量子光学の実験をやっている研究員のブログ

実験をやりながら量子の意味を考えています。

僕の生活術

最近は全然ブログをやる時間がありませんが、たまに自分が昔に書いたものを読んでみると、結構楽しいです。あんなことを考えていたのか。。。と思ってしまいます。今は仕事が忙しく、頭は仕事のこと以外に何も考えていないわけではないが、ちゃんと書く時間が取れないのです。

日本語の本はまだできるだけ通勤途中に読んでいます。今月は茂木健一郎が書いた「龍馬脳のススメ」と、国立情報学研究所(NII)の研究内容を紹介する「情報を力に未来価値を創る」と、渡部昇一の「すごく“頭のいい人”の生活術」を読みました。昨日からは高橋昌一郎の「知性の限界」です。

「龍馬脳のススメ」は本当におもしろかったので、おすすめです。自分もある意味で「脱藩」してきました。現在は「より高い安全性をもつ情報通信システム」という目標を実現するために「同じ夢を見る人」を集めています。

「すごく“頭のいい人”の生活術」も良かったです。週末の使い方は本当に重要だと思います。僕は平日にはあまり論文を読む時間がないため、週末の二日はちゃんと論文を読むと決めました。皆さんは変だと思うかもしれません。「本当に国立研究所の研究員ですか?」と聞きたくなるかもしれません。僕は間違いなく国立研究所の研究員ですが、残念ながら仕事は「本物」の研究ではありません。学生の研究指導をしたり、予算の申請書を準備したり、報告書をまとめたり、会議に出席したり、同僚と議論したり、見積を取ったり、ものを買ったりしています。自分が静かに研究に没頭できる時間は少ないです。秘書がほしいぐらいです。実験って?それは学生がやっています。。。

だから、僕の生活術は、「平日は研究所でお仕事、週末は家で本物の研究」というわけです。実は僕の家はかなり創造に適しているところです。書斎の中に研究に必要な本と論文はほとんどそろっています。実験装置は置いていないが、頭をフルに回転させられるところです。休みの日に家にいるのが一番です。

さて、論文にもどります。あ、そろそろ昼ご飯の時間です。。。

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研究のための雑用

忙しいです。。。しかし、研究はあまりやっていません。「研究のための雑用」で忙しいのです。
 
一番時間がかかるのは「買い物」です。まずは見積をとって、そしてメールか電話でその値段を交渉して、見積書が来た後にシステムに入ってPurchase Orderを作る、作ったら、上司にサインをもらって、Contracts部門に出す。。。大体こんな手順です。値段が高いものは三社からの見積が必要です。使えないものを買ってしまうことが一番怖いので、大体はよく調べて、深く考えて、それが本当に使えるものだと思うようになったら、発注します。お金をうまく使う責任があるので、時間をかけて吟味します。
 
二番目で時間がかかるのは「学生の指導」です。僕の学生は「高校生」と「学部三年生」です。若い研究未経験者です。まぁ、「研究成果」と呼べるものは到底期待できません。何をやればよいかは僕が考えて教えます。大体学生のレベルでできる内容の仕事を与えています。難しすぎず、やさしすぎず。週一回ぐらいは「うまくいっていますか?」とチェックします。ちなみに、先週、僕が指導した高校生が何らかの大会で賞をとりました。。。高校生の研究大会だそうです。
 
三番目で時間がかかるのは「レポートの執筆」です。最近は国際会議に行きましたから、出張レポートを書かなければなりません。後は研究レポートです。一つのプロジェクトはそろそろレポートを出す時期ですが。。。
 
四番目で時間かかるのは「会議」です。自分がやっていることを上司と同僚に報告する会議と他の人が何をやっているかを知るために出席する会議があります。しかし、なぜか最近は会議の数が減ったようです。皆疲れたのでしょうか?いいことです。
 
ということで、忙しいですが、研究はあまりやっていません。実験は学生がやっています。僕は研究のco-ordinatorのようです。本当は自分で研究をすべきですが、今は助手もいないため、雑用は全部自分でやるしかありません。こんな状況が長く続かないように、何か手を打たないとと考えています。
 
久しぶりのブログ更新でした。

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最近に思ったことです。実験の研究に必要な基礎力は三つあると思います。

一つ目は学力です。これは教科書、専門書を勉強して高めることが可能です。良い教科書を選んで読んで、そして内容をじっくりと考えて、さらに数式も自分で導出する必要があります。学力は研究の第一条件です。学力がなければ、実験をやっても成功はしません。

二つ目は実験力です。学力があって実験力がない人は理論家になるしかありません。学力があって実験という道を進もうと思う人は、若いうちに実験力を身につけることは大事です。これは、実験がうまい人、あるいは実験の経験が豊富な人と一緒に実験することでもっとも速く学ぶものです。一人で試行錯誤をするのは大体失敗します。先輩の経験を継いで、その上でこつこつと経験を積むことが重要です。

三つ目は見識力です。これは、雑誌、論文を読んだり、国際会議を出席したり、同分野の人と話したりすることで、身につくものです。いくら本を読んで、考えて、実験をしても見識は増えません。最新の情報を入手することも新しい実験を考案するのに大切です。

学力と実験力があって、見識力も併せて持っている人はいい実験家になれると思います。

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もうお正月ですか!時間の流れが本当に速いですね。帰ってきて9ヶ月も経ちました。久しぶりのブログ更新ですが、うちの研究所の状況を少し書きましょう。

結局、この9ヶ月の間に僕は何をやっていたか一言でまとめると、「自分の居場所作り」でした。予算を自分で取らないと、他人が取ってきた予算で仕事をやらざるをえなくなります。だから、自分の好きな、得意な分野で予算を取ってこないと、自分の好きでない、得意でない仕事をやらせられる可能性が高いです。だから、僕は懸命に量子暗号関連のプロジェクトを取ろうとしています。そうしないと、自分の居場所はないでしょう。居場所がないと、自分の成長が危なくなります。

今は大きなプロジェクトをひとつ申請しています。産学連携で総額は3億円ぐらいのプロジェクトです。国の大学と日本のグループとの共同研究です。単一光子源、光子制御、量子暗号、もつれ光子の応用などの研究といった内容です。僕の得意分野です。基礎研究ではなく、これらをシステムレベルまで持っていくための研究です。そのほか、小さなプロジェクトを今二つ持っています。全部で予算は4千万円ぐらいです。一緒にやってくれているのは高校生三名と契約社員ひとりです。高校生たちは昨日が最終日でした。契約社員は今年の三月までです。FPGAプログラミングをやってくれています。1月の中旬からはポスドック一人(契約期間6ヶ月)と大学三年の研修生二人(6月まで)が入ってきます。ポスドックはとりあえず様子をみて、大きなプロジェクトがきたら、契約を更新します。今はお金が足りません。基本的には僕が方針を決めて、後は自由にやってくれ、問題があるときに聞きにくるというやり方です。週一回に簡単な打ち合わせをします。

プロジェクトを運営すると、なかなか手を動かす時間がありません。お金を使っているから、何を買えばいいのかを決めるのは一番大変です。責任が重大です。後は雑用と会議に時間が取られます。共同研究しているグループの方、大学の先生の方、商社の方、学生、同僚との会議はかなり頻繁にやっています。会議に出るのは「関係作り」と「情報収集」なので重要です。出ないと、孤立状態になりかねません。後は、レポートを書くことが大変です。時間がかかります。ひとつのプロジェクトの中間報告の締め切りは近いです。会社でほとんど書く時間がないので、土日に家で書いています(泣)。

今はこんな状況です。忙しいですが、好きな量子の仕事だから、充実感はあります。自分のためになるので、好きでやっていると感じています。まあ、もちろんそれも「会社のため」、「社会のため」、「国のため」です。好きなことをやっていて、しかも給料ももらっているのだから、今のところは順調だと言えましょう。今年もよい年であるように、頑張ります。

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努力は必ず報われる

「努力は必ず報われる」と我々は信じたいものですが、実はそう単純ではありません。「努力が無駄になった」というケースもあるわけです。ならば、決め手は何ですか?

答えは、「方向」です。方向を考えないでひたすら努力することは、精力の浪費になります。酔っ払いのランダムウォーク(random walk)のように、いつ経っても目標にたどり着くはずがありません。我々の時間と体力に限界があります。時間と体力の無駄使いは生命の浪費に等しいです。だから、自分の目標を決めて、そして正しい方向を選ぶことはとても大切です。

広義的に、「努力は必ず報われる」は実は間違っていません。僕は、「方向を決めること」も努力の範疇に入るのではないかと思います。方向は一旦決まったら変わらないものではありません。自分の現在の位置と目的地を常に確認し、状況を把握して、自分の方向を修正していくことが大事です。これこそが成功の鍵です。飛行機と同じです。風の状況を見て方向を変える「操縦」をするわけです。具体的にどうすればよいかは、あなた自分で考えるしかありません。

ちなみに、僕は週に1、2時間を「計画」に使っています。努力の無駄を最小限に止めようと思っています。

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