ふくろう医者の診察室

健康や病気のことを縦糸に、診療室でのエピソードを横糸に。訪問ありがとうございます。

その他

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全13ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

体の不調、漢方薬で改善

体がどうも疲れやすい、冷え性が改善しない、
ぐっすり眠れない・・・。
医師にかかっても、なかなか治らない体の不調を改善するにはどうすればよいか。
漢方薬の処方で体質を改善し、病気に負けない体づくりを目指すのも選択肢のひとつだろう。

西洋医学は感染症に対する抗生物質やけがを治す外科手術などで人類に大きな貢献をした。
東洋医学にも一部の感染症に対応しすぐ効く漢方薬があるが、多くは体質や生活習慣病などをじっくり治す。ストレスの多い現代社会には有効な処方だ。

伝統中国医学は約1500年前に日本に伝わり、漢方医学として発展した。
中国が主産地の阿膠(あきょう)や黄連(おうれん)、葛根(かっこん)など複数の生薬を組み合わせた「方剤」を使い、煎じた液や粉末剤を飲むことで様々な病気を治してきた。

■抵抗力など診断
漢方は病態の診断を「証」と呼ぶ基準でみる。
体力が病気より劣勢で体が冷えていれば『陰証』、体力が病気より優勢で体にのぼせや火照りがあれば『陽証』とする。
診断の物差しはさらに病気に対する抵抗力が弱い「虚証」と抵抗力が強い「実証」がある。
また、生命エネルギーを示す「気」、血液の「血」、血以外の体内水分の「水」をみて、これらのバランスが崩れたときに病気になるとみる。
 
ただ、十分な科学的な証明はなく、医学界の中でも「効果が分からない」という声がある。
一部の生薬はどうやって病気を治すか、そのメカニズムが明らかになってきたが、多くは未解明のままだ。
しかし効能は広く社会に認められ、現在薬事法で医薬品として認められ、健康保険が適用される漢方製剤は148種あり、医師の8割が処方しているとの報告もある。
 
漢方の特徴は病態をきめ細かくみて、その変化に合わせて方剤を処方する点だ。
たとえば風邪。個人差はあるが、おおむね悪寒や発熱のひきはじめで、うなじなどがこわばる場合は葛根湯(かっこんとう)、関節が痛い場合は麻黄湯(まおうとう)、鼻水やくしゃみが出る場合は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、のぼせる場合は桂枝湯(けいしとう)などの方剤を組み合わせて処方する。

風邪が長引いて舌に白いコケがある場合は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、だるい場合は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。
せきも細かく見て、のどに粘りのあるたんがからむときは半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、のどが乾燥し、たんが張り付くときは麦門冬湯(ばくもんどうとう)と方剤を変えていく。
 
冷え性も状態を細かく見る。
全身が冷え、だるいときは茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)、腰や太ももが冷えるときは苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、膝から下が冷えるときは八味地黄丸(はちみじおうがん)と方剤を変える。

冷え性には全身型と上熱下寒型、末梢循環不全型の3種類があり、それぞれの病態に合わせた処方が必要となる。

「漢方ドック」も
こうしたきめ細かい処方を受けたいとき、漢方の基準で体の具合をみる「漢方ドック」を利用する方法もある。
漢方の専門医が脈や舌、腹を診察した上で体質を判定し、西洋医学の観点から血液、尿の検査なども実施して総合的なアドバイスができる体制を敷く医療機関も出来ている。

問診は「暑がりか」「寒がりか」「物事に驚きやすいか」など一般の人間ドックにはない質問を織り込み、陽証や陰証の体質判定に役立てる。
診断シートは主に「軽度の症状を認めるが特に心配はない」「症状を認め、経過観察が必要」「東洋医学的な治療が必要」などの段階で記入される。

漢方は2002年度から医学部のカリキュラムに導入が始まり、専門医が育ってきた。
脈を診るときは脈の強弱、速さだけでなく深さや緊張状態も見るなど「経験がモノをいう職人技の世界」だが、専門医が増えて受診できる機会が増えている。

◇            ◇

副作用に似た症状も
漢方薬は医師の処方箋が必要なものもあれば、薬局で手軽に買えるものもある。
処方箋が必要ないものは作用が穏やかなものが多いが、長く服用する場合は医師に相談するのがよい。

漢方は一つの方剤が複数の病態の改善に効く場合が多い一方、同じ方剤でも体質により、効く人と効かない人がいるので、医師による体質判定と病態の変化の把握が重要になる。

方剤の処方で改善に向かうときに「めんげん」と呼ぶ副作用に似た発熱や発疹などの症状がでることがある。その後は急速に回復に向かう場合が多いが、現段階では副作用との鑑別が難しい。

医師の指導を受けながら漢方薬と上手に付き合いたい。

イメージ 1


出典
日経新聞・朝刊 2015.11.2


私的コメント
当院でも一部の漢方を扱っています。
しかし、自分を戒めているのは「西洋医学の薬の方が効くのに漢方で遠回りをしない」ということです。
漢方を取り扱う医師の中に、漢方を主役にしたり「ちょっと漢方薬も足しておきます」といったことも多い。
昔のことですが、医師会の自己紹介で「趣味 漢方」と書いていた先生がいました。
先生の趣味を患者さんが押し付けられては、患者さんはたまったもんじゃありません。



イメージ 2

久しぶりに見た大きな虹  2015.11.15 京都・岩倉にて撮影

この記事に

開く コメント(2)

「冷えのぼせ」

女性3人に1人が「冷えのぼせ」 正体は冷え症の悪化

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84041220W5A300C1000000/

冷え症に悩む女性は少なくないが、近年、冷え症を悪化させ、手足は冷えているのに顔や頭はボーッと熱くなっている“冷えのぼせ”の症状が目立っているという。
プレ更年期の症状と勘違いしている人もいるが、症状は似ていても、その原因や対策は違う。
“冷えのぼせ”の原因と正しい対処法は?

20代にも多い冷えのぼせ
20〜50代の女性1万人を対象に行った実態調査によると、冷え症だと答えた人が63.6%。そのうち半数以上は“冷えのぼせ”を自覚していた。
全体の約3人に1人が“冷えのぼせ”に悩んでいる。

年代別に見ると、50代に次いで20代に多いことがわかった。
冷え症は年齢を重ねるごとに症状が悪化する傾向がある。
20代は生まれたときからエアコンを使う環境で生活をしてきたことに加え、運動不足や体を冷やしやすい食生活、ファッションなどの生活習慣が背景にあり、本来50代以降に見られる傾向が若年化している可能性も指摘されている。

プレ更年期症状とは違う 冷えているのに汗をかく
“冷えのぼせ”は冷え症の一つで、より重度な状態をいう。
典型的な症状は「
1)上半身は特に冷えを感じていないが、手足は冷たいといわれる
2)気温・運動など暑くなる条件の直後に、胸より上がカーッと熱くなり大量の汗が出る
3)手のひらや足の裏などにじっとりと汗をかく
など。

汗は自覚できても、(1)は自覚のない人が多い。
20〜30代女性のなかにはプレ更年期の症状と勘違いしている人もいる。

以下のチェックリストのうち、1つでも当てはまったら“冷えのぼせ”の可能性があるので、注意して冷えに備えよう。
チェック項目が多いほど要注意だ。


□ 胸より上は特に冷えを感じていないが、手足は冷たいといわれる
□ 手足が冷えているのに、頭だけがボーッと暑くなるような感じになることがある
□ 気温・運動などの暑くなる条件の後に、胸より上がカーッ熱くなり、汗がどっと出る
□ 冷えの自覚はないが、冷たいものを食べたり飲んだりするとトイレが近くなる
□ 手のひらや足の裏などにじっとりと汗をかく


自律神経のバランスの乱れが負のスパイラルを招く
冷えは、冬の寒さはもちろん、夏でも温度差の大きい環境で体を冷やすことが原因で起こってくる。
体が冷えると、生理痛など「血行不良型の冷え」が起こる。
さらに血行不良が続くと、静脈やリンパ管のうっ滞が起こり、体の末端がむくんでくる。これを「水分代謝異常型の冷え」という。
一方、体は本能的に、手先・足先の体温を下げてでも頭部の温度が下がらないようにする。このため、血行不良型・水分代謝異常型の冷えが続くと頭部が熱くなり、末端との温度差が大きくなり、その結果、冷えとのぼせが混在した“冷えのぼせ”になる。
こうなると体温を一定に保つために交感神経と副交感神経は通常より頻繁に働かなければならず、その結果、自律神経自体がバランスをくずしていく。
“冷えのぼせ”はいわば「自律神経失調型の冷え」といえる。

このような“冷えのぼせ”の症状が続くと、血行不良型の生理痛が悪化し、ニキビ・吹き出物など、その他の症状も現れる。
水分代謝異常型のむくみやめまい、頭痛も引き起こす。
自律神経のバランスの乱れが、イライラする、寝付きが悪い、汗や顔のほてりといったようにさまざまな症状を引き起こし、負のスパイラルを招くのだ。

実態調査でも、軽い冷え症の人に比べ“冷えのぼせ”の人のほうが自律神経の乱れが多く、不安・緊張などの気分の悩みや、睡眠の低下につながっていることがわかった。

“冷えのぼせ”の人は交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなり、寝付きが悪くなる傾向がある。

冷えと睡眠は密接に関係しているのだが、自覚していない人が多い。
どちらか一方だけに対処しても不十分で、適切に体を温め、リラックスする、両方へのアプローチが必要だ。

しかし、“冷えのぼせ”の人は寝ている間も緊張しており、それによって汗をかき、蒸れて暑くなってしまうので、靴下を履いて寝ても途中で脱いでしまったり、入浴時も体の芯が温まる前にのぼせてしまうため長時間湯船に浸かることができないなど、重度な人ほどうまく体を温められず、自ら体を冷やすライフスタイルを送ってしまいがちだ。

そんな悪循環を断ち切るための正しい対策のポイントとは?

【ポイント1】ほてりを逃がす「一時ケア」と温める「日常ケア」を使い分ける
“冷えのぼせ”は体のなかで冷えている箇所とほてりを感じる箇所が混在しているため、ほてりを冷やす「一時ケア」と、冷えを改善するための「日常ケア」を区別することが大切。

図の青い部分はほてりを感じやすいため、ここを一時的に冷やして熱を逃がす。
日常ケアとしては、入浴が苦手な“冷えのぼせ”の人は、図の赤い部分を部分的に温めよう。

【ポイント2】首のうしろを温める
首は皮膚のすぐ下を頸動脈という大きな血管が通り、頭を支える大きな筋肉があるため、効率的に血液を温め、温まった血液を全身に巡らせることができる。
首のうしろを温めることで副交感神経優位に切り替わり、自律神経のバランスも整う。

交感神経の緊張をやわらげ、眠りにつくために、寝る前に首を温めながら腹式呼吸をして頭を空っぽにするのも効果的だ。

【ポイント3】“冷えのぼせ”の人がやってはいけないこと
一見、体を温めるのでよさそうに思われることでも、“冷えのぼせ”には適さないこともあるので気をつけよう。
長時間の入浴
 体の芯が温まるまえにのぼせてしまう。
 無理して続けるとあがった後にめまいを起こすこともあるので危険
首から肩全体を冷やす
 自律神経の乱れや全身の冷えを招く。熱帯夜など特別な場合を除いて首回りは冷やさな
 いように
首のつまった洋服
 のぼせたときの汗が逃がせず、逆に体を冷やしてしまう


<私的コメント>
「冷えのぼせ」の人は他にも様々な身体の不調に悩むことが多く、冷え症の重い症状とされます。(「冷え症」と「冷え性」の使い分けが私にはわかりません)
「冷え症」と同様に筋肉量の少ない女性に目立つのが特徴です。
軽い運動の後などでも上半身が熱くなり汗がどっと出る傾向があります。
何もしていない時や、明け方目が覚めた時に大汗をかいているといったことが一般的な人よりもはっきりみられます。
身体は本能的に頭部の温度を下げないようにすることも「冷えのぼせ」が起きやすくなる原因と言われています。
自律神経のバランスが崩れている「冷えのぼせ」の人は、一般的な冷え症の人よりも健康面の悩みを抱えていることが多い傾向にあります。
特にイライラなど気分に関する悩みを持つ人が多く全体の3 ~ 4割を占めています。
この数字は一般的な冷え症の人より1 ~ 2割高い数字です。
寝ている間も緊張私的汗をかくため、身体を十分に温められずに冷えを招いているケースもあります。
こういった場合の対処としては、まずのぼせた部位を外気にさらして一時的にうまく熱を逃がします。
ただ、むやみに身体全体を冷やすのは禁物で、足首やおなかなどは日常的に温めておきます。
特に首の後ろを温めることは有効で、寝る前に温めればリラックスして入眠しやすくなります。

冷えのぼせ、悪循環のメカニズム
寒さや食べ物で体を冷やすことで血行が悪くなる
 → 生理痛、肌荒れ

静脈やリンパ管の流れが停滞し水分代謝が悪くなる
 → むくみ、めまい

自律神経のバランスが崩れる。 「冷えのぼせ」の状態
 → 動悸、不眠

~ の悪循環を形成


「冷えのぼせ」の対策
38℃から40℃のお湯にゆっくりつかるなど、体を外から温める
⊃べ物などで体の内から温める。
なるべく常温または温めたものを食べ、食材も体を冷やすものは避ける
E度な運動を心がける。
少し息がきれるくらいを目安にする。

この記事に

開く コメント(0)

急な発汗 のど乾く前に補水

 
脱水症になると体温をうまく下げられず、熱中症になりやすい。
水分をどのタイミングで、何を飲めばいいのか。
水分量や体温を一定に保つための汗や尿の仕組みを知り、体調管理に役立てよう。
 
水は私たちの体を維持するのに欠かせない。
男性は体重の約60%、女性は約55%を占める。
体重kggの男性なら、36リットルの水を含んでいることになる。
 
体重の約2%の水が失われると脱水症になるともいわれている。
60kgの男性なら1.2リットルを失うと危険ラインということになる。
最初はのどの渇きを感じ、脱水が進むと、全身のだるさや頭痛、嘔吐、めまいが起きる。
 
2時間で脱水も
暑いところで体を動かしたときの汗の量は1時間に500〜600ミリリットル。
2時間動けば脱水症になってもおかしくないほどの汗が出る。
脱水症になると汗が止まり、体の熱を逃せなくなって熱中症になりやすい。
 
では、どう水分をとればいいのか。
ポイントは、汗のかき方やかいた時間の長さで、適した飲み物が違うということだ。
汗は、皮膚の汗腺で血液からつくられる。
血液中の塩分をいったん汗腺へしみ出るが、汗をじわっとかきはじめた段階では大部分が回収されるため、失われるのは、ほぼ水のみ。
この時点なら、水や麦茶で水分だけを補給すればいい。
 
ところが、1時間以上にわたり汗をかき続けたとか、激しい運動で大量の汗をかいた場合は、塩分の回収機能が追いつかず、汗にもれ出てしまう。
体内では水分だけでなく、塩分も不足するので水を飲むだけでは不十分だ。
スポーツ飲料などで塩分も一緒にと補いたい。
塩分を含むアメもいい。
私的コメント';
この前、ある人からいただきましたが結構まずいです。

水分は、のどの渇きを感じる前から少しづつ摂ろう。
急激に汗をかくと、のどが渇いてから水分をとっても、必要量の3割程度しか補えない。
 
参考
発汗量が
◎少ないと、
 塩分はきちんと血中に再吸収される     塩分の少ない汗
 
◎多いと、
 血中への塩分の再吸収が間に合わない    塩分の多い汗

汗腺で塩分を再吸収するしくみ
〃豈佞ら汗をつくる
∈遒辰心世ら塩分を再吸収

汗の濃度は0.2 〜 0.3%
血中の塩分濃度はいつも0.9%
 
 
ビール・緑茶・コーヒーは逆効果
汗をかいた後のビールは危険だ。
ビールは利尿作用が強く、1リットル飲むと1.5リットルの尿が出るといわれている。
水分補給どころか脱水が進む。
脱水状態での飲酒は、悪酔いや二日酔いしやすく、脳卒中などのリスクも高める。
ビールを楽しみたければ、飲む前の水分摂取を忘れてはいけない。
私的コメント';
これではビールがおいしくありません。

緑茶やコーヒーなど、カフェインを含む飲み物も利尿作用があるので、汗で失われた水分の補給には向いていない。
 
塩分濃度は一定
そもそも脱水症になると、どんな問題が起きるのか。
失われるのは水と塩分。
この2つは体内で精密に制御されている。
体を作る細胞が生きるためには、浸っている体液の塩分濃度が、正確に0.9%でなくてはいけない。
高くても低くていけない。
大量の汗で水と塩分が急速に失われると、制御できなくなってしまうことがあるが、これが脱水症の本体だ。
 
もちろん体には、0.9%を維持するための仕組みが備わっている。
最も関わっているのが腎臓だ。
周知の通り腎臓は尿を作る臓器。
汗をかけば尿量を減らし、大量の水分を取れば尿量を増やす。
尿量を変えて、体液の塩分濃度を一定に保つよう働いている。
汗をかくと、尿の色が、濃くなった経験はないだろうか?
これは、腎臓が尿量を絞ったことで、尿の黄色い色素であるウロビリンが濃縮されて起こる。
汗もかいておしっこの色が濃くなっていたら、脱水のサインといえる。
そんなときはできるだけ早く水分をとろう。
 
脱水症が怖いなら、空調完備の室内にこもる方が安心、という人がいるかもしれない。
しかし、本末転倒。
汗は蒸発しながら体の熱を逃がし、体温を上昇を抑える作用があるため、熱中症を防ぐには、汗をきちんとかくことも欠かせない。
ある研究によると、普段から運動をする人に比べて、しない人は、汗をかく力が3割ほど低い。
汗をかく力が弱いと、熱がこもり熱中症になりやすい。
意識して汗を出し、体温を一定にする力をつける必要がある。
 
運動のほか、入浴時は湯船に浸かり汗をかこう。
そしてしっかり水分補給。
「汗」と「水」を味方につけることが大切だ。


番外編 汗で大事な脳を冷却?
体温調節のために汗を利用する動物は、人間と馬など、ごくわずかな種類しかいないという。
貴重な水を捨ててまで体温上昇を抑える仕組みを進化する中で備えたのは、そうまでして体を冷やすことが生存上有利だったから、と解釈できる。
 
人間は何を冷やす必要があったのか? 
一説に「脳の大型化に対応するため」といわれる。
数百万年前、私たちの祖先の脳が肥大化を始めた。
脳は活動するとかなりの熱を発する。
大きな脳には強力な冷却システムが不可欠だ。
この仕組みを身につけたものだけが、脳の巨大化に成功した。
汗は、人類の知能を支える重大なカギだったのかもしれない。


番外編
体の中で水分のバランスは・・・
水の4つの出口
・汗は水分を排出し、気化するときに体温を下げる働きを持つ
1. 呼気
2. 汗
3. 尿
4. 便

・1日に出入りする水分は2.5リットル
摂取 飲み物      60%
食物       30%
代謝       10%

排出 尿         60%
   肺や皮膚の呼吸 28%
   発汗と便 12%


出典
日経新聞・朝刊 2015.8.29(一部改変)
 

 

この記事に

開く コメント(0)

ビタミンC失わない野菜調理 切り方・加熱方法は ゆで汁は味噌汁に、炒め物には片栗粉

ビタミンCの簡単な検査法がある。
用意するのはヨウ素化合物を主成分とする市販のうがい薬。
ヨウ素にビタミンCを加えると無色に変化する。
調理の手際などに左右される面もあるが、大まかな傾向はつかめる。
 
ヨウ素液は「500ミリリットルのペットボトルに水を入れ、うがい薬を200滴加える」。
 
使う野菜はブロッコリー、パプリカ、ジャガイモ、ほうれん草、ダイコン、ニンジン。
生の状態や調理後にすり鉢ですりつぶし、お茶を煮出すパックに入れて搾った。
すりつぶしてもビタミンCの量に大きな変化はないらしい。
 
まずはブロッコリー。
搾り汁をヨウ素液に一滴ずつ垂らすと、茶褐色だった液体が次第に薄くなっていく。
ヨウ素液の色が消えるまで何滴だったかを記録。加えた汁が少ないほど、1滴に含まれるビタミンCが多いことになる。

「レンジ」「蒸す」減少幅小さく
電子レンジで加熱して調べると、生よりもビタミンCが多い。
煮たものは減っていたが、蒸した場合も多かった。
そんなことがあるのか
加熱により野菜内の水分が蒸気として出てしまうことがある。
減った分の水を加えて計算し直すと、ビタミンCは加熱後の方がやや少なかった。
 
ゆで方によるビタミンC量の違いを調べるため、「輪切り(厚さ3センチ)」「イチョウ切り(同3ミリ)」「千切り(同2ミリ)」の3つをそれぞれゆでてからすりつぶし、搾り汁を取った。
輪切りは、ゆで時間が15分、30分と長くなるほど生に比べヨウ素液が透明になるまで多くの搾り汁を必要とした。
 
イチョウ切りはゆで時間10分で、千切りは同3分で、長くゆでた輪切りより大きく減った。
長くゆでるほど、細かく切れば切るほどビタミンCの減少幅は大きい。

加熱方法を変えるとどうか。
減少幅が大きかった千切りで「蒸す」「電子レンジ」「油でいためる」の3パターンを比較してみた。
3分蒸しても、レンジで1分加熱しても、油で3分いためても、どれもあまり減らなかった。
 
千切りにしたダイコンを5分間、10分間水にさらしたときは、3分ゆでたときよりもさらにビタミンCが減った。
 
一連の結果は何を意味するのか。
ビタミンCは水に溶けやすいので、水にさらしたり長くゆでたりすると流出してしまう。
細かく切れば、水にふれる断面が増え、流出量も多くなる。
いためた場合は油でコーティングされて流出が抑えられる。

ビタミンCは加熱など調理の過程で壊れやすい、とよくいわれるが壊れるわけではなく、酸化するだけ。
酸化しても体内では同じビタミンCとして働くという。
とはいえゆで汁などに流出してしまうと摂取量は減る。
なるべく水にさらさないためにはレンジや蒸すのが有効だが、野菜によってはゆでてアクを抜いた方がおいしい場合がある。
どうすればいいのか。

塩・砂糖加えて流出を抑える
まずはゆで時間を短くすること。例えばほうれん草なら1袋分まるごと一気にゆでると時間がかかるので、少しずつゆでれば1回ごとのゆで時間は短くて済む。
ゆでる前に切るのも避けたい。
切り口から栄養素が流出するためだ。
ゆで汁に塩を加えるのも有効らしい。
浸透圧の関係で流出が抑えられるという。
塩を加えるのは色を鮮やかにするためと考えていたが、栄養効果もあったのだ。
 
さっそく千切りにしたダイコンで試してみた。
濃度1%の食塩水で3分ゆでたところ、水での場合に比べ少ない量の搾り汁で透明になった。
食塩水の濃度を10%にまで高めてみると、ビタミンCの減少幅はさらに縮小。
ただ1%はともかく10%はしょっぱすぎてとても食べられる味ではない。
 
原理が同じ砂糖水ではどうか。
1%の砂糖水で煮ても、食塩水とほぼ同じ結果が出た。
こちらはほんのり甘くておいしかった。
酢や油でも試してみたが、これはほとんど効果がなかった。
 
ビタミンCの上手な取り方は、アクの少ない野菜の場合はゆで汁をみそ汁などに活用したい。
いため物の場合は片栗粉を使って流出した分もあんにして食べられるようにするといい。
栄養素を逃さない食べ方は結局、手早くおいしく調理することだと分かった。

出典
日経新聞・朝刊 2014.7.5(一部改変)

この記事に

開く コメント(2)

1日1個はリンゴを

ポリフェノールに注目 「1日1個のリンゴ」、やはり健康効果

■有名な英医学誌に一昨年(2013年)末、面白い論文が発表された。
英国の50歳以上(約2200万人)が対象。
コレステロールを下げる薬スタチンを飲んでいない人が新たに飲み始めた場合と、7割の人が1日1個のリンゴを食べた場合を仮定し、「心臓発作など血管の病気による死者数がどれほど減るか」をシミュレーションした。

■ともに効果は高かったが差はあまりなかった。
オックスフォード大のチームは、スタチン服用者は続けるべきだとしたうえで、「ことわざは現代的な薬と同等の効果を持ち、副作用も少なさそうだ」と結論づけた。
フィンランドやオランダなどで多数の住民を対象に行われた長期間の追跡調査でも、リンゴを多く食べる人は、がんや脳卒中、気管支ぜんそくなどのリスクが低いと報告されている。
 
■日本でも一大産地の青森県でリンゴと健康の関係が調べられている。
弘前市岩木地区の住民を対象にしたこれまでの調査では、1日1個以上を食べる人たちの血中の総コレステロール値は、そんなに食べない人たちと比べて有意に低かったという結果がみられたという。
 
■ではなぜ、健康にいいのか。
以前は血圧を下げる効果のあるカリウムや、血糖値の上昇を抑える食物繊維が注目されていた。
確かに含まれているが、際立った成分ではない。
そこで近年注目されているのがポリフェノール。
赤ワインブームを引き起こした抗酸化成分だ。

   □     □

■切り口がやがて茶色になるのはポリフェノールが酸素に触れた結果だ。
全体の0・1〜0・3%ほど含まれ、その中でも5〜6割を占める特徴的な成分がプロシアニジン類。
茶の成分としても知られるカテキンが複数つながった構造をしている。
 
■プロシアニジン類にはいろいろな健康効果が期待されている。
例えば脂肪が腸管に吸収されるのを邪魔して体外に排出されやすくする効果がある。
結果、コレステロールや中性脂肪が増えるのを抑えてくれると考えられている。
ほかにもメラニン色素ができることを邪魔する効果が確認されていたりもするという。
美白につながるかもしれない。
ただし、一度にたくさん食べればいいというものではなさそうだ。

参考;
朝日新聞•朝刊 2015.3.21
http://apital.asahi.com/article/hiketsu/2015032400009.html


*リンゴの主成分 プロシアニジン類に期待される主な機能
•肥満予防
 •糖尿病予防
 •動脈硬化予防
 •アレルギー予防
 •美白•育毛
 •抗加齢抗がん作用
 •コレステロール/中性脂肪低下作用
 •虫歯予防作用
 •消臭効果
 •白内障予防効果
 •メラニン生成抑制作用


<関連サイト>
プロシアニジン
http://kirei.ohana-batake.net/002_/ent168.html
•プロシアニジンとは、カテキンがいくつか結合した構造をもち、きわめて強い抗酸化作用を示すポリフェノールです。リンゴに多く含まれているほか、ビワ、ブドウ、緑茶などにも含まれています。
•プロシアニジンの抗がん作用は、発がんの抑制とアポトーシス(細胞死)の誘導であることが報告されています。



[[attached(cat.jpg)]]

この記事に

開く コメント(0)

全13ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.


みんなの更新記事