あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。
3部作です。
『十年後の卒業文集』
高校の放送部で、アイドル的男子・浩一を、部内の女子全員が好きだった。
結局、カレを射止めたのは、美人の千秋。
時は流れ、10年後、浩一と結婚したのは、千秋でなく、同じ放送部の仲間、静香だった。
千秋は、数年前にあったプチ同窓会の日に、顔を10針も縫う大怪我をし、
そのときに浩一に「もう会わない」と行方不明に。
千秋の大怪我は、事故か故意か。千秋は今どうしているのか。
当時の放送部のメンバーに、夫の海外赴任につきそい、前回のプチ同窓会に出席していないアズが
手紙により、聞き出していく。
『20年後の宿題』
高校教師になった大場は、かつての恩師に、気になる6人がいるので
今、どう暮らしているか確かめてほしいと依頼を受ける。
恩師は、先日、定年退職し、今は大病で入院中。
恩師を元気付けるために、大場を6人に連絡をとり、そこで聞きえた情報を恩師に手紙で送る。
6人に話を聞いていくと、その6人は先生と一緒にピクニックに行き、
その日先生が事故で亡くなっているという。
その事故、6人の目線によって見解がかわっていて・・・。
『十五年後の補習』
中学時代の幼馴染でつきあっている純一と万里子。
結婚も目前という時期に、突然、純一が海外ボランティアに2年行くという。
実は、純一と万里子は15年前に、不幸な事故に遭遇している。
同級生の男子2人の諍いに巻き込まれて、それは事件に発展していた。
当の男子2名は、ひとりは事故死、ひとりは自殺。
事件の記憶をすっかり忘れている万里子は手紙で純一に問いかける。
突然の海外ボランティアの参加も関係しているのか・・・。
次第に万里子の記憶が明らかになり、真相が明らかになる。
メールではなく、文通したことありますか?
わたしは、中学の時、となり町の同級生や、当時好きだった高校生としてました。
ブログやメールでも自分を若干偽るかもですが
文通相手は、ターゲットが絞られていたり、タイムラグがあったり、
書くのにすごく時間がかかるのもあって、さらに作った自分になってる気がします。
言いたいことを誤魔化したり、聞きたいことを誤魔化したり。
湊さんらしい、どんでんがえしではありますが・・・。
ちょっとトリックは読めてしまいます。
で、湊さんは好き嫌いが別れる作家だと思いますが
この作品も嫌いな人が、恐らく鼻につく、週刊誌的な軽さもあります。
トリックげ繋げる強引さも。
わたしは、そんなに嫌いじゃなかった。
読みやすいし、あざといけど最後の「15年後の補習」は読み返しました。
似たような作品が多いけど、わたしは結局読まされているので、それはそれでスゴイ作家なのかも・・・と。
以下、ネタバレ。自分用メモ
『十年後の卒業文集』
これが一番早くオチが読めた。
結局、千秋がアズの振りして、みんなに「千秋がどしたのかしら?」なんて悪趣味な手紙を出し
聞かなくてもいい、自分の悪口を聞いてしまうイタイ話。
『20年後の宿題』
ダンナさんをピクニックの事故でなくした先生。
そのピクニックに行った6人の最近を大場が聞いてまわるのだが
最後のひとりが、実は大場が結婚を考えている彼女だった。
ピクニックがトラウマで、そのことを大場にさりげなく知ってもらうには・・・と先生に相談し
先生がひと肌脱いでくれたって話。
『十五年後の補習』
万里子は、同級生の一樹と、康孝のケンカの仲裁に入り、どちらからも疎まれていた。
ある日、康孝の策略で、小屋に一樹と閉じ込められる。
一樹にレイプされそうにった万里子は、一樹を殺害する。
そこへ純一が助けに現れ、一樹の事故死を偽装する。小屋に放火。
純一は、康孝に万里子が一樹を殺害するところをみていないか遠まわしに確認するが
康孝の態度に激怒し、小屋が燃えたのは、康孝のタバコの火の不始末だと証拠の品を見せる。
康孝は絶望と混乱で自殺。
万里子は、一樹を殺した後、気絶し記憶を失っていた。
真相は伏せられ、事故死と自殺で片付けられた。
万里子の記憶が戻るか見張るように寄り添った純一だが、それは万里子を守るためだった・・・って話。