゼル規制の排出基準値をクリアー出来るはずだから、硫黄分の少ない軽油にしてくれと言う意見を出したが...

どこぞの力ある勢力にとっては、大手の石油会社の設備を変更して硫黄分を少なくするより、ディーゼルエンジンのトラックを乗れなくして買い替え需要を起こす方が遥かに魅力的な流れだったらしい。
おまけに、トラックの黒煙や白煙の匂いや排出物が嫌なのは多くの市民に共通した認識だったから、この流れは止まらなかった。

キャンピングカーを乗り続けるには、毎年100万以上の金を出して「触媒」を取り付けるしかなかった...おまけにそれを付けるとエンジンのパワーは足りなくなり、それでなくても自然渋滞の元になりやすいキャンピングカーでは、普通の流れに乗った走行は無理となってしまう。
経済的にも実際の使用の面でも、どう計算しても乗り続けるのは不可能だった。

ずっと乗ろうと言っていた「最後の車・キャンピングカー」は、6回目の車検は通してくれない...車検場から出さない、と宣言された。
ディーゼル規制で大騒ぎだったために、あれだけ高価だったキャンピングカーも二束三文でしか売れず、結局作ってもらったセキソーボディーに引き取ってもらうしかなかった。
車がなくては困る生活のために、いろいろと相談して次の車は決まったが...

それにしても、この規制が(キャンピングカーにとって)インチキだと感じるのは、この規制が外国製のトラックベースのキャンピングカーには適用されなかったこと。
アメリカ製・韓国製・ヨーロッパ製の、日本車より遥かに排出規制値の悪いトラックがセーフだったのだ。
始めにベース車を決める時に、安い韓国製、パワーのあるアメリカ製、洒落たヨーロッパ製、それに信頼性がありクリーンな日本製...と世界のトラックを比べて日本車を選んだのに、その一番クリーンだった日本車が乗れなくなって、数値が遥かに悪い外国製トラックベースのキャンピングカーはまだ走っている。
単純な力関係なんだろう。
外国車を規制に入れると外交問題になるのを恐れたからだと聞いた。

という訳で、夢のキャンピングカー生活は10年12万キロで終わった。
そして、娘達も仕事に就いて、今までのような長期の夏休みなんてとれない...長かった家族旅行の季節も終わることとなった。

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天才...2

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大きくはない会社で、中間管理職として忙しい日々を送っているKさんは、仕事以外の自分の使える時間の殆どをゴルフにかけている。

仕事で必要となって30過ぎて始めたゴルフだが、すぐにその面白さに気がついて夢中になった。
しかし、いつも元気一杯でエネルギッシュなKさんだったけど、ゴルフの腕はなかなか上がらなかった。
それでも怠けずに努力を続け、レッスン書を買ったり、DVDを買って研究したり、レッスンプロについたりもしてゴルフを続けた。

同僚とゴルフのサークルを作り、部下にもゴルフを勧め、手ほどきし、年に2〜3回会社のコンペを幹事となって開催し、そのゴルフ好きは会社中に知れ渡っていた。

...ただ、腕はあまり上がらなかった。
10年やって、アベレージは90前後。
良ければ80そこそこもあるけれど、ちょっとしくじると100を打つ。
スライスが直らず、奇麗なドローボールなんて打ったことがない。

それでも、何時だって酒を飲めば熱くゴルフを語るKさんだった。
...が、ある時、社内のゴルフ好き5人で酒を飲んでいて、Kさんが一言もゴルフのことを語らなかった。

それを不思議に思った同僚が、Kさんにゴルフの話を差し向けると、何となく神妙な面持ちでいつもと違う小さな声で話し出した。

「女房なんですよ。」
「この前、近所の練習場に行く時に、何となく女房を誘ってみたんですよ。」
「まあ、女房はゴルフなんてやったことがなかったので、練習場がどんなものか興味があったんでしょう...買い物ついでということ、でサンダルにジーパンで一緒に車に乗りまして」
「私がいつものように打っているのを、後ろに座って見てたんですよ。」
「そのうち一服しようとした時に、女房に打ってみるか?って聞いたんですよ。」
「握り方を教えて、一応こんな風に上げて、こんな風に振り下ろして...なんて。」
「あら、あなたそんな風にあげて下ろしてなかったわよ、なんて言いやがったんですが」
「ただ、私はレッスン書やDVDは一杯見てますから、他人には正しい事が言えると思うんですよ...勿論自分じゃ出来ないんですが。」

「そしたら...当たるんですよ。」
「男物のRシャフトの私のクラブを、見よう見まねで振って、ちゃんと当たるんですよ。」
「勿論、最初は飛んで行く方向はバラバラだったんですが。」
「でも、20球も打つうちにね、ちゃんと飛んで行くんですよ。」
「それも、奇麗なドローボールでね。」
「私、十年やっていてあんなボール打ったことありません。」
「多分飛距離はそんなに出てないと思うんだけど、アイアンだってドライバーだって、当たるんですよ。」

「もう私、なんにも言えなくなって...」
「やっとの思いで...おい、お前もゴルフやって見るか?...って言ったんですよ」

「あいつ、汗をかいた顔で振り返って、これ 気持ちいいのね、って嬉しそうに...」
「でも、あたしはいいわ。 まだ子供にお金がかかるから、二人でゴルフは無理でしょ...って。」

「うちのが特に運動が得意だったなんて聞いてないし、普段見ててもそんなに運動神経がいいとも思えないのに..」
「自分はこの10年、ゴルフに時間と金と情熱の殆どをかけて努力して来たのに...」
「明らかに女房の方が才能があるって判ったんですよ...でも、女房はゴルフやらないって言うし、女房の才能を知っちゃった自分が、そのまま下手なゴルフを金と時間をかけて楽しんでいていいのかどうか...」

Kさんの言葉を聞いて、始めは冷やかそうとしたりからかおうとした仲間も、Kさんが真剣な顔で苦悩の表情を浮かべていたのに気がついて言葉を飲み込んでしまった。
「...自分の女房にそんな才能があるなんて、全然気がつかなかった。」

「俺がゴルフ続けていいのかなあ...」

,,,Kさんの背中が震えていたように見えた。

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北九州市の「市民」って...

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宮城県の石巻市の「震災瓦礫」を試験焼却する為の搬入を、また「市民」とやら40人程が反対して妨害したニュースが流れた。
「放射能が」「放射能が」と狂ったように言いながら、反対するいい年をした男や長髪の男達。
一体彼等は何を守ろうと言うんだろう。

福島第一から、100キロ離れた石巻市。
放射の影響がないなんて言えやしないが、処分を必要とする「元はみんな人が住んでいた生活のかけら」...福島第一の周辺のような汚染された場所ではない。
復興のためには、それを処分しなければならない事情がある。
「絶対に反対!」と叫ぶ「市民」に思うのは、彼等は自分がそんな災害に遭う事は絶対にないと思っているんだろうか?
自分が想像もしなかった災害にあってしまった時に、絶対に周辺の人に助けてもらう事なんかしない、と断言出来るのだろうか?
...私は、こういう事に声高に自分の権利として反対を叫ぶ人間が、逆の立場になると一番助けを当然の権利としてを要求する人間だと思っている。
「何故助けてくれない」「政府や民間の支援はどうなっている?」「もっと援助しろ!」と大騒ぎする奴程、自分の方に何か損なことが起ころうとすると「助ける必要はない!」「そんなものは被災地で処分しろ!」という奴らなのだ。
何度もそういう人間を見て来た。

放射能の影響なんて、狭い日本ではお互い様で、何処にも逃げ場なんてありゃあしない。
そんな狭い所に、便利だからと不完全な原発を多数作ってしまった、それを許した我々自身が悪いのだ。
その管理を、全くの能無しにやらせていた我々が悪いのだ。
これからは、それを自覚して矯正して行かなくてはならない。

そうして、あの醜い「市民」達に聞きたい。
きみらが騒いでいる、瓦礫に含まれているかもしれない放射能より、西の国から偏西風に乗ってやってくる黄砂に含まれる有毒物質の方が、遥かに身体に悪いと思うんだけど?
そういう立派な「市民」達が、かの国にあれほど執拗で嫌らしい抗議をしている姿を、聞いたことも見たこともないんだが...

絆、なんて嘘くさい言葉を信じちゃいないけど、「自分だけ良ければ」が見えすぎるのも腹が立つ。

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開設日: 2006/11/12(日)


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