日本経済クリニック:診断と処方箋

将来不安は杞憂、株価は基調として過小評価、インフレターゲットは危険

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2005年4月30日

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最近の景気動向と株価の異変

 最近の日本経済は、日中、日韓関係の先行きが不透明なことに過敏に反応して、企業は積極的な経営活動を控え、消費者は企業の消極性が雇用や所得の将来不安を増大させるという悪循環を予想して、全般的な萎縮の危険にさらされている。しかしこれらはすべて予想の問題であって、現実に起きているわけではない。
 株価は、この予想だけが一人歩きをして、投資家を不安にしたことが原因で、大幅に低下しているように思われる。どこの国の投資家も、このような疑心暗鬼に駆られて売ったり買ったりしているのが現実である。ただし、経済学という机上の「空論」に基づく計算に寄れば、日本の株価はその理論価格に比べて、多くの場合、少し高すぎるように思われる。勿論これは「机上の計算」に過ぎないのだが、多分その原因は、日本の株式市場が依然として一部の大口投資家の影響が強すぎることによるのであろう。株式市場が一般投資家のものになるためには、株式投資が企業収益の配当を目的として行われるようにならなければと考えられる。
 もう一つ、日本の物価低迷に対して「インフレ・ターゲット」政策を採るべきだという日本の経済学者の多数派の主張には承服できない。最近の日本経済に供給されている貨幣量は、過去の歴史からは考えられないような過剰状態にある。その大半は銀行預金、貸金庫を含む現金での保有となっている。インフレターゲット論者が主張するようにこれ以上貨幣の供給を増加させて、誰もが近い将来にたとえ年当たり2パーセントでも物価が上昇すると確信したならば、今まで眠っていた貨幣が一挙に何かを買うために動き出すであろう。そのこと自体が、人々を一層の同じ行動へと走らせ、目標をはるかに超える物価上昇を引き起こす危険がある。もしそうなれば、物価上昇の連鎖を抑えることは非常に難しいし、無理に抑えれば、逆にデフレへと進むから、元の木阿弥である。
 より望ましい政策は、失業者のコンピュータ操作を含む職業教育や児童保育施設の充実のために財政資金を使うことである。それらは、新しい雇用機会を生み出し、消費需要を刺激することによって、マクロ経済の景気刺激に貢献するであろう。

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