森綾のおとなあやや日記EX

もの書きで歌うたいな森綾のone note samba

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I LOVE 九龍


 香港&マカオの出張から戻ってきた。

 マカオでのカジノの一件などは仕事の原稿にゆずるが、

 なんとも心穏やかな、楽しい旅であった。

 宿泊したのは九龍の下町にあるリーガルオリエンタルホテル。

 古い街並みのなかに、高層マンションなどもできつつあるが、

 基本的に、人が下町気質であった。

 到着した夜は編集者のAさんと近所の点心レストランに入ったが、

 23時という時刻にも関わらず、家族連れでいっぱい。

 まったく英語が通じない店で何を言っても「はー」「あー」と笑われていた。

 しょうがないので、漢字をにらみながらメニューを指差す。

 海老餃子に蟹の卵のせ焼売はすこぶる美味であったが、
 
   Aさんの頼んだ鶏の丼は、

 なんと鶏の足先丼。

 かなりグロい感じで爪がついていたが、Aさんは食べた。

 見た目ギバちゃん似の32歳、なかなかたいした男である。

 海老が食べられないというところも、ありがたかった(笑)

 3品で600円ほどである。

 お粥なども20香港ドル強、つまり200円ちょっと出せば食べられるのだ。

 あとは女子2人を連れだって糖朝へ飲茶を食べにいったら

 胃が風船みたいにふくらむほど食べても1500円くらいだった。

 しかもその美味しさといったら、

 おなかがいっぱいなのに脳がもう指令を出すのを忘れるくらいだった。

 参加客全員で食べた屋台のわたり蟹も美味しかった。

 最終日は、朝ご飯をパスして一人で街に出た。

 外にテーブル2つとパイプ椅子が置いてあるちっちゃなタイ麺屋さんで、

 酸辣麺というフォーを食べた。

 22ドル。

 「spicy?」とタイ人のおねえさんが心配してくれる。

 もやしとかニラ、背脂が少し入っているが、もともとのスープが上品な鶏スープで、

 人生で食べたフォーのなかでNO.1であった。

 だいたい、下町の食べ物屋で働いている人たちの感じがいい。

 けっしてサービスがいいわけではない。

 むしろぶっきらぼうだったりするのであるが、

 ちゃんとおさえるところはおさえてかまってくれるのである。

 漢方茶のお店など、

 私がまごまごしていると、財布の小銭のところから、これとこれとこれ、と出してくれ、

 隣のおばちゃんが「あれ、ちょっと足りないよ」と言ったにもかかわらず、

 おかあさんは「もういいよ」と言ってくれた。

 タクシーでも1香港ドルくらいは2度おまけしてもらった。

 お金は欲しいけど、そんくらいはいいよ、ということなんだろうか。

 それともただの親切なんだろうか。

 みんなゆるいけど芯は強い自己主張をもっていて、

 明るくやるせなく生きてるっていう感じ。

 故郷の千林商店街を思い出すような、懐かしさに

 「ああなんか、帰りたくないなあ」と久々に思った海外であった。

 ペニンシュラの最上階のBAR、フェリックスも素敵であったが、

 トイレにいた、たぶん家は下町なのであろうおばさんのことが忘れられない私である。

 人が生きる原点はああいう場所以外にないのだ。

 だから私はこんなふうにつぶやいてその街を去った。

 また帰ってくるよ、九龍。

 
 

 
 

 

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開設日: 2006/12/31(日)


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