保全医学研究所

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2006年10月24日

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動物園における飼育下繁殖とその技術 (12)

人工繁殖

クローン技術 (2)

 野生ネコ科動物では、初めての体細胞クローン動物が2003年に誕生しています。↓
 "First kittens for cloned wildcats"
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4172688.stm

 これは、上記のAudubon Center for Research of Endangered Species とLouisiana State University の共同研究によるもので、リビアヤマネコの細胞核を猫受精卵の核と入れ替えて猫に卵管内受精したものです。細胞提供者のヤマネコは、1999年に同研究所で胚移植によって猫から生まれた個体でした。

 野生動物のクローン技術に関しては、家畜以上に多くの問題と障害があります。もっとも大きな問題は、レシピエントとなる動物の選択です。

 これまでの成功例は系統進化学的に近縁な家畜種をレシピエントとしたものでした。たとえば、ガウルは牛、ムフロンは羊、リビアヤマネコは猫でした。でも、家畜種と遺伝子レベルで近縁な野生動物は多くありません。

 同種を用いればこの問題はなくなりますが、繁殖生理が十分に解明されていて扱いが容易な野生動物の種は限られてきます。

 また、クローン動物作出は希少種の増殖や絶滅種の復元を主な目的とされていますが、個体数が限られた種では実験的に利用可能な同種のレシピエントを確保することも困難です。

 その他、希少種保全に必要な限られた予算、時間および人材を、一種もしくは一個体のクローン動物作出のために投入することに対する説明責任も求められるでしょう。

 野生動物のクローン動物作出には、以上のように克服すべき技術面、経済面および社会面での問題を含んでいますが、希少種の生息域外保全の一選択肢(オプション)として今後も何らかの研究は進められてゆくと思います。

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