B型肝炎アップデート
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平成24年2月10日 肝炎フォーラム2012(岡山グランヴィアホテル3F)
B型肝炎新ガイドライン 虎の門病院副院長 熊田博光先生
B肝においても、インターフェロン使用群でHBs抗原が陰性化する症例が多い。
連続投与例と間歇投与例では、後者での陰性化率が27%であった。
e抗原が陰性化しても肝硬変は進行するので、やはりs抗原陰性化が指標になる。
HBs抗原陰性化例11例を見ると、ほとんどはインターフェロンがらみ(8/11)である。
HBs抗原決定基“a”領域のシークエンスを見ると、ミュータントの発現が無くちゃんとs抗原が消えたことを確認した。
核酸アナログでは、s抗原消失は4.8%、平均5.7年(最短0.7か月)であった。
s抗原消失例とそうでない群を比較すると、家族歴・インターフェロン治療歴・ジェノタイプの3つで有意差があった。
ラミブジン開始後のs抗原消失率は、5年で2.4%,10年で7.8%と決して高くは無い。
ジェノタイプAが、B,Cと比較して有意に予後が良好である。
インターフェロン治療歴では、3〜5年後以降に有意差が出てくる。
ジェノタイプで見ると、A,DはB,Cに比べると早く低下する傾向にある。
ラミブジン開始後6か月で1log以上低下した群にs抗原陰性化率が高い。
IFN治療後のリバウンドに対して、ラミブジン投与で6年後にs抗原が陰性化した症例。
ラミブジンによるs抗原陰性化に寄与する因子では、IFN治療歴(p=0.08),ジェノタイプAがp=0.001,開始時のs抗原が1000で差が出てきた。
s抗原定量系が新しくなったので、今後より正確に測定できるようになります。
HBV DNAが6か月以内に核酸アナログで陰性化する症例はオッズ比3.98で高い。
B型肝炎はリバウンドなしにs抗原が消失するのか?
ステロイド離脱による免疫応答を調べたが、CD8+の反応が無かった群では1例もe抗原消失例は無かった。
HBV DNA<6.9logでは100%でe抗原が陰性化したが7.0以上だと25%しか陰性化しなかった。B型肝炎において免疫賦活は不可欠と考えられる。
ステロイド離脱療法はB型肝炎の強い免疫反応を利用してセロコンバージョンを高率に起こす可能性があるが、肝炎の劇症化を起こすリスクもある。
当時から、インターフェロンは連続投与で抗ウイルス作用を、間歇投与で免疫調整作用を発現することが知られていた。
インターフェロン間歇療法後にインターフェロンとエンテカビルでe抗原が消失した症例を経験して、その後徐々にエンテカビル開始時期が短縮してきた。
インターフェロン後、12週以内に核酸アナログを使用する例がHBV DNA低下が良好であった。
ペガシスの治験では180mcg48週が19.5%で良かった。
虎の門病院4497例までの年間s抗原陰性化率(275/4497)
インターフェロン 78/560 投与期間中央値4.3年、陰性化率1.78%/年
ラミブジン 26/813 4.2 0.56
ラミブジン+アデフォビル 7/345 2.5 0.73
エンテカビル 2/185 2.3 0.62
ステロイド離脱 3.88
自然経過 0.44
インターフェロンを間歇or連続で使用する方が良いか検討中である。
発がん予防に対する核酸アナログのデータ
初回核酸アナログ(エンテカビル)で約6%に耐性株が出現する。
エンテカビル ナイーブ症例からの変異株出現例はいずれも、開始時e抗原陽性・高ウイルス(7log以上)の症例で、かつ1年以内に2.6以下にならなかった例であった。
現在の課題は、核酸アナログの多剤耐性をどうするかである。
・ラミブジン単独使用でエンテカビルやアデフォビルの耐性が出現した(8例)。
・ラミブジン+アデフォビル投与中に耐性が10例出現した。
・エンテカビル投与例からのエンテカビル耐性が15例出現した。
現在はラミブジンリフラクトリーにはアデフォビル併用、ナイーブ症例にはエンテカビルを使用するとガイドラインには5年前から記載してある。
テノフォビルの使用経験8例
ラミブジン+アデフォビルでも5log以上ある症例への投与経験
エンテカビル+テノフォビル、ラミブジン+テノフォビルで使用しているが、今の所全例検出感度以下である。現在治験中で4年後には承認されそうである。
多剤耐性株へのラミブジン+テノフォビルorエンテカビル+テノフォビルの治療効果は極めて良好であった。
ラミブジン以降のB型肝炎/肝硬変への核酸アナログのまとめ
①エンテカビル641例で2例(0.4%)耐性が出現。
②ラミブジン(1066例)からエンテカビルへの切り替え250例中15例(15%)が耐性株出現。
③ラミブジンからラミブジン+アデフォビル併用に切り替えた485例中18例(4.6%)に耐性が出現した。
耐性株35例中25例は治療抵抗性で、8例は先ほどの症例、残り17例は治験中である。
核酸アナログの発がん抑制効果
核酸アナログ投与例と自然経過症例との比較では、
B型慢性肝炎からの発がんを見ると、5年後から差が出てくる。
B型肝硬変では3年目以降から差が出てくる。
若年者への長期投与では、多剤耐性株や色々な副作用を考慮すると、なるべく投与期間を短縮したい。そこで核酸アナログ中止時にインターフェロンを1か月併用し、その後インターフェロンを5か月間連続追加投与するシークェンシャル療法が提案された。
ラミブジン投与中止例を検討すると、中止時にe抗原陽性で再燃した例は77%、陰性だった方からの再燃率は42%であった。
現在14例行っている。
インターフェロンを使用すると一過性にトランスアミナーゼが上昇するが戻る。
14例中4例が再燃している。
再燃に関わる因子を検討すると、核酸アナログ投与期間(60か月)が短いこととシークェンシャル療法開始時のHBs抗原量が多い(1000以上)群に再燃が多そうだった。
現在シークェンシャル療法は症例を集積中である。
B型肝炎の治療戦略
① インターフェロンと核酸アナログを効果的に使用しHBs抗原の陰性化を目指す。
② 核酸アナログを長期に使用しHBV DNA陰性化・ALT値の正常化を持続させ発がん予防を目指す。
24年のガイドラインでは、ペガシスがシークェンシャル療法に保険適応となるので、48週投与を入れた。
35歳未満では、ペガシス48週が良かったので①に入れた。
捕捉では、可能な限りジェノタイプを測ってインターフェロンを入れましょうと記載した。
現在テノフォビルが入手できるように当局と検討中である。
テノフォビルは治験中で100例分余っているのでリフラクトリー研究に参加頂ければ直ぐにお渡しできる体制になっている。 以上
C型肝炎は数年で目途がつきそうな気配です。しかしB型肝炎はまだまだ年季が係りそうです。テノフォビルも早く保険適応できるといいですね。
ご訪問有難うございました。 |








ebipapaさん、こんにちは〜♪
いつも貴重な情報をありがとうございます。
ebipapaさんもご指摘の通り、
C型は現治療法でも半分以上が完治可能できそうな勢いで、
さらに数年以内に殆どが完治できると言われています。
一方、B型はウイルス量は検出限界以下までいくものの、
留めがさせないため、多くの患者が再燃に怯えています。
何とかウイルスにとどめを刺す治療法を探してほしいです。
これからもよろしくお願い致します。
ではまた〜♪
2012/2/12(日) 午後 1:18 [ akio ]
コメント有難うございました。
2012/2/12(日) 午後 2:50 [ ebipapa ]