ミシガン州警察が毎年行っている、年度モデル毎の車両評価の2011年版が公表されました。
今回の目玉は、パトカーでは新型カプリスとマイナーチェンジしたダッジ・チャージャーが、バイクでは2010年度から正式事業化したカワサキ・コンコース14ポリスが評価に入っていることです。
これらがどのような成績を出すのか非常に興味深いですね。
ところで、アメ車ファンの人はある疑問が頭に浮かぶかもしれません。
「あれ?新型ポリスインターセプターはどうしたの?」
そう、今回のテストで評価が公表されているポリスインターセプターは、旧型のCVPIのみです。
かといってテスト自体にかけられなかったわけでもないようで。
また37秒付近にはユーティリティ(エクスプローラー)も映っています。
つまり間違いなくテストはされたが、何らかの理由で公表はされなかったという事になります。
その事情は分かりません。
Autoblogの記事ではカプリスとポリスインターセプターの賑やかな話題があっただけに、残念に思います。
気を取り直してテスト結果についての考察を。
パトカー
評価車両をセダン型に絞って見ると、CVPIのファイナル違いが二つ、インパラのガソリンとE85(ガソリン・エタノール混合)仕様、カプリスV8のガソリンとE85、チャージャーのV6とV8になります。
ラップタイム試験では、カプリス二種が平均1分37秒台を出しトップになりました。
E85の方が0.5秒速かったのですが、燃料の違いによる有意差はないと考えられます。
次点がチャージャーなのですが、V6もV8も平均1分38秒台で並び、両者の平均差は0.02秒しかありません。
これはHEMIが遅いと言うよりも、可変バルタイ化によりV6のタイムが上がったと見るべきでしょう。
2010年の試験では平均1分40秒台でしたから、2秒程度速くなったと考えられます。
三番目がCVPIで、ファイナルがローギアードの3.55の方が速いですね。
四番目がインパラで1分42秒台。
インパラは以前の試験でも相対的に遅かったので、車両の世代交代が進むと動力性能の面での不利は否めません。
加速と最高速テストでもカプリスの高性能さが光ります。
0 - 60mph加速ではE85が6.15秒、ガソリンが6.18秒となり、殆ど同レベルですがチャージャーV8の6.24よりほんの僅かに上回っています。
最高速はカプリスが148mph、チャージャーが146mphですからほぼ差はないと言っていいでしょう。
チャージャーのV6はここでは流石にV8に水を開けられ、60mph加速で8.65秒、最高速は130mphに留まっています。
インパラはチャージャーV6と加速タイムでほぼ同等、最高速では10mph弱高い数値を出しました。
最下位はやはりCVPI。
加速性能ではハイギアードの3.27が唯一の9秒台である9.01秒となり3.55でも8.87秒、最高速ではローギアードの3.55が119mphに留まります。
制動性能でもカプリスがトップでした。
60mphからの急制動では制動距離が唯一の120フィート台で、130フィート台前半のチャージャーよりも5〜10フィート程度短く止まっています。
インパラは130フィート台後半、CVPIはインパラと同程度かやや長い程度となっています。
やはり新しいものの方が高性能という結果が見受けられます。
視界の広さや快適性を調べるテストでは、CVPIが高い評価を受けています。
トップはCVPIの212.81点で、カプリスの203.57、チャージャーの202.70、インパラの195.95を上回っています。
特に視界関係の項目では概ねライバルを上回っていて、前方視界、後方視界、ドアミラーの評価が高くなっています。
視界に関しては、衝突安全性を高めた結果として古い設計の車よりピラーが太くなり、死角を増やすと言う現代の車が共通して抱える問題もあるのでしょう。
ただ他の項目でも頭上空間など評価されている部分もあり、CVPIの「古いフルサイズならではの良さ」があろうかと思います。
燃費評価ではチャージャーが他を上回りました。
燃費は市街地、高速、混合の三種類の燃費計測方法があるのですが、チャージャーV6は全ての点でライバルを上回っています。
V8は流石にそれよりは下回りますが、それでも高水準。
インパラはガソリンは概ね良かったのですが、E85の方は極端に燃費が悪くなる傾向にあります。
カプリスはCVPIと同程度の燃費となっていますが、これだけはメーカーの資料をそのまま転載したという注釈がついています。
試験できなかったのでしょうか。
但しその通りだったとしても、動力性能が圧倒的に違うと言う点は留意を必要とします。
総じて見ると。
高性能なカプリス、燃費は良いけど全体的にイマイチなインパラ、バランスが取れているチャージャー、快適だが性能は時代遅れのCVPI、という傾向を僕は見て取りました。
このテストでは新型ポリスインターセプターの結果が分からないのですが、CVPIより優れているのは間違いないと思うので、フォードもGMも次世代を担うだけの車両を出してきていると考えられます。
ちなみに。
アメリカのクライスラーファンのサイト
「allpar.com」では、2011年度ミシガン州警察テストというデータが公表されており、そこには新型ポリスインターセプターやカプリスV6のデータも出ています。
共通する部分のデータは一致しているので、ある程度参考になろうかと思います。
これによると、動力性能ではV6自然吸気のFFは他社のV6より性能と同等かやや高いぐらい、V6ターボの4WDは他社のV8に若干劣るという結果が見て取れます。
制動性能では自然吸気は平均的、ターボはやや勝るようです。
最高速は131mphで両方とも頭打ちに。
バイク
バイクはハーレーがロードキングとエレクトログライドの二種、BMWはR1200、カワサキがコンコース14です。
平均ラップタイムではBMWがトップで5分37秒18、カワサキが5分41秒05、ハーレーはロードキングが6分7秒98、エレクトログライドは6分8秒65という結果でした。
思ったよりカワサキが伸びなかったなという印象です。
理由は最高タイムと最低タイムで、カワサキがいずれもBMWより4〜5秒程度遅かったことです。
加速性能と最高速ではカワサキがトップでした。
40mphまでの加速ではカワサキがやや遅いのですが、60mphまでになるとBMW4.70秒、カワサキ4.50秒で逆転。
100mphではBMWの11.46秒に対し9.70秒と2秒近い差をつけ、最高速はBMWの127mphに対し131mphとなっています。
ゼロヨンでもBMWの13.21秒(105.05mph)に対してカワサキは12.66(112.17)秒と速くなっています。
ハーレーは60mph加速ではいずれも5秒を超え、100mph加速では20秒を超えており、動力性能では日独二車に対して大きく水を開けられました。
60mphからの制動性能を見ると制動距離と減速率が調べられています。
減速率は「**feet/s^2」で表示されているので、時間の二乗に比例して**feetだけ走行距離が小さくなっていく、つまり数値が大きいほど短く止まれるということだと思います(多分)。
ここでもトップはカワサキでした。
平均減速率は27.46feet/s^2で、BMWの27.10/s^2を上回っています。
各車20回のテストでの制動距離を見ると、カワサキが6回の130feet台を出しているのに対し、BMWは3回です。
但し極端な数値の変動がなく、またBMWも制動距離が150feet台に入ることもあるハーレーと比べれば優れているので、信頼できるブレーキを装着していると言えるのではないでしょうか。
無線や緊急ライトなど装備の装着性ではカワサキはトップでした。
総得点は97.67で、他三車より10点程高くなっています。
2番目はエレクトログライドの88.67、3番目はロードキングの87.67、4番目はBMWの86.99となっています。
総じて見ていくと、カワサキは高評価でした。
ハーレーはやはり動力性能と制動性能の面で辛かったと思います。
BMWは全ての要素で概ねバランスが良い車両であると言えるでしょう。
カワサキで唯一気になるのはラップタイムですね。
動力性能も制動性能も優れているのにラップタイムがBMWに劣ると言うのは、もしかしたら慣れないと扱いづらいのかもしれません。