廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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政府紙幣の有力な提唱者の一人、高橋洋一さんの「書類送検」で完全に下火になった感のある政府紙幣ですが、

改めて整理しておきたいと思います。


☆まず、私自身の政府紙幣に対する考えを書いておきますと、

 ・基本的には政府が赤字国債発行で積極財政をやると腹をくくるなら、特に政府紙幣は必要ない

 ・というのは、
  日銀が国債を引き受け(直接引受けは財政法第5条で国会決議が無い限り禁止なので、
  買いオペ増額による「間接引き受け」)をすれば、
  国債の金利は日銀から政府に大部分が国庫納付金の形でキャッシュバックされるし、
  そもそも、日銀は「政府子会社」なので、日銀保有の国債は政府の資産と同じ
  であるからです。

 ・なお、
  日銀は日銀券残高以上に長期国債を保有しないルールなどがあるし、
  FRBほどには、長期国債をどんどん買うという宣言はしないので、
  国債を引受けないのでは、という印象も受けます。
  しかし、
  過去の日銀による「量的緩和」
  の事例を見れば、
  なんだかんだ言って「金融調節」の範囲内で、国債をしっかり買うだろう
  と考えられます(ただし、短期国債中心の買いオペ増額
  ⇒ 『「国債買い取り1.8兆円に増額」』参照

・ということで、
  問題は、政府ががっつり財政出動をするかどうか、ということに
  なります。
  (政府ががっつり財政出動+国債発行で金利上昇圧力をかけないと、
   日銀がもっと資金調整を行うための余地ができないので)
  
  とりあえず今年度は大規模な財政出動をすることになることがほぼ確定
  (あとは、国会決議次第ですが)していますので、
  その点でも政府紙幣の必要性は若干薄れますね。

それはそれとして、政府紙幣の完全否定もおかしいと思いますので、

以下に政府紙幣の問題点とされるところと、その問題点の解消法等をまとめてみたいと思います。


1.「政府紙幣発行」は「ハイパーインフレになるから、ダメ」について


歴史的事例を簡単に振り返っておきましょう(詳細は「国債を刷れ!」第2章をご参照ください)

江戸時代、通貨は基本的には中央政府たる幕府が直接発行していましたが、
 デフレ不況のときに、徳川吉宗
  小判を1枚もって来た国民には同じ額面の小判1.6枚と交換するということをやりました。
  金の含有量を減らして枚数を増やし、デフレ不況を克服しました。
 金の含有量を減らしての通貨増発なので、原理的には政府紙幣増発と同じような話です。

明治維新政府の初期は政府歳出の94%は政府紙幣の発行益で賄っていました。
 それは、デフレ下で行ったので、なんら問題はありませんでした。

・明治10年の西南戦争後は4年くらい年率平均10%程度のインフレになりました。
 このインフレがきっかけで紙幣発行は政府とは独立した中央銀行が行うということで
 日銀が設立されました。
 その日銀設立の契機になったインフレも高々平均10%程度でしたし、
 しかも日銀が設立された年は、なんとデフレに陥っています。

⇒過去の事例から、「政府紙幣」は即インフレ、だからダメ、
 というのは全くのナンセンスであることが分かります


また、現在の日本の問題は、あくまでもインフレではなくデフレです。

下に、1990年から2007年にかけての、物価指数の変化率を示します。

イメージ 1

出典:IMFデータベースから計算
   (IMFデータで、確定値または推計値が記載されている国のデータを元に作成)

消費者物価指数でもGDPデフレーターでも、
日本の物価上昇率は世界最低です。

なお、GDPデフレーターは、
輸入物価の変動を含まない物価指数
なので、消費者物価指数よりも、国内の需要と供給の関係をより如実に反映する物価指数ですが、

これが、日本は世界で唯一マイナスになっています。

問題は、デフレです!!


こないだ、某テレビ番組
日本でも、政府紙幣を発行すればジンバブエのようになる(紙幣をまるめて子供たちがサッカーボールにして遊んでいた)
と言っていましたが、この観点の政府紙幣反対論は、まったくの論外です。

ジンバブエは、上記の表の通り、世界最高のインフレで、それどころか、世界史上でも最高記録更新中です。

冒頭のAFPニュースによれば、年率で
2億3100万%
インフレ率を去年記録し、その後は記録すら取っていないとのこと。

これは、一年前のお札の価値
2億÷100=200万(パーセントを「倍」に換算)なので、200万分の1の価値になったということです。

1年で1万円札が、1円どころか、1銭の価値すらない状態になってしまったのです。

冒頭のAFPニュースでは、100兆ジンバブエドル札のサンプル写真が掲載されていますが、ほんま、この国は凄まじいことになっていますね

これくらいになれば、サッカーボールにしたくもなりますが、日本はジンバブエとは正反対で、デフレに苦しんでいる国です。

この、
公共の電波で放映するにはちょっぴり勉強不足なテレビ番組はさておき、

日銀出身のまともな専門家による、もっとまともな反対論について見てみましょう。

と思うのですが、今日はもう遅いので、これで寝ますm(_ _)m。明日、また続けますね^^

とにもかくにも、日本の課題はジンバブエと違ってデフレだよねん。しかし、ジンバブエの100兆ドル札にはビックリ(@_@)と思われた方は、こちらのリンクのクリックをお願い致します↓ m(_ _)m

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吉宗って暴れてるだけじゃなかったんだ…w
考えてみれば、信用が極端に毀損してる訳じゃない状況で、多少通過の蛇口緩めただけで即インフレってのも、変な話ですよね

2009/4/14(火) 午前 11:39 [ 借りてきた猫車 ] 返信する

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財務省の人たちなどが,どうして国債増発に反対するのか?私なりに考えてみました。
財政法4条1項本文には,「国の歳出は,公債又は借入金以外の歳入を以て,その財源としなければならない。」と規定され,そのただし書において,「但し,公共事業費,出資金及び貸付金の財源については,国会の議決を経た金額の範囲内で,公債を発行し又は借入金をなすことができる」とあり,国債等が例外である旨定められています。
財政法の教科書を見たところ,「太平洋戦争中には財政の赤字を補てんするため借入金及び赤字公債を濫発し,公債主義によらず日本銀行引受又は日銀借入れの安易な方法によったため,……経済危機に陥らせたのであった。」(有斐閣・法律学全集「財政法」46頁)と記載されています。
これら財政法の教科書は,財務省や日銀に入る人は必須でしょうし,最初のころに読むだけに印象に深く残ります。体の隅々まで赤字国債を嫌うでしょうし,「日銀引受け」,「政府紙幣」と聞くだけで,拒絶反応が起こるのかもしれないと,素人の私は思ったのでした。

2009/4/14(火) 午後 9:35 [ おじゃま ] 返信する

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(続きです。)
先ほどの教科書の47頁(著者は杉村章三郎)
「満州事変以降のわが国は軍備拡張から次第に戦時体制に突入し国民に対しては増税政策を強行し,なお不足する場合歳入財源としては赤字公債や戦時公債を発行して愛国心に訴え公債の応募を半ば強制したのであった。財政法4条は赤字公債その他非生産的な,また消費的歳出にあてるための国債の起債を禁止するものであり,同条の意義は,戦前のわが国において安易に公債の発行による財政運営を許したことが戦争の遂行・拡大を支える一因となったことを反省し,無原則な借金財政を自らいましめることにより,健全な財政運営を行おうとする決意を表明することにあるといえよう。」
なるほど,財政法にまで,太平洋戦争の反省が盛り込まれていたとは……(知らなかったorn)。

2009/4/14(火) 午後 9:45 [ おじゃま ] 返信する

借金というのは誰でも好き好んで背負いたいとは思いませんが、世界の借金王アメリカが覇権主義でもって好き勝手している現状を考えると、要はシステムとの付き合い方なんでしょうね。

それにしても、明快な議論展開に感服します。

2009/4/14(火) 午後 11:28 [ 9回裏二死満塁 ] 返信する

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