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「我々はその終わりを直視しないために、超高層タワーの夢にまどろんでいる」
マスコミでは、東京スカイツリーの賞賛報道ばかり。
巨大建造物を建てたがるのは、その文明の終焉そのものじゃあないですか。
ヒトの身の丈をはるかに超えた、狂気の象徴としてのスカイツリーですぞ。
そんな愚かしい狂気報道の中できっちり冷静さを保つのが、我が「週刊金曜日」!
これだから週刊金曜日のファンをやめられないのですわ。
「特集 東京スカイツリー異景」に我が意を得たりです!
【超巨大都市の夢】
矢部史郎
日本の超高層建築は、通常の意味での建築ではない。地震国日本
において超高層とは、最先端土木技術の結晶である。それはダムや
トンネル、橋梁と並んで、日本経済がめざしてきた発展の夢を集約
的に表現するものだ。地上634メートルの塔から地上を展望すれ
ば、そこには鉄とガラスとコンクリートでくまなく埋め尽くされた
都市の姿があらわれるだろう。これは世界でも稀な4000万人都
市、未来の超巨大都市だ。
東京圏の雄大な都市の姿を、いま我々は複雑な感情とともに眺め
ている。ここから東北に220キロメートルの地点では、原子力発
電所が崩壊し、放射能の蒸気を吐きだし、関東平野全域にセシウム
の雨を降らせている。日本の発展を導く夢であり、希望であり、綱
領であったものは、ある日あっけなく崩壊した。そうして一つの時
代の終わりが告げられたとき、我々はその終わりを直視しないため
に、超高層タワーの夢にまどろんでいる。そこにはもう未来がない
ことをわかりつつ、まだ夢から覚めたくないという気分が社会を覆
っている。
(2012.5.18 895号)
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