|
西松建設、産総研/工事濁水処理システム開発/薬剤使わずろ過、泥土を減容化20120201建設工業
西松建設と産業技術総合研究所は1月31日、建設工事で発生する工事濁水の新しい処理システムを共同開発したと発表した。ヤシ繊維やステンレスのフィルターによって、濁水をろ過処理。泥土は鉛直方向につり下げた特殊布材に充てんし、脱水する。凝集剤などの薬剤を使わないのが特徴で、従来のシステムに比べ、河川放流に伴う環境負荷が小さく、泥土を再利用しやすい。処理コストは従来と同等以下。装置や機器は従来の7割程度の規模に納まる。処理性能はモデル機で確認済み。実機レベルのシステムを構築した上で性能をさらに検証し、早期の現場導入を目指す。
工事濁水は、沈砂の後、ヤシ繊維フィルターを使った濁水処理装置での1次処理、ステンレスフィルターでの2次処理を行い、清濁分離装置を通してから河川などに放流する。モデル機による処理実験は、中日本高速道路会社発注の「第二東名高速道路相模川橋他5橋(下部工)工事」の現場で実施。1リットル当たりの浮遊物質量が3000ミリグラム程度の濁水を25ミリグラム以下に処理できることを確認した。
1次処理で浮遊物質量を1000ミリグラム以下に低減し、2次処理では高圧で通水し、さらにろ過を進める。2次処理では、フィルターの洗浄時に高濃度の濁水が混入するケースがあるため、レーザー濁度計や電動バルブで構成する清濁分離装置を後方に設置。任意に設定した濃度をクリアした処理水だけを放流し、設定値以上の水は自動的に1次処理に戻す。
処理の過程で発生する泥土は、袋状の布材に詰め、脱水剤や固化剤を使用せずに、再利用可能なレベルまで脱水・減容化する。凝集沈殿方式を採用する一般的な濁水処理システムは、ポリ塩化アルミニウムや高分子凝集剤を使うため、河川などの生物への影響が懸念されていた。泥土は、含水比を調整し、強度を保つことで、埋め戻し材や緑化基盤材に使用でき、産業廃棄物としての処理量を減らすことができる。泥土の脱水は、第4種建設発生土の要求強度(コーン指数=1平方メートル200キロニュートン)まで行えるという。
|