「境界に生きた心子」

一言メッセージ :境界性人格障害の彼女と過ごした日々のノンフィクション[新風舎・刊](海原純子さん推薦/心療内科医・医学博士)

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「無意識の彷徨」

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「無意識の彷徨」 (11)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46997596.html からの続き)
 

○同・捜査一課

  なつみと友辺・田所、テーブルを挟んで
  座っている。
田所「(煙草をくわえて)困るんだよねぇ、
 勝手なことばっかりされちゃ」
友辺「(なつみに)必要なのは事件当時の記
 憶なんだ。初動が肝心なんだよ。子供のと
 きのことばかり調べてて捜査が遅れては…
 …」
なつみ「彼は恐らく子供のころ、何か強いシ
 ョックを受けるような体験をしたのではな
 いかと思います。彼がなぜ記憶をなくすよ
 うになってしまったのか、その原因を突き
 止めなければ本当の解決にはならないと思
 うんです」
田所「うちらの仕事はね、ホシを吐かせるこ
 となんだ。奴の口を割らせることもできな
 いってんじゃ、心理屋さんよ、あんたの腕
 も怪しいもんだな」
  友辺、ムッとするのを抑える。
なつみ「真実を知るには、彼の心の奥を理解
 しようとする姿勢が基本です。信頼関係が
 必要なんです」
田所「かッ! くちばしが黄色くなってるぜ。
 捜査のトーシローが口を挟むんじゃない
 !」
なつみ「(カチンとくる)でも、例えば事件
 当時の彼の精神状態が正常でなかったと分
 かれば、刑事責任は問えない可能性だって
 あるんですよ!」
田所「そのときはそのときだ! 何をやらか
 したのかって事実が先だろう!?」
なつみ「彼が無意識に行なった事実だけを突
 きつけて、後は放り出すなんてことをした
 ら、彼の心がどんなずたずたにされるか分
 かりますか!?」
田所「ここは警察だ! 心理屋は言われたこ
 とだけやってりゃいいんだよ!」
友辺「田所さん……!」
なつみ「………!!(憤慨)」

○街景/夕方

  走る電車−−遠景。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47053023.html
 

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