映画の思い出
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今日は映画の思い出を書きます。
今年の1月頃、僕は今、公開中?かな(もう終わった?)の「桜田門外ノ変」という 映画で演技事務という役職で働いていました。 仕事の内容は簡単にいえば「エキストラ集め」です。 エキストラは、当然お金をはらって雇う場合もあるのですが、 人数が多い場合などは一般の人にボランティアで出演していただくケースもあります。 この映画でも例にもれず一般からかなり多くのボランティア・エキストラをネット等で募集していました。 そういった募集をする場合、ネットで募集してメールで参加意思を確認します。 そのメールで、性別、年齢などを確認し、持って来てもらうもの、注意点をお話しします。 「桜田門外ノ変」では条件が厳しい(朝早いなど)撮影が多く、なかなか希望の人数に達せず、 募集にかなり苦労しました。 また、集めている最中は一般の方が質問などをメールしてくるケースも多く、 一日何十件のメールの返信に忙殺される毎日でした。 そんなある日、一通のメールが届きました。 「身体障害者ですが、出演することは可能ですか?」 最初は戸惑い、断ろうとしましたが、なんかそれだけで断るのもどうかと思い、 「どのような障害をお持ちですか?」と聞きました。 その答えは、 「若干手足が不自由だが歩ける。ただ、健常者ほどスムーズに歩行が出来ない」 というものでした。 正直悩みましたが、この日の撮影は300人のエキストラがほぼ立っているだけの 芝居だったので、迷った挙句、OKを出しました。 それから、数日後の本番。 エキストラさんが300人もいるので、すっかりその人のことを忘れていたのですが、 スタッフからエキストラの中に障害者の人がいると耳打ちされ、来ていることに気づきました。 お会いすると、正直かなり重い障害に思えました。 おそらく脳性麻痺とかそんなんだと思います。 しゃべるのもスムーズにはできず、かなり慎重に言葉を聞かなければ聞き取れないレベルでした。 内心、これはやばいなと感じましたが、「帰ってください」と言うわけにはいかないので、 カツラと衣装をなんとか付けて僕が付き添って現場に向かいました。 メールで言っていたとおり歩くのもかなりのゆっくりのペースでした。 ただ、現場では立ってるだけでいいので、大丈夫だろうと心の中では思っていました。 が、 現場で靴から草履に履き替えてもらわないといけないのですが、 おそらくこれは障害の1つだと思うのですが、その方の親指が異常に曲がっていて どうしても草履が入らないのです。 僕が、どうにかわらじを履かせようとするとかなり痛そうにしていました。 心のなかではどうにか出演させてあげたいと思いつつも、これは駄目かもという気持ちが交差していました。 ついに 「すいません。どうしても入らないので、今回は…」 と申し訳なさそうに言うと、その人は残念そうにしていましたが 「大丈夫です」 と言ってくれました。 その時、 「ああ、この人はこの障害のせいで今までの人生でこんなこと何回も何回も経験してるんだろうな」とか 「いつものことだから気にしないで。諦めるのは慣れてるから」的なオーラがでていて、なんかグッときました。 そのまま、着替え場所まで歩いて帰り(そんな距離はないがこの人にとっては大変な距離) 写真だけ撮って欲しいと言われたので携帯で写真を撮って、着替えて帰ってもらいました。 正直、その時の気持ちというのは、その人がエキストラで参加するのをどれだけ楽しみにしていたかとか、 その人にとってこれに早朝から参加するのがどれだけ大変か。 そもそも、これに参加したいとメールを打つこと自体すごく勇気のいることなのに、 それをこんな形で俺は台なしにしてしまったとか。いろいろ考えて切なくなりました。 その数日後、そんなことは忘れて事務所で一人仕事をしていたら、電話が鳴りました。 忙しすぎて電話をとれずにいると留守電に切り替わり、 その障害者の人の声で、 「昨日は、ありがとうございました」(※かなり聞き取りづらかったですがおそらく) これを聞いて、なんか余計に切なくなり、こんな電話までしてくるってことはやっぱり、 すごい楽しみにしていたし、出たかっただろうなと思うとなんとも言えない気持ちになりました。 どうすればよかったのか未だにわかりませんが、僕の中ではなんか心に残る出来事でした。 |







