ワタミの過労自殺
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ある工場で36協定の違反の残業が続いている話を聞いた。労働者が身体をこわし、次々と辞めていると…
本当に闘う労働組合が必要だ!
以下は、朝日新聞神奈川版の記事。
浅い眠りから覚めた。午後には本社で大事な企画案の発表がある。だが体が重く、起き上がれない。
横浜市の大堀竜哉さん(23)の「限界」は入社5カ月後の昨年9月にきた。
福島県の高校から同市の大学に進み、大手飲食チェーンに就職。入社後は埼玉県で店舗責任者になった。
週休2日で8時間勤務のはずだったが、実態は違った。特に多忙な週末は午前9時に出勤し、シフト管理などの事務をしつつ、食材の仕分けや調理もこなした。午前2時の閉店後も、社長訓示のDVDを見てリポートを書いた。寮の自室に戻ると朝5時過ぎで、シャワーを浴びて出勤した。数日寝ないこともあった。
先輩に相談すると「そういう会社なんだ」と言われた。指摘しても現状が変わるとは思えず、会社に居づらくなる。100社近くエントリーした就職活動の苦労が頭をよぎった。
眠れなくなり、医師に勧められ休職した。「あんなにがんばったのに、なぜ俺が」。悔しさが募った。
休職中、居酒屋「ワタミ」を展開する企業で入社2カ月で自殺した女性に労災適用が認められた記事を読んだ。「死ななきゃわかってもらえないのか」と身にしみ、2月末で退職した。
「会社は自分で選んだ。職業選択の自由はあったけど、体をこわして納税の義務も果たせなくなった。何がいけなかったのか」。今も自問が続く。
退職後、福祉の資格取得を目指して勉強を始めた。経験を生かし、若者支援に携わりたいと考えている。
文部科学省の統計では昨春卒業した大学生の就職率は過去最低の91%だった。
ワタミの労災問題で遺族代理人を務めた堤浩一郎弁護士は「就職難の中で入社直後の過労問題が深刻化している。社会の入り口が狭いことの裏返しで、きつい仕事にも耐えてがんばってしまう」と話す。 堤さんは父が戦死し、6歳から新聞配達を始めた。港湾荷役や鉄工所作業員も経験した。「生きるために必死だったが、努力は報われると信じられた。今の若者は未来に展望が持てず、ただ使い捨てられている」 労働分野で活動してきたが、裁判だけでは労働環境を改善できない限界も感じる。不払い残業がはびこり、非正規労働者は組織にも頼れない。労働者の休息確保を会社に義務づける法律や、過労死防止基本法の必要性を痛感している。
「ただ、労働者や労組が不正にノーと言う勇気と、それを後押しする社会を模索し続けなければ、どんな法律も抜け穴ができ、国民を守ってはくれないでしょう」
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000151205010004 それからワタミの過労自殺に関する東京新聞の記事
残業で不正手続き ワタミ過労死 労使協定形だけ 居酒屋チェーンを展開するワタミフードサービス(東京)に入社二カ月後に自殺した森美菜さん=当時(26)=が、長時間労働などを理由に過労死と認定された問題で、同社が労働基準法で定められた労使間の手続きを踏まず、従業員に時間外労働をさせていたことが、会社側への取材で分かった。手続きが形骸化すれば、経営者側の思うままに従業員側に長時間労働を強いることも可能だ。同様の違反はほかの企業でもみられ、専門家は「適正な手続きが担保されないと、過労死を助長しかねない」と警鐘を鳴らす。 この手続きは「時間外労働・休日労働に関する協定(三六(さぶろく)協定)」。厚生労働省労働基準局監督課は、ワタミフードサービスについて「適正なやり方とは言えず、労基法に抵触する」と指摘している。 労基法上、時間外労働は禁じられているが、労使間で三六協定を結べば認められる。三六協定を結ぶには、経営者側は店や工場ごとに労働組合もしくは、従業員の過半数の推薦で選ばれた代表との合意が必要となる。 ワタミフードサービスは毎年、「和民」など全国五百三十のチェーン店(四月一日現在)で三六協定を結んでいる。同社は労働組合が無く、協定を結ぶには、店舗ごとに社員やアルバイトの過半数の推薦を得た代表と合意しなければならない。しかし、実際は違った。 親会社ワタミの法令順守部門を担当する塚田武グループ長は「店長がアルバイトの中から代表を指名し、協定届に署名させている」と、手続きが形骸化していたことを認めた。 同社は全店の協定届に、従業員の代表を「挙手で選出」と明記していたが、塚田氏は「挙手している前提で記載していたが、実態として行っていなかった」と釈明した。 森さんが勤めていた神奈川県内の店では当時、月百二十時間まで時間外労働を認める三六協定が結ばれていた。ワタミは「次回の三六協定の更新時から、適正な手続きに改める」としている。 森さんは二〇〇八年六月に自殺。労災を認めた神奈川労働者災害補償保険審査官によると、月の時間外労働時間は厚労省が過労死との関連が強いとする八十時間を上回り、約百四十時間に及んだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012051702000216.html |