魚増ブログ

_さかなを増やしたいなら、放流の前にすべきことがあるはず・・・よりよい魚類増殖を日々探求中

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■4つの危機(4)外来種 密放流…生息40都県に ――いのちの環 生物多様性COP10(2010.5.27 読売新聞)
 
読売新聞(東海版?)でCOP10にあわせて連載されている記事の中で,コクチバスが取り上げられました。
実は,ここで使う写真に,私がコクチバスを抱えているものが使われるかも知れないとのことで,先日問い合わせがありました(肖像権等の関係で,本人かどうかの確認)。
そのとき「このコクチバスを持っているイケメンの男性は,淀さんですか?」と聞かれたのですが,掲載されたのは私の写っていない写真。やはり私はイケメンではなかったようです(笑)
 
イメージ 1
この写真は,この記事で書かれている,昨年秋に新たに見つかったという池(たぶん同じ池でしょう)で捕まえて標本にしたコクチバスです。中西研究員は目視だけだったのですが,それをこいつで確定しました。もちろん,目視でも彼なら見間違えることはありませんが。
 
ちなみに,コクチバスとオオクチバスの一番の識別点は,背びれの棘条部の形です。背びれの前半部,その名の通りトゲのようになっている部分です。これがオオクチバスでは2〜4本目が長くて,軟条部とつながる最後部のあたりの棘の長さが短く,全体として山なりになります(最長と最短の比率が2倍以上)。コクチバスは,上の写真のとおり,やまなりにならず,最短と最長の棘の長さの比は2倍未満(多くは1.5倍未満)です。
よく口の大きさの違いが書かれていて,名前にも「オオクチ」「コクチ」とつきますし,実際コクチバスの方が口が小さいのですが,オオクチバスも小さなうちは口が小さく,成長に伴って大きくなっていきますので,あまり口の大きさだけを信じていると誤同定します(体色も体形も違うので,知っている人が誤同定する確率はほぼゼロですが)。
 
まだコクチバスがこれほど拡大する前は,よく「川で口の小さなバスが採れた。コクチバスではないか?」と全国各地から問い合わせが来ましたが,大部分はオオクチバスの小型魚でした。
それが,最近では「コクチバスではないか?」という問い合わせのほとんどは本当にコクチバスなのですから,とんでもないご時世になったものです。
 
三重県ではため池の水を抜いてしまう方法で,コクチバスの根絶に成功していますが,中禅寺湖や本栖湖など,水を抜かずに根絶に成功した水域もあります。それらの成功例に共通する特徴は「侵入が確認されたその年度内から行政が動いた」「地元が協力した」の2点です。
「次年度に予算申請をしてから・・・」とだらだらしていて,繁殖させてしまうと手が付けられません。外来生物のやっかいなところは,「生物」ならではの「自己増殖能力」です。生物を取り扱う場合,そのことを十分に考えないといけません。
私は,目的の外来魚以外に,在来魚も,その他水生植物から貝類から水生昆虫から,何から何にいたるまでダメージをあたえてしまう池干しは好きではないので,池を干さずに駆除できる方法を模索していきたいと考えています。もちろん,それは時と場合によりけりで,特にコクチバスについては周囲の生物へのダメージよりも,とにかく迅速にその水域からコクチバスをゼロにすることが求められることも多いですから,それが水の抜ける池であれば,抜くべきだと思います。
 
記事のように,三重県ではコクチバスの生息地について,完全に秘匿していますので,私に問い合わせられてもお答えできません。悪しからずご容赦ください。

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