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カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
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グッタペルカ

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今のカメラの左右に張ってある革のようなものはビニールレザーですが、昔のカメラは本革が貼ってありました。ただ革は吸湿性があるために、湿度が高い所に長く置いてあると、貼ってあるカメラの表面が錆びたりします。

そこで一部のカメラには「グッタペルカ」という自然樹脂を革のような模様を付けて貼ってあるカメラがあります。この樹脂は歯科で使われている「ガタパチャ」と同じ物で、あの歯を削ったあとの穴に詰める樹脂です。単に英語読みかドイツ語読みかの違いではないでしょうか。(この辺はこのブログによくコメントをして頂いているヤマティー様が詳しそうです)ただ、カメラに使われている樹脂の方は高温では粘土のように柔らかくなるのですが、常温ではカチカチに硬くなります。この樹脂は酸性等の腐食に強く、吸湿性も無い。そのためにこれを貼ってあるカメラは剥がれない限りカメラの表面が錆びたりしないので、ライカやローライフレックス等の高級カメラに使われることが多いのです。
ちなみに私のニックネーム「がたぱしゃ」は、このガタパチャと写真のシャッター音の「パシャ」をかけたものです。


このグッタペルカをカメラ本体に貼っているのが「ラック」というもので、これは何と「ラック虫」という虫から作ったものです。よくネジの緩み止めのことを「ラック止め」と言いますが、昔はこのラックで止めたからです。当時は金属と接着できるような合成接着剤は無く、このラックを使用していました。
ところがこのラックが経年変化で接着性が悪くなり、グッタペルカが剥がれてくることがあります。
そうすると貼ってあるグッタペルカが浮いてきて、強く押すとパリパリと割れてしまうのです。

せっかくきれいなライカを買ったのに、ある日ポロっとグッタペルカが欠ける。
これは持ち主にとってはショックな事ですね。私の修理を受けたライカの中にも、せっかくきれいなのにグッタペルカが欠けてるものがあり、少しならとサービスで補修してあげて返したりしていました。
結構うまく補修出来てお客さんに喜ばれたりしていました。ところが、お店から修理を受けたカメラのグッタペルカもサービスで補修しているうちに「グッタペルカの補修だけ」というのを頼まれるようになりました。

割れてるグッタペルカを補修するのは結構面倒なものです。大きく欠けて、その剥がれた部分があれば簡単に貼れるのですが、剥がれた部分を無くしてしまったり細かく欠けてしまった場合はとても面倒です。
まるでパズルのようにして剥がれた欠片を欠けた部分に貼ってゆくか、欠けた部分のグッタペルカが無い場合はジャンクのライカから剥がして、同じような形に割って貼ってゆきます。
これって全然カメラ修理とは違う分野の作業ですよね。イライラするしあまりやりたくない仕事です。

上の画像は受けた中で一番ひどいライカです。
中の画像は上とは違うカメラですが、グッタペルカを貼ってる最中の画像、
下はそのカメラの貼り終わった画像です。
このくらいに戻れば一応喜んでもらえると思います。

まあ、こんな仕事もしてますということです。はい。

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