ふくろう医者の診察室

健康や病気のことを縦糸に、診療室でのエピソードを横糸に。訪問ありがとうございます。

骨髄バンク

骨髄バンク 「血液のもと」を患者へつなぐ

日本骨髄バンクが2016年12月に25周年を迎えます。
血液のもとになる細胞をドナー(提供者)から提供してもらい、移植を必要とする患者へ届ける組織です。
 
酸素を運ぶ赤血球や、ウイルスなど外敵から身を守る白血球、出血を止める血小板などの血液細胞は、骨の中心部の骨髄にある「造血幹細胞」からできます。
 
造血幹細胞の遺伝子が変異して正常な血液細胞ができなくなっている白血病などの患者を治療する主な方法が、ドナーから提供された正常な造血幹細胞を移植することです。
強い放射線や抗がん剤などで自分の異常な骨髄細胞をあらかじめ殺したうえで、「白血球の型」といわれるHLAが合うドナーの造血幹細胞を点滴などで移植します。
HLAが合わないと正常な血液細胞ができません。
 
日本では1974年ごろから、骨髄から骨髄液を取って移植する治療が始まり、HLAが合う人を探すために地域や病院単位のネットワーク「骨髄バンク」ができました。
その後、白血病で子どもを亡くした母親らの活動によって、全国の骨髄バンクを統合する形で91年に、後に「日本骨髄バンク」となる「骨髄移植推進財団」ができました。
 
バンクでは、骨髄移植を必要とする患者とドナーを登録しています。
ドナーになるには、日本赤十字社の献血ルームや保健所などで、採血を受けます。
18歳以上54歳以下の健康な人で、男性は45キロ以上、女性は40キロ以上という体重制限があります。
提供回数は2回までです。
 
医師から依頼があると、バンクは患者とHLAの型が合う登録者をデータベースで採します。
HLA型が合う登録者が見つかると、バンクから連絡がきます。
その後健康診断などを経て正式にドナーになります。
ドナーにはコーディネーターが連絡をとり、医師とともに検査や説明をします。
骨髄液採取時の事故によるドナーヘの補償や、採取後の健康のフォローもバンクの仕事です。
 
骨髄液は全身麻酔で腰の骨に針を刺して採ります。
その後の貧血を軽くするため、採取のI〜3週間前に、自分の血液を400〜800ミリリットル採血して冷蔵保管しておきます。
 
2011年からは、血液中の造血幹細胞を利用する(末梢血幹細胞」の移植も始まりました。
血液中の造血幹細胞は少ないので、まず3〜4日間かけて「G-CSF」という薬を注射し、幹細胞を増やします。
その後、腕から血液を採り、幹細胞を選んでから残りの血液を体に戻します。
薬の注射から血液の採取まで、1週間ほど入院する場合が多いです。
  
「骨髄採取」か「末梢血採取」かは、患者の状態やドナーの希望によって選びます。
    
  ロ ロ

少子高齢化で新しいドナーの登録は年々減少傾向にあります。

日本骨髄バンクよると、ドナーは16年9月末現在で、46万5255人です。
新しいドナーは毎年2万〜3万人登録されますが、年齢制限や、生活習慣病など健康上の理由で毎年約2万人が引退しています。
15年末時点の登録者で最も多い年齢は40代。
高齢化や健康上の問題で提供が難しくなる人も多く、毎年引退する人数は年々増えています。
 
また、HLA型が合うドナー候補者が見つかっても、実際に患者に移植される例は半分にとどまります。
ドナー候補者が妊娠中だったり、健康状態がよくなかったり、仕事の都合がつかなかったり、などの理由で提供に至らないことが多いのです。
 
骨髄バンクは、若い人への呼びかけや、登録したまま長く採取に至らないドナーに、意思を持ち続けてもらう努力も必要となります。 


骨髄バンクは(2016年)4月から、ドナー登録者にiPS細胞を備蓄する京都大学の研究へ協力を呼びかけています。
HLA型によっては多くの人に使えるiPS細胞が作れる可能性があるそうです。
骨髄バンクに集まったドナーの思いやりの気持ちが、最新の研究にも生かされています。 

 
イメージ 1


参考・引用
朝日新聞・朝刊 2016.11.12   
    

この記事に

開く コメント(0)

開く トラックバック(0)

中高年、運動前はストレッチ ラジオ体操も効果的 昔やった競技こそ注意 ラジオ体操も効果的

健康のためと今秋からなにか運動を始めた人もおられるだろう。
ところが、中高年になってからの運動は、肉離れやアキレス腱断裂などの思わぬケガにつながることも少なくない。
若い頃やっていたからといって過信は禁物。
トラブルを起こしやすい状況や、安全に運動するための留意点にはどのようなものがあるだろうか。
 
日ごろの運動不足を解消しようとテニスを始めたAさん(43)。
高校3年間はテニス部、大学ではスキーをしていたが、就職後は特に運動をしていなかった。
「久しぶりなので体験レッスンに参加したところ、1時間後にアキレス腱を断裂。驚いた」と話す。
 
このように、高校生や大学生のころに経験したスポーツを再度始めた人のケガは多いという。
関節や軟骨、筋肉は加齢で弱っているのに、よく動けた当時の感覚が残っているために年齢相応を超えた動きをしてしまいやすい。
 
特にケガをしやすいのが40代以降。
この傾向はどのスポーツにも当てはまる。
テニスで多いのは、アキレス腱断裂や太ももやふくらはぎなどの肉離れ、膝関節の損傷。
ゴルフでは肩の腱板断裂やいわゆるぎっくり腰(椎間ねんざ)などが多い。

30〜40代女性では、バレーボールで膝の中心にある前十字じん帯の損傷や、足首のねんざが多い。

反動をつけず
トラブルを防ぐにはどうしたらよいのか。最も大切なのが運動前のストレッチだ。「ストレッチで筋肉の柔軟性を高めることで急激な筋肉への負荷を抑えられ、関節の可動域も広がり動きやすくなる」と松本教授は説明する。
 特に、肉離れを起こしやすい太ももやふくらはぎは、十分なストレッチが必要だ。ストレッチは、反動をつけずにゆっくりと伸ばす。筋肉が伸びていることを意識しながら、10秒程度その状態を保持するのがポイント。


 「実は、準備運動として優れているのがラジオ体操」と松本教授。全国ラジオ体操連盟の青山敏彦理事長は「日ごろ使わない筋肉や関節などを満遍なく動かせるように作られている」という。運動の前後に実施したい。
 徐々に動かし体全体を使うため負荷がかかりすぎない。血液の循環を良くし、体の柔軟性を高めてくれるという。ただ、誰もが知っているが「意外に正しく効果的なやり方を知らない人も多い」と青山理事長。
 例えばラジオ体操第一の「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」。青山理事長は「ずっとかかとを地面につけたままの人もいるが、膝を曲げた瞬間だけかかとをつけ、それ以外はつま先立ち。それでふくらはぎの筋肉を十分に鍛えられる」(図参照)と話す。


また「体を横に曲げる運動」は、バストの横側を曲げることで脇腹の筋肉をストレッチできる。うっすら汗をかく程度だと、正しい方法でできた証しだ。
 また、運動中のこむら返りなどの筋肉のけいれんを防ぐには、運動前、運動中、運動後、こまめに水分をとるようにする。夏だけでなく冬でも意識する。
■運動後もケアを
 運動による関節などへの負担を軽減するには、筋力をある程度つけておく必要もある。ただ、いきなり高負荷のトレーニングは難しい。関節に痛みがあるような場合には「静的トレーニング(アイソメトリック)が効果的」と松本教授。
 アイソメトリックとは、関節を動かさず、筋肉だけを収縮させる筋トレ法のことをいう。壁や床を利用して鍛えたい筋肉に力を入れたり、自分の両手を合わせて力を入れて押しあったりする方法だ。
 一方、「足首のねんざなどを防ぐには、座って床にかかとをつけた状態でつま先を上げ下げしたり、立ってかかとを上げ下げしたりし、足首回りの筋力をアップさせるといい」と洞口講師。筋力の衰えた中高年でも、問題なく取り入れることが可能だという。
 運動前に体を温めるなどケアをする人は多いが、運動後のケアは忘れがち。運動後のストレッチは筋肉痛を軽減する。また「マラソンなど膝に大きな負担がかかる運動後は、痛みがなくても氷のうをあてて20分程度冷やす。ただし、冷やすのは直後だけ。普段はお風呂などで温めるとよい」(洞口講師)と助言する。

◇     ◇

■競争心にあおられない
 スポーツの思わぬ落とし穴が「運動のしすぎ」だ。特に多いのがランニングやマラソン、ジムのウエートトレーニング。ランニングでは、骨盤からスネの外側までのじん帯と膝の外側の骨がすれて炎症を起こすランナー膝になりやすい。疲労骨折を起こすこともある。ウエートトレーニングでは重りが重すぎたり、頻度が多すぎたりで、大胸筋が肉離れすることも。
 「マラソンやウエートトレーニングでは、ついつい競争心をあおられ過度に運動しがち。無理の無いトレーニング計画を」と洞口講師。運動量は徐々に増やすことが大切。「過剰な運動はかえって体の負担になる」と警鐘を鳴らしている。

 
イメージ 1


 
イメージ 2


参考・引用
日経新聞・朝刊 2016.11.12

この記事に

開く コメント(0)

たばこと病気

たばこと病気 様々な臓器のがん死亡リスク上昇

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、受動喫煙防止対策を強化する必要がある・・・。
厚生労働省は昨年、「たばこ白書」(喫煙の健康影響に関する検討会報告書)の最新版を発表した。
たばこと健康の問題にいま改めて注目が集まっている。
 
「たばこの害」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、喫煙とがんの関係だろう。
 
たばこの煙には5千種類を超す化学物質が含まれており、その中には発がん性の物質も約70種類あることが知られている。
これらの物質は、細胞が分裂するときに遺伝子のコピーミスを起こさせ、がん細胞の発生につながる。
 
たばこを吸わない人に比べて喫煙者は、肺がんで死ぬリスクが男性で4・8倍、女性で3・9倍も高くなるとの調査結果がある。
こうしたデータは、国立がん研究センター「がん情報サービス」内のサイト
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause/smoking.html
で見ることができる。
 
忘れてはならないのは、喫煙は肺がんだけでなく、様々な臓器のがん死亡リスクを高めるという点だ。
今回の白書では、喫煙者本人への健康影響として、「胃がん」や「食道がん」「肝臓がん」「膵臓(すいぞう)がん」など複数のがんについて、因果関係を「確実」と認定している。
 
肺から吸収された発がん物質は、血液に乗って体のあちこちに運ばれる。
このため、吸い込んだ煙の通り道である肺やのど(喉頭、咽頭だけでなく、体中の様々な臓器にがんを引き起こすのだ。
 
喫煙はがんだけでなく、心筋梗塞などの「虚血性心疾患」や「脳卒中」などのリスクも高める。
煙に含まれる様々な有害物質の影響で動脈硬化が進み、血管が詰まりやすくなることが原因の一つだ。
さらに、血栓もできやすくなり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がると考えられている。
このほか、「歯周病」や「2型糖尿病」も、喫煙によって発症しやすくなることが分かっている。
 
まわりの人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の影響も深刻だ。
本人はたばこを吸わなくても、受動喫煙のある人は肺がんになるリスクが1・3倍になるとの解析結果が昨年発表された。
 
たばこが原因で病気になると、医療費がかかったり働けなくなったりする。
白書では、喫煙に伴う社会的な損失が年間で総額4・3兆円にのぼるとの試算が紹介されている。
 
日本はたばこに寛容な社会だ。
しかし、健康被害の大きさを考えると、もっと厳しく規制していく必要がある。
 
大人による喫煙は、次の世代の健康にも悪影響を与えます。
 
たばこを吸う妊婦から生まれた赤ちゃんは、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなる。
また、自宅で親がたばこを吸うことなどによる受動喫煙でも、SIDSや子どものぜんそくのリスクが高まると指摘されている。
 
このように、健康への悪影響が様々に指摘されるたばこだが、「意志が弱いから禁煙できない」のではなく、ニコチンという依存性の物質が原因で、たばこをやめにくくなってしまう。
 
日本は先進国の中でもたばこの価格が安く、屋内で喫煙できる場所も多い。たばこを吸いやすく、やめにくい社会だ。
喫煙による病気のリスクを社会全体でしっかりと認識し、特に受動喫煙を防ぐための具体的な取り組みを強化していくことが必要だ。

日本では喫煙が原因で年に約13万人、受動喫煙で約1万5千人が死亡すると推計されている。
その合計数は、交通事故や自殺で亡くなる人の数をはるかに上回っている。
国民の命と健康を守るため、目先の利益にとらわれず、国レベルで実効性のある対策を進めてほしい。

 
イメージ 1


朝日新聞・朝刊 2017.3.18


JTについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本たばこ産業
・旧日本専売公社から1985年(昭和60年)4月1日に業務を承継している。
特別法「日本たばこ産業株式会社法」による特殊会社で、根拠法には、全株式のうち3分の1以上の株式は日本国政府(財務省)が保有しなければならないと法律で規定されている。

・戦略にも積極的であり、JTインターナショナルを含めた販売シェアは世界第3位。2007年(平成19年)には世界2位のブリティッシュ・アメリカン・タバコに迫ってきた。
最近はJT自体の収益も国内消費の低下を海外消費の上昇で補っている面がある。
(私的コメント;原発輸出やカジノ解禁を連想させます)

この記事に

開く コメント(0)

開く トラックバック(0)

しゃっくりの止め方

しゃっくりは、様々な神経への刺激と関連が指摘されているが、口と鼻の間の奥にある舌咽神経に刺激が加わることが一つの引き金といわれる。
呼吸をつかさどる延髄にこの刺激が伝わり、意思と関係なく横隔膜が収縮するらしい。

熱いものを飲んだときや、食道から胃液が逆流したとき、かぜでのどが腫れたときなど、舌咽神経に刺激が加わるとしゃっくりが起きやすい。
神経に再び刺激を与えて延髄に送ると、しゃっくりが止まる確率が高いという。

舌咽神経に刺激を加えるには、舌をハンカチやガーゼでつまんで強めに引っ張ったり、砂糖やはちみつを急いで飲んだりといった方法がある。
また、痛さを感じるくらいの強さで耳の穴を30秒間ほど押すのも、刺激が期待できる。

ゆっくり息を吸い、10〜20秒ほど息を止めるのも効果的だ。
腹部に圧力がかかることで横隔膜が動きにくくなる。
ただ、脳卒中や心臓病、ぜんそくなどのある人は血圧の上昇や痛みを伴う刺激は避けたほうが良い。
のどへの過度の刺激を避け、胃酸を逆流させないよう食後すぐ横にならないなど、生活習慣に気をつけることが必要だ。

注意したいのは、数日たっても止まらないしゃっくりだ。
この場合、脳梗塞や脳腫瘍、神経や消化器などの病気が隠れている可能性がある。
薬の副作用もしゃっくりを起こす。
長く続くしゃっくりは別の疾患がないか、医療機関で診察を受けたほうがよい。

 
イメージ 1


参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.10.22

この記事に

開く コメント(0)

凝り・痛み、筋膜が原因? 体のよじれをほぐそう  パソコンやスマホの使い過ぎに注意

ストレッチやマッサージをしても、肩凝りや腰痛が解消されない。
そんな慢性的な不調の原因は筋肉を包む薄い膜「筋膜」かもしれない。
悪い姿勢や偏った動作を続けると、筋膜がよじれて硬くこわばり、凝りや痛みを引き起こすのだという。
筋膜のよじれや硬直が、なかなか改善しない体の凝りや痛みの発生源ではないかと、筋膜を解きほぐして健全な状態に戻す「筋膜リリース」が最近にわかに注目を集めている。

筋膜とは、全身の筋肉をくまなく覆い、筋線維1本1本までもカバーしている薄い膜のこと。
耳慣れない組織だが、筋肉の形を保ち、自在に伸び縮みするのを助ける重要な存在だ。
実は筋肉に限らず、内臓などあらゆる器官を包み込み、ひと続きにつながっているとされる。
そんなところから「第二の骨格」とも呼ばれている。

悪い姿勢で硬直
筋膜はどうしてよじれたり硬直したりするのだろう。
猫背でスマートフォンやパソコンを見る、いつも同じ側の肩や腕でバッグを持つ、椅子に座る時よく脚を組む。こうした悪い姿勢や動作の習慣が、筋膜の伸縮性を失わせる。
座りっぱなしなど長時間動かない状態や、同じ筋肉の使い過ぎもよくない。

筋膜は、張りのあるコラーゲンと弾力に富んだ少量のエラスチンという2種類の線維状タンパク質が、網の目のように張りめぐらされた構造をしている。
ところが体の一部に集中的に負荷がかかると、コラーゲンとエラスチンがよじれて寄り集まり、これらを取り囲む水溶液の水分が失われ、粘っこくなって、コラーゲンとエラスチンが自由に動けなくなる。
こうなると、筋膜の上にある皮膚や、下にある筋肉も動きづらくなり、凝りや痛みを招くという。

しかも筋膜は、巻きつくように筋肉を覆いながら、隣の筋肉からその次の筋肉へと、連続してつながっている。
どこか1カ所にこわばりや癒着が起きると、影響は筋膜のネットワークを介して離れた部位にも波及する。腰の筋膜の異常によって、首が痛くなるといった例も珍しくない。

不調ため込まず
そこで筋膜の柔軟性・伸縮性を取り戻すために行いたいのが「筋膜リリース」だ。
リリースとは制限を解放するという意味。
コラーゲン線維とエラスチン線維がねじれて寄り集まった状態を解きほぐすのが、その基本目的。
1つの筋肉を一定方向に伸ばすストレッチと異なり縦、横、斜めとさまざまな方向へつながっている筋膜を、連動的に伸ばしほぐしていく。

筋肉を局所的に押しもみするマッサージもあるが、これは筋膜のよじれを直すのには的確な方法とはいえない。
アイロンがけのように、できるだけ広い範囲をじんわり伸ばすのが良い。
無理せず、あくまで穏やかに、ゆっくりと。
エラスチン線維は10秒ほどで伸びるが、コラーゲン線維が伸びるには時間がかかる。
慣れたら1プロセスにつき90秒以上行う。

筋膜リリースのやり方には複数の方法がある。
なかでも肩甲骨回しと体の側面伸ばしを組み合わせたリリース法がお薦めだ。
右腕を頭上に上げ、左腕を腰の後ろに回して、両ひじを直角に曲げる。
両方の肩甲骨を、後ろから見て反時計回りに回すように腕を動かしてキープ。
さらに右足を左足の前で交差し、体を左に倒してキープ。さらに鼻を左肩に近づけるように首を回してキープ。
これを反対側も行う。

頭、首、肩甲骨、肩、背骨をつなぐ筋膜を効果的に伸ばせる。
また体の側面伸ばしを加えることで上げた腕の指先から腰を通って足先までの筋膜を解きほぐすことにつながる。
首や肩の凝り、腰痛、脚のむくみなど、全身の不調を予防・改善する方法といえる。

リリース中は肩、腰、ふくらはぎなど、どこが硬く突っ張っているか感じとるのが大切。
全身の筋膜がつながっていることを意識しながら、ゆっくりと持続的に伸ばしていこう。
筋膜の軽いよじれやこわばりは日々生じているという。
毎日数回のリリースを習慣にして、不調の原因をため込まないよう、リセットしてみてはどうだろう。

   ◇     ◇

道具も便利、弱めの力で
手が届きにくい、伸ばしにくい部位には、道具を使う方法もある。
両端を折ったバスタオルに雑誌をはさんで巻き上げ、ひもで縛った「タオルポール」もお薦めだ。
脚や尻、腰、背中などの広範囲、首の後ろのくぼみの筋膜リリースに便利だ。

あお向けやうつ伏せ、横向きなどの体勢で、押し伸ばしたい部位に当て、じんわり体重をかけていく。
力加減は物足りないくらいがよい。
決して強く圧迫しないこと。
壁と腰の間にテニスボールをはさみ、ひざの屈伸を繰り返しながら、腰まわりの筋膜をリリースする方法もある。
これも弱めの圧を心がけよう。

 
イメージ 1


 
イメージ 2


参考・引用
日経新聞・朝刊 2016.10.22

この記事に

開く コメント(0)

耐性菌

耐性菌、身近な病気でも 抗菌剤効かず 難しい治療

抗菌薬の効かない耐性菌が、中耳炎など身近な病気でも見つかるようになり、薬の使い方の見直しが進んでいる。
耐性菌が広がる背景には、本来必要のない抗菌薬の処方もあるとみられる。
新しい耐性菌を増やさないためにも、処方された薬を最後まで正しく服用することが大切だ。

中耳炎 快復に1カ月
Aさん(39)の3歳の男児は昨年9月、鼻炎の症状で近所のクリニックを訪れ、中耳炎と診断された。
ペニシリン系抗菌薬など2種類の抗菌薬(抗生物質)を飲んだが、良くならず、10日後に中耳炎はさらに進行した。
 
抗菌薬は効く仕組みの違いによって、様々な種類がある。
男児は次にカルバペネム系抗菌薬など別の抗菌薬を処方されたがよくならず、他の医療機関を受診した。
さらに違う抗菌薬を5日分服用したが、再び発熱。
10月8日に鼓膜を切ってうみを出し、別のニューキノロン系の抗菌薬を処方され2週間後に治った。
Aさんは「1カ月間なかなか治らないのは、見ていてかわいそうでつらかった」と話す。
 
最近、子どもたちの間で、抗菌薬を変えなけれぱならないような難治性の中耳炎が増えている。
原因は耐性菌だと考えられる。
 
耐性菌は、病院の入院患者など体力の落ちた人の間で広がることが多い。
だが、最近は中耳炎や膀胱炎など、身近な病気でも見つかるようになっている。
 
全国55施設の耳鼻咽喉科の患者の検体から見つかった菌を日本化学療法学会など3学会が分析した結果、中耳炎の原因となるインフルエンザ菌では、ペニシリン系の薬に耐性を示す割合が1998年の約30%から12年には約70%に増えた。
 
細菌が増殖する過程で、耐性菌は一定の割合で生まれる。
通常は生き延びることができないが、抗菌薬を使うと、耐性菌だけが生き残るため、増えてしまう。
 
日本耳科学会などは13年、耐性菌の発生を抑えるため小児急性中耳炎のガイドラインを改定した。
中等症や重症の患者には、通常より多めの抗菌薬を短期間使うことや、多くの種類の菌に効く切り札となる薬は最初から使わないよう求める。
軽症の場合、抗菌薬を使わず、まずは様子をみることも求めている。
 
適切な抗菌薬でしっかり治療することで、その他の抗菌薬への耐性を持つ率を下げられる。

薬は正しく最後まで
風邪の多くはウイルス感染で起きる。
耐性菌が広がる背景には、ウイルス性の風邪などに対しても抗菌薬が広く使われていることがあると考えられる。
 
20〜69歳の約1千人を対象に14年に実施したネット調査によると、「風邪で受診したら抗菌薬を処方して欲しい」という質問に対し、「強くそう思う」「そう思う」という人が約2割いた。
「抗菌薬はウイルスに効く」という質問に「はい」と答えた人も半分近くに上った。
 
ある専門家は「時聞が経ってウイルスの感染症が治ったことを、抗菌薬の効果だと考えているのではないか。医師が患者からの希望に影響され、結果的に不必要な処方につながっている可能性がある」と話す。
 
厚生労働省が作成中の抗菌薬の適正使用を示す医師向け手引案には、抗菌薬でかぜの治癒が早まることはないとして処方は推奨しないことが盛り込まれた。 

一方、適正に処方された抗菌薬を途中でやめてしまうと、薬の血中濃度が低い状態になってしまい、耐性菌が生まれやすくなる。
処方された抗菌薬は最後まできちんと飲み、余った場合でも家族や他の人に使うことは、絶対にやめたい。
 
耐性菌は感染しても発症するとは限らず、気づかないうちに周りへ広げる場合もある。
ただ、中耳炎や鼻炎を起こす菌は体の表面や口の中などにいて、手洗いやアルコール消毒、うがいといった通常の感染予防対策が効果的だ。
通常の対策で基本的に感染は防げるのだ。

 
イメージ 1


引用・参考
朝日新聞・朝刊 2017.2.8

この記事に

開く コメント(0)

認知症になる前に記憶力&体力をアップ 日常生活で

速読や資格勉強に挑戦 ブログ・会話で経験語る
記憶力や判断力などが衰え、徐々に日常生活も難しくなる認知症。
2025年には700万人に達するとの推計もある。
50代にさしかかる頃から記憶力の衰えを感じ、将来に不安を感じている人もいるだろう。
平均寿命が男女ともに80歳を超える長寿社会を楽しむためにも記憶力を維持・強化したいもの。
専門家に有効なトレーニングや生活の中での取り組みを聞いた。

タブレット端末の画面上に次々現れる数字。
小さい順にできるだけ速くタッチペンでつないでいく。
東北大学とシャープは、加齢で低下する記憶力・判断力・理解力など認知機能を維持・向上させるトレーニングソフト開発を進めている。
 
限られた時間でいかに速く情報を処理するかというトレーニングは認知機能を高める。
タブレットやスマートフォン(スマホ)で気軽にできるようにしたい、と開発グループはいう。

脳全般に衰え
「知人の顔が思い出せない」「新しいことが覚えられない」など、中高年の誰もが感じる記憶力の衰え。
実はこれは「記憶力だけでなく、意欲など脳の機能全般が衰えてきた兆候」という。
ゲーム式トレーニングで意欲も引き出せるかもしれないと考えている。
 
記憶力は、ものを覚える力と思い出す力に分かれる。
思い出す力は中年期以降ゆっくり減退するが、覚える力は20歳から急な下降直線をたどる。
このため、なるべく早くから、覚える力が落ちるのを防ぐための認知トレーニングに取り組んだ方がいい。
 
覚える力を高めるトレーニングには大きく2種類ある。
まず、頭の回転速度や情報処理速度を上げるもの。
一定時間内に計算問題を解いたり、速読したりすることで高まるという。
もう1つが「作業記憶(ワーキングメモリー)」と呼ばれる能力を高めるものだ。
 
作業記憶とは、一時的に脳内の情報を保ちながら、その情報を操作し、利用すること。
例えば、5桁の数字を覚えた後、逆に言ったり、書いたりしてみる作業などが当てはまる。
 
これらのトレーニングは毎日継続してすることが大切だという。
中高年になってから、各種の資格や英語検定など試験の勉強をコツコツ続けるのもよい。

生活習慣調える
今ある記憶力を保つために大事なのは、日常の生活習慣を調えることだ。
まず、毎朝同じ時間に起床。
そして他人のため何かをするという意味で、何らかの「仕事」を続けるのが大切だ。
 
さらに高齢になってからは、経験を積極的に他の人に語ることで記憶力が維持される。
つまり、記憶を頻繁にアウトプットしていく。
 
経験したことを家族や友人に語るほか、メモや写真を使って日記やブログを書くのもよい。
人に説明しようと思えば、対象をきちんと理解することが必要だ。
理解すると知識が頭の中で整理されて覚えやすくなったり、思い出しやすくなったりする。
写真やメモは記憶を引き出すきっかけになる。
 
記憶を使うことが大切だ。
新しい神経の回路が作られることで、記憶は長い期間、脳に保たれる。
これが長期記憶と呼ばれるものだ。
ただ、使わないと、この神経回路が機能しなくなる」
 
規則正しい生活とコミュニケーション豊かな暮らしを基本に脳のトレーニング問題に取り組むのが、記憶力を維持・向上させるコツのようだ。

   ◇     ◇

体も動かし認知症防ぐ
頭を使うだけでなく、同時に体も動かし、認知症を予防しようという取り組みが広がっている。
 
「コグニサイズ」と呼ばれる体操がある。
コグニション(認知)とエクササイズ(運動)の造語で、国立長寿医療研究センターが提唱。
歩くだけでなく、決まった数の時に脚を横に出す、手をたたくといった課題を同時にする多重課題運動療法だ。
 
運動をした集団としない集団を一定期間追ったところ前者で認知症の発症や進行が遅くなった、という。
脳血流が良くなり、記憶にかかわる海馬などの体積が増加するという研究成果もある。
 
軽度の認知機能低下が見られる段階からコグニサイズを取り入れてみたい。

イメージ 1


参考・引用
日経新聞・夕刊 2017.3.16

この記事に

開く コメント(2)

移動する耐性菌

移動する耐性菌、注視 野外環境から生活圏に入る恐れ

抗菌薬の使いすぎなどで細菌に生じる薬剤耐性。
こうした薬剤耐性遺伝子を持つ細菌が、環境中を移動している実態がわかってきた。
耐性菌が野外環境から人間の生活圏に入ってくる恐れもあり、国際社会も対応を模索し始めた。

ハエや鳥、「運び役」の可能性
抗菌薬を使う医療や畜産・養殖の施設で、耐性菌が発生することは広く知られている。
日本では、抗菌薬全体の5割以上が動物に、3割近くが医療目的で人間に使われている。
こうした場所で生まれた耐性遺伝子が拡散するメカニズムも少しずつ見えてきた。

2013年に酪農学園大学の研究グウループは、沖縄県の養豚場や牛舎、食肉処理場でハエやフンから採取した菌を培養し、抗菌薬に対する耐性を持つ菌がいるかを調べた。
すると、ハエとフンから同じ耐性遺伝子を持つ細菌を見つけた。
ハエに乗って耐性遺伝子が広がっていく可能性を示す結果だ。

ほかにも水鳥やネズミなど、人間の生活圏に近い動物が耐性菌を保有している報告がある。
こういったことから耐性菌が人間の生活圏と野外環境などの間を行ったり来たりするという視点を持って対策を立てることが重要と考えられる。

北極、ヒマラヤなど、人がほとんど立ち入れないような場所でも薬剤耐性遺伝子を持つ微生物が近年、次々に見つかっている。

京都府立大学や国立極地研究所の調査では、極地や高山など49カ所から集めた氷や雪などの試料54点のうち44点から、何らかの薬剤耐性遺伝子が確認された。
ほかにも、カナダの研究者が永久凍土から抗菌薬バンコマイシンへの耐性遺伝子を発見した。
南極のペンギンの腸内細菌で見つかった例もある。

こういった事実から、大気中のほこりやちりに付いた細菌のうち耐性遺伝子を持ったものが大気の循環で運ばれたり、渡り鳥が運んだりしたと考えられる。

一度生まれた耐性遺伝子は、野外環境に長くとどまることもわかってきた。

抗菌薬サルファ剤は、日本国内の魚の養殖場では近年は使われなくなってきたのに、それに対する耐性菌がいまも日本近海から多く見つかっている。
四国沿岸で採取した海水中の細菌を、大学研究室で培養できないものも含めて調べた研究がある。
その結果、細菌100〜1千に一つが、1年を通じて何らかのサルファ剤耐性遺伝子を保有していた。

台湾、フィリピン、フィンランドなど、海外の海でも同様の状況があることもわかってきた。
海は耐性遺伝子の「貯蔵庫」になっている可能性があるという。


分野越え対策必要
耐性菌問題は最近、急速に注目を集めている。
 
世界保健機関(WHO)は昨年、世界114カ国からのデータに基づき、報告書をまとめた。
1980年代にはほぼ耐性がゼロだったある抗菌薬が、今では世界の多くの地域で、患者の半分以上に効かなくなってぃることなどを指摘した。
 
英政府が昨年末に出した報告では、薬剤耐性菌が原因で2050年には年1千万人が命を落とす恐れがあるとした。
今年(2015年)6月にあった主要7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言には、耐性菌対策として適正使用や基礎研究を進めることが初めて盛り込まれた。

こうした背景から、医療や畜産の現場だけでなく、耐性菌の広がりや生活圏と野外環境の間で行き来することへのリスクにも注目が集まっている。
 
日本では、医療現場の薬物耐性モニタリングは厚生労働省が、農場などは農林水産省が担ってきたが、食品など横断的な分野などで両省が連携、統合する動きが出てきた。
 
ただ、「耐性菌の動向の全体保把握は遅れている。分野を超えた国際的な仕組みを作り、モニタリングとリスク評価の体制作りを加速するべきだ」とある専門家は指摘する。


 
イメージ 1

(薬剤耐性遺伝子が人の生活圏と野外環境の間を移動している)

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2015.9.17

この記事に

開く コメント(0)

診療指針作り、患者も参加 医者は治療効果重視だが・・・副作用・コストを考慮

病気に対する標準的な治療をまとめた「診療ガイドライン」に患者の意見を反映させるため、学会などによるガイドライン作りに患者が参加するケースが増えている。
医師と一緒に治療方針を決めていくには、患者や家族の側も情報を正しく理解する必要がある。

1月下旬、都内であった日本肺癌学会の診療ガイドライン作成のための会合。
学会の医師らに交じって、肺がん患者で「日本肺がん患者連絡会」の代表の姿があった。
学会からの要請でガイドライン作りに参加した。
「患者のためになるような結果を残したい」という。
 
肺がんの治療は、免疫チェックポイント阻害剤など新薬の登場で、選択肢が広がっている。
今秋のガイドライン改訂に向けた作業に患者や看護師、薬剤師が初めて加わった。
専門医らによる薬物療法の評価に対して、それぞれの立場から意見を述べていく予定だ。
 
がんの治療では患者一人ひとりの要望や生活に合わせた治療の選択が求められる。
医師は命を延ばすことを治療の目的にしがちだが、副作用や治療にかかるコストなどを総合的に判断するには患者の視点が必要だ。
 
日本医療機能評価機構の調査によると、2014年までに発刊され、国際的な基準を満たすと認められたガイドライン166件のうち、21件(13%)で患者らが作成に関わっていた。
 
その一つが、日本リウマチ学会が14年に発表した関節リウマチの診療ガイドラインで、患者団体「日本リウマチ友の会」が作成に協力した。
同会は全国各地に支部があり、役員らが患者からの電話相談にも乗る。
個々の治療法の推奨度を決めるガイドライン作成の会議に役員3人が参加、十数人の専門医らと同じ権限で投票したという。
 
作成に当たって、同会の協力で2千人以上の会員を対象にアンケートも実施。
リウマチ治療では生物学的製剤と呼ばれる高価な新薬を使う患者が増えている。
患者からは「安くしてほしい」「公的補助の充実を」など治療費に関する悩みが多く寄せられ、結果はガイドラインに掲載された。
 
リハビリ治療に関する解説文には調査結果などから、「アンケートなどで強い患者のニーズが明らかになった」といった文言も盛り込まれた。
医師は薬での治療に目が行きがちだが、リハビリを重視する人もいるという患者さんのメッセージになる。

主治医と話す材料に
診療ガイドラインには標準的な治療の選択肢やその推奨度が載っている。
通常は医師が読むことを想定して書かれており、専門用語も多い。
ただ、サイトで公表されたり、市販されたりしているガイドラインもあり、読みこなすことができれば、自分が受ける治療の位置づけを客観的に知ることができる。
医師向けなので読みにくいが、なぜその治療を受けるのかを確認したり、主治医と話し合ったりするためのツールになればうれしい、関係した医師は話す。
 
日本医療機能評価機構が運営するサイト「Minds」では「筋・骨・関節」「腎臓・泌尿器」などの部位別に診療ガイドラインの一部を公開。
要点を患者向けに説明した解説なども掲載している。
 
医療現場では、医師が患者に十分説明した上で同意を得る「インフォームド・コンセント」が定着。
さらに、医療の進歩で治療の選択肢が増えるとともに、患者が自分の希望や価値観を医師と共有し、一緒に治療方針を決めていくという考え方が広がり始めている。
 
「患者中心の医療」とは、医師任せにはせず、患者が医師と向かい合って、わからないことは聞き、自分の治療に関わっていくことだ。

 
イメージ 1


参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.3.15


<関連サイト>
Minds医療情報サービス
http://minds.jcqhc.or.jp/n/

『Mindsフォーラム2017』開催報告(2017.1.28 開催)
患者・市民のための診療ガイドライン
患者が上手に医療を利用するために 
医療者が患者の納得する医療を提供するために
http://minds4.jcqhc.or.jp/forum/170128/mindsforum2017_report.html

この記事に

開く コメント(0)

メディカルフィットネス 病院が運営、運動に成果 高齢者らも安心 血圧など改善

医学的な知見を患者それぞれの運動プログラム作成に利用する「メディカルフィットネス」が広がり、生活習慣病の予防などに成果を上げつつある。
個人の健康度や体力に合った運動療法を行う施設は全国200カ所を超す。
高齢者らが集う地域の拠点にと、仲間づくりに力を入れ継続率を高める取り組みも目立つ。

こうした取り組みはメディカルフィットネスと呼ばれる。
医師の指示のもと、医療機関で健康状態を詳しく調べた上で体力を測定。
会員はそれに基づき作成された運動プログラムに取り組む流れが一般的で、管理栄養士による栄養指導もある。
会員は入会費や1万円前後の月の利用料のほか、検査料などを支払う。
 
ある施設が半年〜5年間、追跡調査した結果、血圧や中性脂肪、血糖値の平均が大きく低下していることが分かったという。
この施設では高血圧症では約4割、脂質異常症では約6割が薬の量を減らしたか、服薬を中止していた。
 
こうした効果が上がるよう、「楽しさ」を加味するのが最近の傾向だ。
堅苦しい印象を持たれないようにボウリングやハイキング、書道や絵画などのカルチャースクールといったイベントを開催するなどして継続させることを重視する。

患者が装着したリストバンド型端末で24時間、運動量や睡眠時間などを把握するシステムを試験導入している施設もある。
システムが自宅でできるエクササイズなどを分析し「もう少し頑張りましょう」などのコメントとともにメールを送る。
人工知能(AI)で最適な助言や運動法を提案する仕組みの実現も目指している。

   ◇     ◇

全国で200ヵ所超
メディカルフィットネス施設は1980年代から全国に広がった。
88年度からの「第2次国民健康づくり対策」で国は遅れていた運動習慣の普及を推進。
健康増進法の2003年施行もあり、健康意識の高まりを受けて取り組む施設が増えた。
 
医療機関が開設・運営する施設は約220カ所。
医療法42条に基づき、医療施設(病院・医院)と疾病予防施設(フィットネス施設)の「合築」が認められた施設だ。
医師や健康運動指導士らの配置、有酸素運動用機器などの整備が要件になる。
 
この「42条施設」とも一部重なる形で、一般のスポーツクラブなどを含む約340カ所が「運動型健康増進施設」に認定されている。
「有酸素運動を安全かつ適切に行える」とされた施設だ。
うち約210施設は生活習慣病に治療効果がある運動療法を行う「指定運動療法施設」。
利用料は治療費とみなされ、所得税の医療費控除の対象になる。

 
イメージ 1


参考・引用
日経新聞・朝刊 2017.1.22

この記事に

開く コメント(0)

[ すべて表示 ]


.


みんなの更新記事