大正野球娘。
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時は大正十四年、七月―洋食屋“すず川”の一人娘、小梅は東邦星華高等女学院に通う十四歳。良家の 子女が通う学院で、仲良しの“お嬢”こと晶子が突然、「一緒に野球をしていただきたいの!」と。な んとなく頷いてしまった小梅だが、九人集まるのか、道具は何をどう使うのか、ルールはどんなものなのか、 分からないことだらけで…。野球で女子は男子に勝てるのか?男尊女卑の世界に一泡吹かせたい、 大正時代の乙女たちの奮闘物語。 ●野球をしませう大正乙女 巴のように凛ともしていないし、お嬢のような華やかさもない。乃枝のような怜悧さも持っていない。
でも、いつもわっしょいわっしょいと生きている姿はとても可愛いし、人間味がある。この学校には 高級料理のような生徒が多くて、それに比べて屋台の食べ物のような小梅だが、人間最後に食べたく なるのはむしろ屋台の方ではないかと思うのだ。 大正十四年、良家の子女が通う学院で、友人である“お嬢“こと晶子から突然「一緒に野球をしてほしい」 と言われた小梅。野球のことをまったく知らないお嬢様たちが一から野球を始める、大正浪漫香る奮闘物語。 大正時代のお嬢さんたちが野球をするという発想は面白いと思うし 好きなんだけど、野球をすることになる動機が私的すぎてそこは好きじゃないかなぁ。 小梅の親友である“お嬢“こと晶子が、あるパーティーの席で無礼な輩を「野球で見返してやりたい」と 思い立ったのが事の発端。クラスの子達を巻き込んで人集めするのはいいんですが、どの娘さんたちも いい子ちゃんすぎて、誰一人波風ひとつ立てないのが友情ものとしてはちと物足りないものがあったかな。 大正乙女達のハイソな姦しさったら・・・ ただ、良家の子女達の中にあって庶民派主人公・小梅を中心に、「博士」こと乃枝や、武道少女の巴をはじめ とした個性的な少女達が各々の理由でメンバーとして野球に参加して、仲間達と友情を深めながら一つの 目標に向かって一致する姿は素敵だし、それを象る大正浪漫の風情溢れる背景はとても魅力的なんですよね。 下手な恋愛要素はいらないかなぁ 一応は恋愛要素もあって、小梅と許婚の三郎による付かず離れずの恋模様なんかはイジらしくて好みでしたけ ど、そこに小梅との求婚を求める第三者の介入に蛇足気味に感じた所が。後半はお嬢のことでなく「小梅の 恋愛沙汰を助けるため野球に勝つ」にすり替わってたような気がして釈然としないものがあったのが残念でした。 練習風景や練習試合での描写にツッコミどこはあるものの、そこは気にするほどでもなく和風ファンタジー(笑) と捉えれば問題ないでしょうし、こういう青春ものは本番よりそこに至るプロセスのほうが大事だと思いますしね。 本番の試合が待ってる次巻では、試合というよりも頑張る乙女達の姿勢に期待。 【評価:★★★★★★★☆☆☆】
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