廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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政府支出とインフレ率


政府支出とインフレ率(というか、消費者物価の上昇率の関係
グラフにしてみました↓


イメージ 1


見事なまでに、政府支出の増加率が大きいほど、物価上昇率も大きい、と言わんばかりのグラフになっちゃいました・・・


でも、
韓国って、97年の通貨危機でウォンが切り下がったから、

政府支出の増加でインフレというよりは、通貨切り下げで輸入物価が高くなって、消費者物価も上昇しただけでは?

ということも言えるかも知れないですので、

輸入物価の影響を取り除いた物価指数であるGDPデフレーターについても見てみましょう


イメージ 2


韓国の位置は、やはり、下がりましたが、

全体としての、政府支出が増えるほど、物価上昇も大きい

という傾向は変わりません!


物価(特に、輸入物価を除いたGDPデフレーター)は

需要と供給の力関係の影響を多分に受けて変化するわけです。


政府支出の増減は文字通り「需要」の増減であるわけですから、

政府支出を増やせば、需要増で物価上昇

政府支出を減らせば、需要減で物価下落

となるわけであります。



デフレが問題だー!

という場合は、政府支出を増やし


インフレが問題だー!

という場合は、政府支出を減らすことによって


物価を調整できることになります。


(ただし、モノの供給が足りている場合のみです。

 例えば、石油の供給不足による輸入価格暴騰などについては、
 石油危機のときみたいに省エネ対策などが必要ですね。)


ところで、

中央銀行の金融調節(金融緩和・金融引き締め)だけで物価がうまく調整できるか、というと、それは不可です。

それは、

01年から06年にかけての日銀の量的緩和でも、物価上昇については、それほどの効果が無かったこと(多少はあったのですが。詳細は「国債を刷れ!」p.218参照)

また、

アイスランドで不動産バブルとそれにつられた消費者物価上昇を、中央銀行の金融引き締め(=高金利政策)では防げなかったこと
(【インフレとデフレの制御】
  http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/16925533.html 参照)

を見れば、それはもはや、火を見るより明らかなわけです。


ただ、
だからと言って、中央銀行は役に立たない、中央銀行はもう要らない、
ということにはなりません!

前にも書きましたが、

中央銀行による金融調節は、その意思決定が非常に迅速に行えることが特徴であり、

財政政策は、国会決議を経る必要があるので、どうしても対応が遅くなってしまうわけです。


ということで、

金融調節による微調整と、財政による本格調整うまく使いこなすことこそが、

安定的な経済運営、つまり、「国民経済の健全な発展に資する」ことにつながるわけであります。

そして、
今はデフレ、ということを、くれぐれも忘れてはいけないのです!!!


デフレのときは、国の借金が大変なのではなくて、デフレが大変なのです。


また、

インフレのときは、これまた国の借金が大変なのではなくて、インフレが大変なのです(外貨建て対外債務が小さい限りにおいて)。


大切なのは、

国の借金を気にすることではなくて、

デフレのときには政府支出を増やし、

インフレのときは政府支出を抑制(場合によっては適切な規制強化)することによって、

「国民経済の健全な発展に資する」経済運営を行うことなのであります。

「それにしても、政府支出の増加率と、物価上昇率をプロットしたら、ここまでものの見事に直線的に並ぶとは思わなかった!」と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)m

http://blog.with2.net/in.php?751771

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見事な相関性が・・・驚きました!

しかし、このグラフを見ると極論者が、やっぱり政府支出すればインフレじゃんと騒ぎそうですね・・・
もっと、現状認識が重要ですね^^

2009/7/9(木) 午後 0:46 [ 鉄人4号 ] 返信する

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なるほど面白いデータですね。ちなみに、相関係数はどれくらいでしたでしょうか?
それと、政府支出とGDPデフレーターで回帰分析をやったら、どういう数値が出てくるのでしょうね?そちらも、同じく興味津々でありますね。ソース・データで自分で計算してみようかな・・・

2009/7/9(木) 午後 2:53 [ mol*e*3333 ] 返信する

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molder3333さん

では、データをば、

95年-05年
国名 政府支出増加率 CPI増加率 GDPデフレーター変化率
スペイン +101.0% +33.7% +41.5%
スイス +15.6% +8.6% +5.1%
アメリカ +74.8% +29.0% +22.7%
イギリス +76.6% +16.3% +27.9%
オーストラリア +83.0% +27.1% +29.6%
スウェーデン +46.2% +15.7% +13.0%
オランダ +68.4% +26.3% +29.2%
ベルギー +52.9% +20.0% +21.0%
カナダ +53.3% +22.9% +22.2%
韓国 +152.5% +41.7% +34.9%
オーストリア +16.9% +17.2% +11.2%
フランス +44.5% +17.6% +15.9%
ドイツ +12.1% +15.3% +7.1%
イタリア +71.1% +27.1% +31.4%
日本 -3.36% -0.60% -9.25%

2009/7/9(木) 午後 3:21 [ ヨッシーニ ] 返信する

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(続き)
【データのエクセルへの取り込み手順】

1.「メモ帳」に上記データをコピーして保存

2.上記1で保存したtxtファイルを、エクセルで「ファイルを開く(すべてのファイル)」で開き、

「元のデータの形式」については

「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」

を選び、「次に」で

「区切り文字」のところで「スペース」をチェック

→これでデータを開いた後、あとはxlsファイル形式で保存して下さい^^

2009/7/9(木) 午後 3:23 [ ヨッシーニ ] 返信する

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こういうのは日本経済新聞に掲載されるべきだと思いますが。。。ちなみに、学会ではこういうのはきちんと調査・発表されてないのでしょうか?私は工学の研究者なのですが、この程度の基礎的な知識はとっくにハンドブックあたりに乗ってそうなレベルに思えるのですが。。。 削除

2009/7/9(木) 午後 3:41 [ TT ] 返信する

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ヨッシーニ様
データをありがとうございます。今晩にでもやってみます!

2009/7/9(木) 午後 4:23 [ mol*e*3333 ] 返信する

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みなさん、優秀すぐる〜w 分からない私は、文章だけで納得しています。。。主婦なんてこんなものさ〜♪ いや、ほんとは私だけだけどw

2009/7/9(木) 午後 4:53 [ lap**_0902 ] 返信する

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ヨッシーニ先生、いつも読ませていただいて自分の中で毎回新たな発見がありブログのアップを楽しみにさせていただいてますが、特に今回のエントリーは感動すら覚えました。
ヨッシーニ先生は否定されるかもしれませんが、
この政府支出による景気調整理論で夢の無税国家いけるんじゃないでしょうか?以下は素人の戯言だと思って読んでいただければと思います。
日本の税収は約40兆ですがこれを全て無くして国債または政府紙幣で補います。手元に現預金が残った法人や個人は支出する乗数をかなり悪く見積もって1.1倍ので44兆の民間支出増。一方政府支出は現在80兆前後ですが、他国に習い40%増までならインフレ懸念なしと考えて80兆×1.4で112兆までならOK。無税により民間支出が44兆増えてるので政府支出は112-44で68兆まで抑えればインフレにならない。以上素人の戯言でした。

2009/7/9(木) 午後 8:10 [ ヤマショウ ] 返信する

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>ヤマショウさん

11年間で40%増なので、1年間で4%と計算したほうがよろしいかと。

あと、国債または政府紙幣で通貨発行益を行使するのは、事実上の税なんです。インフレ税ですね。 削除

2009/7/9(木) 午後 9:38 [ HM ] 返信する

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ヨッシーニ様、データをありがとうございました。
帰宅しまして、政府支出増加率に対する、CPI増加率とGDPデフレーター変化率の相関係数を調べてみました。

政府支出増加率:CPI増加率 =相関係数 0.909
政府支出増加率;GDPデフレーター変化率 0.88

いずれも、かなり強い相関関係を示唆する数値であるように思えます。
散布図を見ていて思ったのですが、「韓国・スペイン」「日本」と他の国々の間に空白域が目立ちますが、これはどういう意味になるのでしょうね?あんがい新興諸国のデータが入ると、空白域が埋まるのかもしれませんが、「韓国・スペイン」と「日本」が、他の国々と離れていることが非常に興味深く思えます。散布図の示す意味を考えてみえば、非常に面白いかもしれませんね。
興味深いデータをありがとうございました。

2009/7/9(木) 午後 10:16 [ mol*e*3333 ] 返信する

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追伸です。
いただいたデータから韓国のデータを抜いて、散布図と相関係数を見てみましたら、韓国を抜いた方が相関関係は強まりました。
これは、韓国のデータは異常値ということになるのではないかと思いますが、ヨッシーニ様ご指摘の通り「通貨危機」の影響もあるのかもしれませんが、それにしてはGDPデフレーター、CPI共に相関は強まりました。
たまたま偶然のことで、実は意味などないのでしょうか?それとも、韓国の経済の有りようは、他国と比べてどこか違っているのでしょうか?
まあ、私のような素人が浅知恵でやってみた分析に、大した意味などないのでしょうが(笑)

2009/7/9(木) 午後 10:24 [ mol*e*3333 ] 返信する

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12年前の韓国は 無理な通貨防衛で外貨準備枯渇→対外債務不履行宣言→IMF管理 という流れでしたからねえ。

しかし、これだけ相関関係があるのは「オークンの法則」(実質成長率と失業率との負の相関関係)並ですね。金融と財政を上手に組み合わせればインフレ率を精密に制御できると言えましょう。おつかれさまです。 削除

2009/7/10(金) 午前 0:35 [ HM ] 返信する

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molder3333 様
お疲れ様でした。
HM様のインフレ率制御に激しく同意いたします。

2009/7/10(金) 午前 8:28 [ 鉄人4号 ] 返信する

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HM様
ご指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりで、お恥ずかしいです。1年で政府支出は4兆前後の調整で、税なら20兆前後(バブル期60兆、現在40兆)の調整が可能なので、やはりヨッシーニ先生の言うように税による景気の調整のほうが現実的ですね。私も無税だからといって現状の収入で現状の物価はありえないのは当然だと思います。収入が税の分だけ減るか、物価が上がり実質、税の分の価値が減るか、どちらかだとは思います。インフレ税は見事なネーミングですね。私の駄文に付き合っていただきありがとうございました。

2009/7/10(金) 午前 11:09 [ ヤマショウ ] 返信する

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lapis_0902 さん、

>みなさん、優秀すぐる〜w 分からない私は、文章だけで納得しています。。。主婦なんてこんなものさ〜♪ いや、ほんとは私だけだけどw

いつもお読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m
「主婦目線」からの疑問点とか、ご質問とか、ご要望がありましたら、是非コメント下さい!内緒コメントでも歓迎であります^^

2009/7/11(土) 午後 5:47 [ ヨッシーニ ] 返信する

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ヤマショウ さん、

無税国家というテーマについての検討は
【続・「国家破産」論 迎撃トーク集(2)】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/17164414.html

で行っておりますので、よろしければご覧いただければと思います^^

↓こちらにも関連事項がありますので、よろしければどうぞ
【インフレとデフレの制御】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/16925533.html

2009/7/11(土) 午後 7:14 [ ヨッシーニ ] 返信する

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ヨッシーニ先生、ご丁寧な返答ありがとうございます。
熟読して出直してきます。

2009/7/12(日) 午後 10:38 [ ヤマショウ ] 返信する

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