廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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「賢い政府」?【1】


本日の日経1面

【日本の軸を問い直す】

という論説記事(専務執行役員主幹・岡部氏)があったのですが、

大変申し訳ないのですが、いろいろ突っ込ませて頂きたく…

リーマン・ショック後の危機のなかで「世界の軸」も動いた。

オバマ米政権は市場本位から政府介入にカジを切った。

主要金融機関の公的管理に続いて、

GMまで国有化した。

保護主義と紙一重の選択だった。

日本でも小泉政権のときに、りそな銀行を国有化しましたねえ…


GMの「国有化」は確かに、ショッキングな出来事かも知れませんが、

1950年代の日本では、自動車産業は税制上の優遇措置とか乗用車の輸入禁止措置とかの超保護主義の中で力を養ったわけですから、

「保護主義と紙一重」というラベルを貼って否定的なことを言わなくても良いのではないでしょうかねえ…


何もせずにつぶれるに任せるのと、ある程度保護した場合とで、リスクとリターン、利と害を計算して実施したということではないでしょうかねえ…

何もしなかったら、たぶん、「賢くない政府」なんじゃないですかねえ…



戦後最悪の危機に緊急避難のための政府介入や財政出動は避けられない

麻生太郎政権がグローバル・ケインズ主義による強調の一翼を担い、財政出動に踏み切ったのは当然である。

ケインズのいう「賢い支出」とは思えぬ支出が含まれるのは問題だが、
麻生政権が歴史的危機に一定の使命を果たしたのはたしかだ。

1行目以外は概ねOK牧場なので置いておきましょう。

1行目の「政府介入」ができるだけ小さい方が良いというニュアンスもまあ良いでしょう

しかし、

財政出動が危機のときだけ、一時的というのは、危機捨て、じゃなかった、聞き捨てなりませんです。

財政出動(歳出増加 and/or 減税)は、あくまでも、
インフレ率(本当は、輸入物価の影響を取り除いたGDPデフレーター変化率なんかの方が良いですが)で需給のバランスを見ながら調整すべきものです。

つまり、
財政出動(とその反対の緊縮財政)は経済の巡航速度を適正に保つための制御装置です。

危機の時だけ、一時的に、なんて言ってたら、経済成長なんてありません


マクロ経済の話をするときは、

GDP = 民間消費+民間投資+政府支出+純輸出

足し算は、片時も、0.1秒たりとも忘れてはなりません


下の表は、以前も掲載しましたが、
日本以外の国では、政府支出がガンガン増え、名目GDPもガンガン増えています。

http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9f/c5/eishintradejp/folder/725004/img_725004_18448878_0?1244714749
出典:OECD。日本の政府支出のみ内閣府。


麻生政権の致命的な誤りは「構造改革」の4文字を政策メニューから消し去ったことだ。

財政出動と構造改革は相反しない。

不況脱出には財政出動と構造改革の結合こそ重要だ。

それに企業家精神をかみ合わせた三位一体で「需要創出型イノベーション」(吉川洋東大教授)は生まれる。

一行目以外は、概ねOK牧場かと思いますが…

「構造改革」の定義って、なんですかねえ?


麻生政権の、低炭素革命を促がす一連の財政出動
たとえば、太陽光発電の補助金とか、エコカー減税+補助金というのは、
社会全体の構造改革を促しませんかねえ?

この補助金って、しっかり競争原理を損なわないような形になっています。

企業は寝ていてもカネをもらえるわけでなく
頑張って、汗をかいて、消費者に選んでもらわない限り儲からないですので。


麻生政権は脱小泉改革をめざしたが、

小泉改革の負の遺産は改革の行き過ぎではない。



冷戦後の改革大競争で日本は出遅れた。

「改革大競争で出遅れた」というのは、良く分かりません。そうだと言われればそうかも知れません。

それは、どうも数値で明確になる話でもないので、正直分かりませんが、

政府支出が95年から05年にかけてマイナスになっていたのは日本だけ、というのは、上記の表で明白に分かります。

むしろ、政府支出の増加競争に出遅れたのではないですかねえ…


あと、明白なのは、

民間が自国で使うカネを外貨建てでジャンジャン借りることができるような「構造改革」で、

アイスランドやハンガリー、韓国など、いろんな国が悲惨な状態になっていますね。

そんな「改革大競争」なら、出遅れて結構ですし、クーベルタン伯爵の正反対で、そんなアホアホな競争には「参加しないことに意義がある」と断言できます。




郵政民営化まで逆行させる動きを、麻生政権は抑えきれず、
大衆迎合主義のもとで揺れに揺れた。

ほえー?
ユーセーミンエーカ選挙でミスターホリエモンまで担ぎ上げようとした小泉政権の方が、よっぽど大衆迎合主義に、ござそうらわずや?

大体、郵政民営化に何の意味があるのですかねえ???

私が昔、よく聞いていたのは、
「郵貯や簡保の資金を、民間で活用することで経済が活性化する」云々でした。

つまりは、
郵貯や簡保が財政投融資や国債での運用だけでなく、住宅ローンや企業貸付をやれば、あとは全てバラ色の未来、みたいな意味合いですね。


こんな世界史上最低の金利水準でも民間借入がなかなか伸びない、つまり、
ただでさえ世界史上高水準の資金余剰なのに、

なんでそこに郵貯が資金を更に民間に供給する必要があるのか、全く意味が分かりません。

これはむしろ、民間銀行に対する、いわゆる一つの、「民業圧迫」ではありませんかねえ…


(もちろん、中小企業等への貸し渋り対策は、別途手を打つべきですが!!!)



高齢化社会に備えて…社会保障制度を抜本的に改革することだ。

社会保障目的の消費税引き上げなら国民の理解を得やすい。



社会保障改革とあわせて税制改革に取り組む必要がある。

世界最高水準の法人税率を引き下げ、日本経済を活性化するテコにすることだ。

消費税率と法人税率を他国と横並びにして、企業が活動しやすいように…

というのは一つのやり方ではあるでしょう。


消費税については、
景気に左右されない安定的な性質であるがゆえに、経済の安定化装置
(景気過熱のときはブレーキ、景気後退のときはアクセルとして働く)
としての効果が低いので
賛成できないという話は、

以前書きました(こちら→ 【消費税】

しかし、
日用品とぜいたく品でメリハリを付けるなら、
安定化装置の効果もありそうな気がしますので、
そのような消費税制度の変更という意味合いでしたら、一概に否定しません


法人税については、
一律減税というのも一つのやり方ですが、
雇用増を促がすようなメリハリのある減税ないし補助金というやり方の方が、良いかも知れないですね。

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日経【日本の軸を問い直す】
先ほど(昼休み)に読みました・・・
見事に突っ込んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m

2009/7/7(火) 午後 2:04 [ 鉄人4号 ] 返信する

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