夏の痒み
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平成24年5月25日 第21回岡山アレルギーを考える会(岡山グランヴィアホテル)
幼児・学童におけるアトピー性皮膚炎・蕁麻疹・食物アレルギー
広島大学医歯薬保健学研究所 皮膚科学准教授 三原翔嗣先生(途中から)
蕁麻疹を大別すると、特発性と刺激誘発性に分かれる。
①特発性蕁麻疹:明らかな誘因なく、毎日のように繰り返し出現する。誘発できない。
②刺激誘発性蕁麻疹:特定の刺激/負荷で誘発できる。時間経過は不問、不定期に出現。
③血管性浮腫、④蕁麻疹関連疾患
蕁麻疹の頻度(広島大学)
特発性(急性/慢性) 73.8%、機械性7.3%、コリン性6.5%、アレルギー性5.4%、寒冷1.9%、その他
刺激誘発性蕁麻疹
・直接的誘因があり、刺激後数分〜数十分で出現する。
・不定期に誘発されることが多い。
・目の前で皮疹を誘発でき、診断を確定できる。
・特異的な検査がある。
・抗ヒスタミン薬の反応性は悪い。
特発性蕁麻疹
・明らかな直接的誘因無く、ほぼ毎日出没を繰り返す。
・通常24時間以内に消退する。
・4週間以内は急性、それ以上は慢性。
・蕁麻疹の約7割を占める。
・感染,疲労,日内変動,自己免疫など種々の増悪/背景因子が関与する。
・海外では、自発性(spontaneous),通常(ordinary)と呼ばれている。
・抗ヒスタミン薬に良く反応する。
・皮疹は誘発することは出来ない。
・特異的検査は無い。
・誘発可能な蕁麻疹を除外することで診断する。
誘発可能蕁麻疹では原因/悪化因子の除去/回避が治療の主体となり、特発性蕁麻疹では薬物治療(対症的)が主体となる。
特発性蕁麻疹の治療(EAACI/GA(2)LEN/EDF/WAO 2009ガイドライン)
①非鎮静性抗ヒスタミン薬:2週間以上症状が持続すれば、
②非鎮静性抗ヒスタミン薬増量(海外では4倍まで、日本では2倍まで)1〜4週間以上症状が持続すれば、
③ロイコトリエン拮抗薬の追加or非鎮静性抗ヒスタミン薬の変更
増悪例にはステロイド内服:1〜4週間以上症状が持続すれば、
④CyA,H2拮抗薬,ダブソン,オマリズマブの追加
増悪例にはステロイド内服
2011日本皮膚科学会蕁麻疹治療ガイドライン
①H1拮抗薬
②補助的治療薬:H2拮抗薬、漢方薬、抗不安薬、抗ロイコトリエン薬etc......
③ステロイド:プレドニン環さん5~15mh/日
④試行的治療:免疫学的治療(シクロスポリン、ステロイド20mg/日以上など)
いつまで続けるか
特発性蕁麻疹では、症状が消失しても少しの間継続したほうが長期での再発が低下する。
現在、薬物の種類や期間の研究を行っている所である。
アトピー性皮膚炎
蕁麻疹は数時間後には消失するが、湿疹は変化があっても完全には無くならない。
乳幼児では蕁麻疹出現後湿疹の増悪を認める症例が結構ある。
成長に伴ってこういった現象は減ってくる。
原因/増悪因子の検索と対策、スキンケア・薬物療法が3本柱である。
増悪因子
2歳未満では食物(卵,牛乳,小麦)が多い。汗・乾燥・掻破など
13歳以上成人では食物が減って、ストレスなどが加わる。
成人でのアレルゲンの頻度:ハウスダスト、ダニ、スギ、犬猫皮膚、蛾etc....
防ダニ布団カバーの効果はバラバラである。
アトピー性皮膚炎は自分の汗に反応する。
重症例では学校でのシャワー浴が有効であった。
文科省の管轄で「学校生活管理指導表」が作成された。
スキンケア
遺伝的にフィラグリン変異を持つ人は、保湿機能が低下し水分が放出される。
神経線維が皮下まで伸びてきて、痒みが増悪する。
保湿剤:セラミド(キュレル,AKマイルド)・尿素(ウレパール,パスタロン,ケラチナミン)・ヘパリン類似物質(ヒルドイド)・ワセリン・ビタミンE配合剤(ユベラ,ザーネ)
基本的に、本人の好みで使用してよいが、尿素は少し皮膚のバリア機能を低下させたり刺激を伴ったりする。
入浴後30分以内(できれば5分)が効果的です。
薬物療法では、始め強めのステロイドから開始して良くなってきたらランクを落として、保湿剤なども併用しましょう。再燃時には少し強めのステロイドに変更しましょう。
良くならない方の多くは、塗る量が不足している。
ティッシュが張り付くくらいたっぷり塗りましょう。
食物アレルギーが疑われても、食物の除去ではなく、湿疹の治療が優先です。
1992年(平成4年)に久米宏が、「外用ステロイドは骨がボロボロになる,糖尿病になる悪魔の薬」とニュースステーションで報道して、翌年からアトピー性皮膚炎が重症化して入院する患者が増悪した。
1999年にアトピー性皮膚炎ガイドラインが作成され、ようやく入院患者が減少した。
小児アトピー性皮膚炎診療の特徴
・治療は母親が行う。
・親が納得しないと、家庭での治療が出来ない。
・まだ、外用ステロイドにたいする漠然とした不安・忌避感がある。
・様々な情報が錯綜している。
・良くなると直ぐにやめてしまう。
・母は忙しい。
・一生懸命治療しているのに、誰も認めてくれない。
・そうしている内に、(劇的に)治してくれる医者を探そう。......という事になる。
治療のポイントは「納得していかにして外用してもらうか」である。
小児アトピー性皮膚炎治療では“コーチング”が重要である。 以上
ブランドでも有名なCOACH(コーチ)は、4輪の馬車を意味する。コーチは運転が難しく訓練を要することから“コーチング”という名が付けられた。(Wikipedia) 以前シンクロの井村雅代氏の講演を聞きにいったことがあります。彼女の解釈は、“コーチ”というのは「お客様を目的地まで運ぶ仕事がコーチング」であるといっておられました。人それぞれ解釈は違うかも分かりませんが、良い所を学んで成長していきましょう。
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