「境界に生きた心子」

一言メッセージ :境界性人格障害の彼女と過ごした日々のノンフィクション[新風舎・刊](海原純子さん推薦/心療内科医・医学博士)

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「無意識の彷徨」

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「無意識の彷徨」 (15)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47247327.html からの続き)
 

○街路

  友辺、周囲に注意しながら歩いている。
  懸命な様子が窺える。

  
○住宅

  玄関先で家人に聞き込みをしている友辺。
  

○事件現場近くの公園

  歩いてくる友辺。
  子供たちがわいわい騒いでいる。
  友辺、気になって見る。
  子供たちは草むらからゴーグルを見つけ
  たらしい。
  ゴーグルは壊れて血が付いている。
子供A「血だよ、血!」
子供B「違うって、そんなの」
  はっとする友辺。

○インサート

 〔事件直後、現場で目撃者のOLに事情を
  聴取しているシーン〕
友辺「犯人の年恰好は?」
OL「……二十歳くらいで……そう、ゴーグ
 ルをかけてる人がいました……」

○公園

  友辺、子供たちのほうへ近づいていく。
友辺「(腰をかがめて、わざとらしい作り笑
 顔をしながら)ねえ僕たち、それ、どうし
 たの?」
  友辺を見上げ、ぽかんとする子供たち。
 

○警察署・取調室

  田所・友辺、裕司を取り調べている。
田所「(不機嫌そうに)お前、自分の母親ま
 で見殺しにしたそうだな」
裕司「………(苦渋)」
友辺「田所さん、それはいま言わなくても…
 …」
田所「お前は自分に都合が悪くなると意識が
 なくなるそうじゃないか。便利な奴だ。今
 度のヤマでも罪意識から逃げるために記憶
 を消したんだろう?(恫喝)」
裕司「(泣きそうに)……そうなのかもしれ
 ません……でも……」
友辺「たしかに、『誰かを見捨てて逃げた気
 がする』っていうのもお袋さんのことと繋
 がってる。被害者の返り血がお袋さんの血
 と結びついて、無意識の防御システムで意
 識を失ったとも考えられる……」
田所「そうすりゃあ全部つじつまが合ってく
 るんだ。すんなり認めちまいな!」
裕司「………」
友辺「でも彼は覚えてないんですよ」
田所「チッ、面倒な野郎だ!(机を蹴とば
 す)」
裕司「………(身の置き所がない)」
田所「(皮肉めいて)……ジキルとハイドか
 ……夜中に人を殺し歩いて朝になると覚え
 てない……お前もそういう奴なんだろう
 ?」
裕司「………(拳を握りしめて耐える)」
田所「(裕司をなめるように見て)別の人間
 になって何やってんだ、あぁ? いい加減
 に思い出さないか!」
裕司「………(体が震える)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47313453.html
 

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