耳鼻科医の独り言

患者さんに対し医者は本音と建前があります。もちろん逆もしかり。そんな「意識のズレ」を埋めることができたら。

新臨床研修制度の弊害

 周辺の市民病院、総合病院の耳鼻科がどんどん休診している。休診しないまでも入院加療・手術加療を休止し週2回の外来診察のみとなった市民病院もある。よって遠方から来院されたり、そういった総合病院から紹介受診される患者さんが増えた。

 医師の新臨床研修制度が導入されそろそろ3年が経つ。厚生労働省HPによると「将来専門とする分野にかかわらず‥‥プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない」ため、マッチングというシステムで割り当てられた臨床病院等にて外科や内科といったメジャー科の研修を2年間行い、3年目より各専門科等に入る。以前の研修制度では、卒後直接大学(病院)の医局(専門科)に入局し1年目から専門科の研修を開始していた。よってこの変化は、医局入局者の減少=医局員の減少→「関連病院」への出向者の削減へと繋がった。

 いったい厚生労働省は何を達成させたいのだろう? 

 もちろん、自分の専門科しか診れない医師では片手落ちだろう。しかしだからといって新臨床研修制度で研修した医師に具体的にどこまで外科や内科の診断治療ができるのだろう?その程度の知識・技術で患者さんを正確に診れるはずがない。所詮トリアージに毛の生えた程度しかできないだろうし、その程度なら特別研修しなくたってできる。近年、患者さんは専門医志向になってきている。そんな研修程度の医師に専門外の外科や内科疾患を診てもらいたくはないだろう。

 僕の所属する耳鼻科は患者さんが増えた。外来待ち時間・手術までの待機期間が長くなった。遠方から来られる時間的・金銭的コストも増えただろう。なにより、何かあれば我が市民病院に行けば‥という安心感が失われ、近くに大きな病院が無いという不安はどんなものだろう。

 最も新臨床研修制度の弊害を被っているのは患者さんだろうと思う

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