感情を色に託して表現
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色はことば
「色は言の葉(ことのは)」これは、日本最古の和歌集『万葉集』の中に登場することば。日本人は、いにしえから鮮やかな色彩の中に生きていて、色彩を表すことばが数多く出てきます。着物の色で相手の心もようを読んだり、月の明るさを色にたとえて思いを伝えたり。ことばにできない複雑な思いも、色彩という表現で相手に自然と伝わることがあるのです。
被災地をたずねて
この夏、東日本大震災の被災地の子どもたちを色彩で癒やすために岩手・宮城の各県を訪れ、ワークショップを行ってきました。
被災地の子どもたちはとても手厚くケアされ、多くの大人の目が子どもたちに降り注がれていることを頼もしく感じましたが、それでもつらい経験をした子どもたちの心の中には、ことばには出せない痛みや傷が残ります。ワークショップで見られた特徴は、まさにその「ためこんだ思いが色彩に表出されている」ということでした。
小学校高学年以上の子どもには黒や緑や青、紫という内向性の色彩を選ぶ子が非常に多かったのが印象的でした。このことはカラーセラピーでは「周囲に影響されて自分の本当の思いをため込んで表に出せていない」という状態を示しています。逆に低学年以下の子どもでは、赤やオレンジなどの暖色を多く選ぶケースが多くありました。
子どもがお絵かきや塗り絵で黒を使うと、大人は動揺する傾向がありますが、私は黒というメッセージ性の強い色をあえて使えることで、その子は自己主張できていると考えています。
カラフルな生活を
全国各地から「頑張れ」のメッセージが東北地方の皆さんに多く寄せられました。大人は自分を励ますためにも「頑張ろう」ということばを使います。ところがそんな時、子どもの場合、もっと周りに甘えたい、あるいは「頑張りたくない」「疲れた」「不安だ」という正直な思いを、周囲への配慮から出せずに閉じ込めてしまうことにもなります。
これは被災地に限ったことではなく、日常のちょっとした生活トラブルでも起こること。ためこんだ思いをどこかで吐き出させてあげることが、子どものストレスを解消し、次への前向きなステップにつながるのです。
そこで感じたのは、まさに「色とことば」ということでした。ことばにできない感情があったら、色に託せばよいのです。
被災地でのワークショップでは、子どもたちが今の情動や心象を色で表した後、その色を使って手のひらで円を描くパステルアートを行いました。
震災後、ほとんど話をしなくなってしまったという女の子が、夢中で指先を動かしながら「気持ちいい。もっとやりたい」と言ったのは、感動的な一コマでした。色彩にはそんなヒーリング効果があります。
アートでなくてもいいのです。お花や食器、カーテン、クッションなど、いつも生活の中で、さまざまな色をまんべんなく使おうと意識することが、バランスのとれた心の状態を保つためには大切です。皆さんもことばにならない感情を色で表現するカラフル色彩生活を楽しんでみませんか?
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