今朝(7日)の午前2時、深夜の干潮時に、あいにくの雨模様のなか今年のひじき採集が解禁になった。 島内にはいくつかの採集チームがあって、チームごとに予め決めておいた目当ての場所(ほとんどが島の裏側三浦地区の海岸)で、採集をスタートさせた。
山戸孝くんチームや民ちゃんチームにはIターンの若者たちも手伝い兼見習いで加わっていている。
濡れた濃茶色のひじきが絨毯のように浜の玉石〜祝島は砂浜ではなく直径10〜30cmの玉石の浜だ〜を覆い尽していて、作業用のヘッドランプに照らされると美しく輝いている。
ひじきはノコ鎌で手刈りして、雑木を燃料に釜炊きし、その後は天日乾燥するだけの完全な「お天道さまの恵み産物」だ。 家族用をまず確保し、次に親戚用、最後に余ったものが販売商品になる。商品は安全安心で味が良いとの評判が定着していて、毎年ほとんど予約受付け時点で売り切れ御免状態となるようだ。
市場経済的には、需要が多いのだからもっと販売に回せばカネが稼げると考えるだろうが、「こんな美味い海の幸、山の幸がタダでお天道さまから授けられるのに、何でカネを稼がにゃならんかね」と意に介さない島民も少なくない。
海と山、そこに暮らす多様な動植物を経由して、お天道さまが人間に恵みを与えてくれる。 それを素直に受け取るのが人間として分相応の豊かな暮らしだと島人たちは信じている。 万事がこの調子で、カネを介すのは最後の手段という意識なのだ。
寒干し大根、枇杷の葉茶、甘藷の煮干し、サヨリやタコの干物しかり、どの季節にも何かしらの保存食づくりにいそしむ。
旬を生で食べるだけでなく、天日乾燥、塩漬け、発酵などその土地の気候や微生物の力を借りて、年間をとおしてカネをかけずに、地元食材だけで多様な食生活を楽しめるよう、島人は知恵を積んできた。
ここにきて、山戸孝くんたち若い世代が、上関原発財源に頼らない自立した祝島の暮らしを支える産物としてこれらの保存食を島外向けに販売拡大しようとしている。
私も彼らの取組みに大賛成だ。 なぜなら、島内の若い世代の生活を経済的に補うだけでなく、このような地産食品は、化石燃料も原発由来の電気も必要とせず、環境負荷も限りなく小さい。
比較して、都市で普遍化しているファストフード的な食生活は、世界中から食材をかき集めてはじめて成り立つ。 こうした無国籍な食生活は、消費者には低コストのようでも、長距離輸送や加工、必要な包装資材、保存料、添加物など多様で多量のエネルギーが必要となる。 その安価で大量なエネルギーを供給するための象徴的な存在が原発に他ならない。
祝島の乾燥ひじきなど国産保存食材の消費をひろげること、日本人が日本国内で生産されたものを地産地消する、当たり前ともいえる食生活の復活が、暮らしのエネルギーを節約して原発依存から脱することになるということだ。
そしてそれは、誰でもいますぐに取り組める、自分と家族と地域にとって健康で安心な、確かな明日の暮らしづくりなのだ。
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長さん魚の美味しいひもの、送ってください、お金払いますので、
どんなに、美味しいか一度食べたい。
2012/2/8(水) 午後 4:57 [ 金田 吉海 ]