屠られ日記!

一言メッセージ :毒にも薬にもならない感想ブログ(主にマンガ、ラノトノベル中心です)

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惑星のさみだれ(8)

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南雲、白道がクラスチェンジ。9体目との戦いで太郎が犠牲となるが、10体目の最後の
一体を太陽が一人で倒し、クラスチェンジ。これで幻獣の三銃士が揃い、いよいよアニムスとの
戦いも佳境に!?そして成長してきた夕日の前に最大の試練が立ちはだかる!

惑星のさみだれ(8)
(著) 水上悟志 (ヤングキングコミックス)

『物語は終盤だ』

10体目の泥人形を撃破した茜太郎は、そこに居合わせたアニマにより幻獣の騎士『神鳥』となった。
11月初旬。ついに幻獣の三騎士も揃い出し、この戦いにも終わりが近づいていることを誰もが感じていた……。

え、まさか最終回?と思わずにいられない、全員集合の表紙がかっこよすぎますねぇ。なんだか本編を読む
前から胸を熱くさせられました『惑星のさみだれ』8巻です。いやね、この作品の感想を書くにあたっては本当に
悩むというか、書きにくいというか。だって純粋に『最高に面白かった』で読んだ人なら伝わるはずなんですもん。

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/71/c3/gtjttfg/folder/1462600/img_1462600_58783143_1?1258733634

…ともあれ何か書かないわけにはいきませんしね。さて毎巻がクライマックスのような怒涛の展開を見せて
きたこの作品もいよいよ本当のクライマックスが近づいてきたようで、今回は成長した夕日の前に立ちはだかる
最大の試練にあの人が!や微妙に風巻さんのターンだったり、白道さん可愛いよ!と見所はタップリなのです。

ここまで戦い続けてきた騎士たちを見れば、誰もがそれぞれの成長を遂げたのは言わずもがなでありますが、
そんな中でも、やはり今回は夕日に課せられた最大の試練にはグッとさせられたなぁ。いやー熱い!最高だ!

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爆釣で夕日のハートもゲットできるか!?

いつかは超えなければいけない師匠の……東雲さんとの戦い。いやいや夢の中とはいえ粋な演出だよなぁ
これは。無限の肯定からはじまる東雲さんのヒーロー理論に『ふぉぉ!』と心震わされかけたけど、最後に勝った
のは夕日の思考し続ける想いの強さ、なのかな。この夕日の成長が戦局にどんな影響をもたらすのやら……。

その他では、夕日とさみだれの野望を知ったうえで白道さんが夕日に告白をしたことでしょう。「捕まえて縛る
と書いて捕縛」と呟いちゃうS要素も備えてきた白道さん。基本的におっぱい大きくて可愛らしいお姉さんは大好き
なので彼女には幸せになってほしいですが、どう転んでも相手が夕日だと幸せになる絵が想像できない(泣)

最終決戦を目前として騎士団にも連帯感が生まれはじめて、ビスケットハンマーという絶望に捕らわ
れてきた彼らにとっても一筋の希望が見えはじめました。うん、ここに来てますます盛り上がってきたぞ。

獣の騎士団の未来は如何に――9巻にも期待ですぜ。

【評価:★★★★★★★★★★】

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釣りチチ・渚(1)

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父の仕事の都合で都心から引っ越してきた高校生・魚芽芯太(17歳)は、
女子高生釣り師・深海渚と出会い、釣り部に入部することに……江ノ島の美しい自然を舞台に繰り広げ
られる美少女釣りロマン、今巻は魚芽と渚の出会いから“釣り甲子園”参戦決定までを収録!!

釣りチチ・渚(1)
(著)  佐藤まさき  (サンデーGXコミックス)

釣りと掛けましておっぱいと説きます。そのこころは……男の浪漫

父の仕事の都合で転校を繰り返してきた魚芽芯太。ムッツリスケベが理由で女子に嫌われてる芯太だったが
転校先でムッツリ克服を誓っていた。そんな彼が出会ったのは、ものすごい巨乳の女子高生釣り師で……!?

かつて週刊ヤングサンデーで著者が連載をしていた『超無気力戦隊ジャパファイブ』の登場キャラクターの
一人「ジャパ・ブルー 」こと深海渚を主役にしたアウトドア系青春コメディ『釣りチチ・渚』1巻です。いやはや、
もんのすごい爆乳な渚さんに釣られたわけじゃないけど、意外や意外。結構、本格的な釣り漫画なのですね。

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『超無気力戦隊ジャパファイブ』は6巻ぐらいまで買ってそれっきりでしたが、当時から渚さんの巨乳っぷり
には「すげーなぁ」と思っていたもので、彼女の単体作品なんかも見たいな、と夢想していたらまさかの
釣り漫画で女子高生釣り師として復活したから驚きです。しかし巨乳女子高生釣り師って肩書きはすごいなぁ。

ひょんなことから釣り部に入部することになった芯太が、渚やその妹のしらすに釣りを教わりながら次第に釣り
の楽しさを知っていくというもので、湘南を舞台に佐藤先生自身も釣りを実際に楽しんでるだけあって内容に
説得力あるもんだから読む前の印象とは違い良くも悪くも本格的。読む前になにを期待してたかってそりゃねぇ?

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/71/c3/gtjttfg/folder/1462600/img_1462600_58779743_2?1258649472

釣り漫画でも目指すべくところは甲子園!?

渚さんの「釣」鐘型おっぱいが躍動するのは、舞台が動き出しそうな「釣り甲子園」からでしょうか。
はて、漫画で「甲子園」ってつくと終了フラグな臭いがプンプンしていやんな感じですが大丈夫……だよね?

さて、渚さんの活躍で印象に残ったのが、芯太に掛けられた下着ドロ疑惑を自らの下着を餌として犯人を釣ろ
うと「パンティールアー」なる技を見せたとこですよ。傍からみるとバカ丸出しだけどクールにこなしてるから格好
良く見えるんだぜ!いやー渚さんの釣りへの情熱とSっ気タップリな性格はこの1巻でも十分感じられました。

ほどよくエッチでおバカに、そして釣り漫画として決めるとこは決めてと掴みはOK。
あとは渚さんのきょぬーが万遍なく拝める釣りシチュエーションももっと見たいとこでありますね。

【評価:★★★★★★★☆☆☆】

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アイゼンフリューゲル

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アイゼンフリューゲル (ガガガ文庫)
著者/虚淵玄  イラスト/中央東口

高速レシプロ機エトピリカの操縦桿を握りながらカール・シュニッツは目を懲らした。大空の彼方に見え
たのは、眩いほどに輝く一対の翼。鱗粉のように撒き散らされる光の礫。それは、未だ人類が到達できな
い領域の存在――虹龍の雄姿だった。「彼らが舞うあの世界は、痛みも悲しみもない場所に違いない」
少年の頃からずっと……そしていまもなおカールはそう信じてやまない――。
これはまだ、龍の翼に神秘があった頃の物語。遙かなる神々への領域を目指した、挑戦者たちの記録。

●竜のように空を飛べるその日まで――

あらゆる無駄な鈍重さを排斥したそのシルエットは、もはや洗練、という言葉ですら言い表すには
生温かい。まさにそれは鋭利に研ぎ澄まされた『刃』にも似ていた。――そう、これは這々のていで風に
乗り、宙へと浮き上がるための機械ではない。文字通り風を切り裂き、空へと突き刺さっていくための『剣』だ。

シリーズ第一弾。
かつて龍の如く飛ぼうと、その領域を夢見て目指した挑戦者たちがいた――。『プロジェクト・ブリッツ
フォーゲル』の専属パイロット、カール・シュニッツは、鋼鉄の翼をもって空の神達の領域を目指すのだった。

虚淵玄&中央東口氏のコンビでおくる、空に自由と夢を求めた物語。虚淵玄氏の小説はこれが初めてだった
のですが、洗練されたハードな世界観と竜との『レース』で見られる、引き込まれる熱さはさすがといったとこ
ろでしょうか。ただその熱さの質も、主人公の過去などから“静かに燃え続ける炎”といった感じを受けたかも。

――短評――

飛行機バカに隠された過去、未知の領域を追求する操縦者と技術者たち。そして恋人クルツやかつての戦友で
あるゲプハルトのと関係など……それらをひっくるめてハードな男の世界を淡々と描きつつも、展開としては王道
的物語。けど見せ方が巧いので場面場面の(特に空を飛ぶ描写)シーンが恐ろしく高密度に描かれるんですよ。

竜たちとの戯れてるようにさえ見える空上の疾走感にも心躍らされたけど、かつての戦友であるゲプハルトと
の方向性の違いも興味深かったりします。2人の男の信念にはどちらが正しいとか間違ってるとかいえないだけ
になんともいえないんだけど、そんな男たちの信念さえ踏み潰すように戦争の気配がどうにもイヤ〜な予感。

全体的に地味というか、非常に“渋い”物語なんですよねこれ。最初はただの飛行機バカだとばかり思って
いたカールの過去には哀愁さえ感じたし。そして職人気質な頑固なオッサンたちがいい味出してるんだこれが。

しかしなぁ、このハードな世界観で不穏な展開しか想像できないんだけど、どうなるんでしょうね……。

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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君が僕を(2)私のどこが好き?

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君が僕を 2 (ガガガ文庫)
著者/中里十  イラスト/山田あこ

うちの近くのショッピングセンターに商売繁盛の神様“恵まれさん”がいる。いるっていうか同じクラス
の子で、さらに私と彼女は、女の子同士なのにつきあってるっぽい。彼女の部屋で、予想外の展開に
なってしまって、そのあととても気まずいのだ。そんなところへ、全く空気を読まないというか、むしろ
私と彼女の間をこんがらがせようとするとんでもない女が乱入してきた。私に無断で私の継母になった
(!)らしいその女がこっちに向かって言うことには、「私のどこが好き?」--ぶっコロス!

●「恵まれさん」は私のことが好き、なの?

この件は先が長いから、ひとまず棚に上げて、もうひとつ大切なことを指摘しよう。これは昔、
生身の私があなたに言ったことだけれど、もう一度。どんなシチュエーションであれ、どんな狙いであれ、
仮にも『私のどこが好き?』だなんて尋ねるからには、その人は、相手の好意を求めているんだよ。

シリーズ第二弾。
「恵まれさん」こと絵藤真名と、ただならぬ展開を経験してしまった淳子はその後の彼女と気まずい雰囲気に
なりながらも仲直りしたいと思っていた。そんなときに突然、継母となった女性ともひと悶着起こすのだが……?

主人公・淳子が22年前の中学三年生のときに出会った少女『恵まれさん』こと絵藤真名との出来事を回想す
る形で綴られる物語。前回と同様になんとも掴みどころがない作品ですねぇ今回も。感想が書きにくいなぁと
思っていたら、以前の感想でもやっぱり同じこと言ってますね(苦笑)うーん自分には難度が高いのかしら。

――短評――

この著者のどこか浮世離れした独特の雰囲気は好きなのだけど最近は百合作品ならストレートな愛情表現を
描いているものが好みの傾向もあってか、とことん全力で変化球をぶん投げた“捉えどころのない独特のクセ”
は前回以上なので、何度も頭の上に『?』マークが付いたりも。読み手の読解力を要求されるのは相変わらず。

読者としては淳子と真名のその後、今回で言えば「恵まれさん」の彼女と、その「執事」になろうとしている淳子
の関係に接点を絞って描いて欲しかったんだけど、全編に渡って継母との意味がありそうでないようなやり取り
を繰り返すばかりで、気が付けば今回も話の焦点をぼかされたような気分。いやほんっと掴みどころがないわ。

面白いかと問われたら首を傾げずにはいられないけど、エピローグでなーんかいい感じに二人が急接近する
ものだから目が離せない。散々、変化球を投げたあとに最後だけ剛速球。この落差はちょっと卑怯だと思う(笑)

好き嫌いがハッキリ分かれるのはしょうがないにしろ、だんだんと作品の敷居が狭まっている印象を受け
るのですが大丈夫……なのかな?さぁ続きはどうしましょうね。百合度が上がってれば手を出しますがさて。

【評価:★★★★★★☆☆☆☆】

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健全ロボ ダイミダラー(1)

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最終決戦兵器「ダイミダラー」のパイロット・真玉橋孝一はエッチな行為をしないと戦う力が沸か
ないのだ(嬉)!! それは人類と鳥類の、果てしなき小競り合いの物語。オンナの胸を揉み、オンナの
服を脱がして戦うダイミダラー!興奮、熱血、感涙、性欲。そのすべてが詰まった感動の1冊!!

健全ロボ ダイミダラー(1)
(著)  なかま亜咲  (BEAM COMIX)

ええぃ!乳を揉ませろ!さすれば勝つる!

おっぱいに夢中の高校生・真玉橋孝一はその身に未知のエネルギー『Hi-ERO粒子』を宿すファクターである
ことから、人類とペンギン帝国の戦いに巻き込まれる。孝一は地球を守るためエッチな行為をして戦う……!?

未だかつて、ここまでバカで下品でセクハラ三昧なロボット漫画があったであろうか。いいや、ないはずだ!
(当たり前だよ)おっぱい揉んで地球を守るスーパーロボット漫画『健全ロボ ダイミダラー』1巻であります。
いやぁこの無駄に昭和チックな雰囲気と、ここまでセクハラ行為を開き直って見せられると実に清々しいですよ。

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/71/c3/gtjttfg/folder/1462600/img_1462600_58771972_1?1258472411

ともあれ、バカ話とエロネタが塗り固められてるものの、意外にも真面目な熱血ロボ展開もあったりするのが
侮れないとこでありまして、希少資源である『Hi-ERO粒子』を巡り、人類と類との戦いに巻き込まれた孝一と
パートナーの恭子が、地球に侵攻してきたペンギン帝国打倒のため孝一が恭子の乳を揉むために頑張る物語。

科学的に乳揉みテクニックを教官からの指導によって学ぶことで「ダイミダラー」としての操縦士として成長して
いったり更には、特訓によるレベルアップでエロ刺激だけで、乳に触れずとも『Hi-ERO粒子』を一瞬でチャージ
したりするパワーアップシーンなど、見事に熱血ロボ展開+アホエロ要素を融合させているんですよ、これが。

http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/71/c3/gtjttfg/folder/1462600/img_1462600_58771972_2?1258472411

恭子さん健気(に乳揉まれすぎ)だよ恭子さん

そしてこの作品を(乳的な意味で)支えているヒロイン・楚南恭子さんのヤラレっぷりがこれまたナイス。
7歳年下の孝一に好き放題されまくりで最初こそ怒っていたものの、段々されても怒らなくなっているよーな…。
まいっちんぐな先生的な感覚なのか、2巻では『悔しい…でも、感じちゃう!』みたいな展開になるかもね!?

さて、敵側のペンギン帝国の輩も、股間の“前シッポ”をぶらんぶらんさせて実に卑猥。そんなペンギン帝国に
幹部として参入した色々とチートくさい能力を備えた少女・リッツと敵も然る者。一筋縄ではいかな過ぎです。

いいですね、自重しないおっぱいへのリビドー。確かに感じ取りました。
抜け目なくスーパーロボット系なノリ(演出)で展開してるので2巻では内容のほうにも期待。

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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黄色い花の紅

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黄色い花の紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者/アサウラ   イラスト/Bou

自衛手段として銃の所持が認められ、法の秩序が変化した日本。
工藤商会の白石奈美恵は府津羅組の依頼を受け、組長の令嬢・紅花を救助に向かう。
そこで遭遇したのは、異様な仮面をつけた大男だった。壮絶な闘争が続く中、必死に紅花を守る
奈美恵。その渦中にありながらただ守られるだけの紅花は、次第に自らも「力」を欲するように
なる…。銃を手にした紅花の未来に待つものは!?

少女がグリップを握る時、「力」を求める戦いがはじまる

「剣を持つ者は必ず戦う。銃を持てば必ず撃つ時が来る。
それは即ちお前か相手、どちらかが殺傷されることを意味する。戦う気がないのならこんなものは
必要なく、逃げやすいようにスニーカーを買うべきだ……お前はどうする、紅花」
「構いません。私は戦いたい。他者を押しのけられるほどの力を得られるというのなら、私は銃が欲しいです」

銃の所持が合法化された日本。府津羅組の令嬢・紅花は組織の争いごとに巻き込まれてしまい工藤商会の
白石奈美恵は紅花救助の依頼を受ける。しかし次第に守られるだけの彼女は自らも力を欲するようになり……。

第5回スーパーダッシュ小説新人賞大賞作品であるアサウラ先生のデビュー作品。2作目を先に読みました
が好みとしては断然こちらのが好きですね。百合描写は薄めながらも、知識のひけらかしとさえ思えてしまうほ
どの専門的な銃の薀蓄がもう圧倒的すぎ。もうここまでくると立派な個性として確立しているんじゃなかろうか。

――短評――

第一部は“大切な者を守る”奈美恵パート。そして第二部は“戦う力を欲する”紅花パート。戦う力がある
奈美恵と、ただ守られるだけの存在だった紅花による、大人と子供の2人の視点によって銃器まみれるバイオ
レンスな世界観。そして、そこはかとなく香る30歳×14歳の年の差な百合を感じる演出もかなりいい感じ。

2作目と違って、黒田みたいな紅花を導いてくれる男が傍にいるから、彼女が「力」を欲するときも銃を扱うことの
恐怖とか、人を殺すことの覚悟みたいなのをしっかり紅花に叩き込んでいたのもよかった。黒田が彼女の精神的
な成長に大きく貢献してたのは言うまでもないし、ある意味二部の裏主人公といっていい黒田が格好よすぎた!

数日で銃を扱い、最後の大決戦に至るまで急速に人として成長を遂げた、紅花の生きる姿には熱いものを
感じさせられました。惜しむらくは2部で奈美恵の出番がなかったのとやっぱり銃の薀蓄が多すぎなとこかな。

ともあれ著者の原点とも言っていい『百合×ガンアクション』という希有なこの作品を読んであらためて
アサウラさんにはこの手の作品をまた書いて欲しいと思った。『ベン・トー』しか読んだことない人も是非に。

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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あやかしがたり

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あやかしがたり (ガガガ文庫 わ 3-1)
著者/渡航   イラスト/夏目義徳

妖怪、もののけ、魑魅魍魎……「あやかし」たちが跋扈する、
その昔。江戸にて剣の修行に励む新之助は、剣の腕は抜群だが、心は内気な悩める若侍。帰郷の道中、
新之助は「拝み屋」と名乗る怪しい男・ふくろう、そして不思議な力を持つ娘・ましろと出会い、
一緒に故郷の山手藩に行くことに。しかし、藩には「あやかし」がらみの陰謀が起きていた……。
敵か味方かあやかしか、犬神、化け猫、呪術、剣術が入り乱れ、火花を散らす侍エンターテイメント、いざ!

●人と妖怪の狭間を一人の少年が切り拓く

「ちょっと待てこらぁっ!っつーか、ましろを
そんな目で見てるお前のほうが助平なんじゃないんですかぁ!この童女趣味っ!」
「はっ!残念でしたっ!あっしはもっとこうムチムチしたほうが好みなんですよっ!」
「ばーろーっ!俺だってぼいーんとしたほうがいいに決まってら!」

シリーズ第一弾。
江戸で剣の修行をしていた大久保新之助は、帰郷の途中で『拝み屋』を名乗るふくろうと奇妙な少女ましろと
道中を共にすることになる。しかし山手に戻った新之助を待っていたのは魑魅魍魎が跋扈した家督争いで……。

第3回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞作品にして時代活劇もの。最初は地味な印象も受けましたけど、
江戸時代を舞台にしているわりには主要人物たちの砕けた掛け合いも愉快だったし緊張感あるチャンバラシーン
も見応えあってお話のテンポもよく、非常に高い完成度を感じられたし思いのほか楽しく読めてかなり満足。

取っつきやすい時代活劇ノベル

時代活劇ものって括りだと堅苦しさ……というか、敷居が高いんじゃないか?と心配でしたが、ライトノベル的
なノリの和風エンターテイメントとして誰にでも楽しめる仕様になっていて、例えば新之助ら主要キャラの個性
的なキャラ付けだったり、人外ヒロインとのラブコメも完備されてたりするのがいい意味で“手堅い”んですよね。

かと思えば、いつの間にか蔓延ってる『あやかし』の不気味さと、ふくろうの胡散臭さがいい感じに物語に文字
通りのあやしい雰囲気を演出していたかな。まぁ師匠は怪しい臭いプンプンすぎてバレバレな感じでしたが(笑)

次は人外ヒロイン同士の主人公争奪戦もある?

人の世の家督争いに「あやかし」がうまく絡んできて新之助のどっちつかずな立場が危うい方向に刺客に狙わ
れていくんですが、徐々に人でも「あやかし」でも自分や大事な人を護るためには斬る行為を正当化しなければ
いけないツラさを経験していきますがその経験を得たからこそ最後の結末に繋がったのは安易ながらよかった。

そして一番印象深かったのが、普段は飄々としていながらも戦闘の際には残虐すぎる一面をみせたふくろう
がとにかく強烈。この男の正体も気になるところではありますが、新たに仲間になったクーデレ少女(違)と
ましろによる新之助争奪戦も楽しみなところですよ。いやぁ最後になってニヤニヤさせられて油断しちまったぜ。

ということで2巻も今月発売なので楽しみですね。

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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追想五断章

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追想五断章(集英社)
著者/米澤穂信   

古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。
依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。
調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。
二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?

●リドルストーリーに隠された真相は――

「旦那。あたしはね、あの気の毒な母親に罪があるとは思ってやしません。罪深いのは、あの娘でさあ」
「無垢なままでいられることが、罪だと思うのか」  「旦那」
「そういうことじゃない。あの娘はとっくの昔に、
すぐにも地獄に堕ちないのが不思議なほど、罪にまみれていると言っているんです」

叔父の古本屋でアルバイトをしている大学生の菅生芳光は、とある客の捜し物の依頼――亡き父が生前に
書き綴った結末の伏せられた五つの小説を探して欲しいと報酬に惹かれて請け負うことになるのだが……。

5つの小説(リドルストーリー)から徐々に真相が紐解かれていく、米澤穂信さんのノンシリーズ長編。ちなみ
にリドル・ストーリーとは、物語中に示された謎に明確な答えを与えないまま終了することを主題としたお話の
こと。作中でもリドルストーリーによる仕掛けによって物語は最後の最後まで読めないものになっておりました。

――短評――

結末をみるとブラックな味わいもあるけど、リドルストーリーが書かれた背景と二十二年の事件に隠された
真実を淀みなく解いていくことで、淡々と進行しながらもミステリーものとして純粋に楽しめたとこがあります。

“渋い話”を目指したというだけありどこか淡白さはあるが、父と娘の関係とその真実を知ってしまうと父親の
リドルストーリーという小説の形式でしか表せない心のやり場と、ある意味では最初から答えに辿り着いていた
といえる娘の気持ちを思うと遣る瀬無いものがあるけどやはりラスト一桁に父親の込められた想いを感じたりも。

黒すぎでもなく爽やかでもなくと、どこか結末を含めて物足りなさはありますがこれも著者の新境地とみる
べきでしょうか。相変わらず構成力やら筆力の巧さにいまさら疑うべきものもなく十分に面白いんですけどね。

さぁて、そろそろ積みっぱなしの『インシテミル』も読まないとなぁ……。

【評価:★★★★★★★☆☆☆】

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開設日: 2005/9/14(水)


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