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倒産時の損害保険 人気商品に 損保 収入・リスクとも急増20090121FujiSankeiBusinessi.
景気後退で企業の倒産件数が増加する中、取引先が倒産した場合に生じる損害を補償する「取引信用保険」の契約依頼が、損害保険会社で急増している。中小企業を中心に、取引先の倒産で売上代金が回収できなくなる不安が、急速に高まっているためだ。ただ、経営環境が厳しさを増すほど保険金の支払いリスクも増大することになり、損保各社としては、手放しで「歓迎」するわけにはいかないのが実情だ。
取引信用保険は、保険に加入している企業が、取引先に商品を販売したものの、取引先の倒産などで代金回収の見込みがたたないといった場合に、一定額の保険金を保険会社が支払い、損失を補償する。契約成立には、取引先の財務状況や代金未回収のリスクなどを保険会社が事前に審査し、引き受けるかどうかを判断する。
契約者は卸売業者や製造業者が中心で、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおい損害保険など国内大手だけで、7〜8割のシェア(市場占有率)を占める。
米金融危機が深刻化した昨年9月以降、問い合わせや申し込みが急増しており、三井住友海上は、保険料などの見積もり依頼件数が前年から倍増した。同社は「取引先の倒産リスクに備えたいと考える企業が増えているようだ」と指摘する。
需要の拡大に伴い、収入も増大している。あいおい損保では10〜12月の取引信用保険による収入保険料が、前年同期に比べ20%増加したほか、損保ジャパンも08年度の収入保険料が、30%増まで拡大する見込みだ。同保険は契約を申し込んだ企業の取引先の倒産リスクが高まるほど保険料がつり上がる仕組みで、契約の増加だけでなく、保険料の引き上げも収益を押し上げた。
もっとも、急速な景気の悪化で企業の倒産は想定を上回るペースで増加しており、「(保険料の)引き上げが、倒産リスクの高まりに追いついていない」(業界関係者)のが実情だ。
民間調査機関の東京商工リサーチが発表した2008年の企業倒産概況(負債1000万円以上)によると、倒産件数は前年比11.0%増の1万5646件になり、03年(1万6255件)以来、5年ぶりの高水準になった。負債総額も同2.1倍の12兆2919億円で、戦後7番目の規模に膨らんでおり、企業の業況悪化を裏付けている。
損保各社にとって、保険は売れても、契約企業の取引先の倒産が増え続ければ、負担は増えるという皮肉な状況に陥る懸念は強い。このため、各社は取引先の倒産リスクの審査をより厳しくするなど、景気が悪化する中での引き受けには慎重姿勢になっている。(滝川麻衣子)
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