鉄也の歌日記

西行さん、兼好さん、芭蕉さんを慕いて

鉄也の歌日記(4)

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京都紀行(続)

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(銀閣寺・東求堂遠景)

老学徒歩めば躓く銀閣寺敷石道に凹凸のあり

老学徒二人そろって京大の門をくぐれり京見物に

敷石に光と影を塗りこめて母艦の都市は秋に浮かべり

柿の実の色づくころは獺祭忌(ざっさいき=子規忌)また父の忌の近づきにけり

真夜中に目覚めておればおおかたは悲しき思い身にまといつく

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紀見逍遥(5)

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(秋の花・紫苑)

この秋も草丈高く風に揺れ紫苑の咲けりなだる荒れ地に

暇を得て女房孝行ところてん、かりんとう、また甘納豆

一匹の蟻さえ世界を見ているかわが細き目に映る地平の

給わりし梨と林檎と仏前に梨は母上林檎は父に

彼岸会に黒き小犬のたずね来てなにくわぬ顔で家族となれり

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紀見逍遥(4)

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(吉野川カヌー遊び)

庭の石置いては変える日永かな賽の河原の幼子のごと

給わりし吾娘(あこ)の黒酢のほろ苦く共に暮せし20余年は

給わりし鳥取みやげ梨二つひとつは仏前その甘き色

大いなる男二人が「おさかな」と「お」を付けて呼ぶ何びとぞなもし

「誰よりも誰よりも君」と言っていた振り返りみれば五十男に

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紀見逍遥(3)

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(南海高野線紀ノ川鉄橋)

大和より吹きくる風かセルフォン(携帯電話)の吾娘(あこ)の早口おしゃべりすずめ

70年ビリー・ジョエルの澄める声ニューヨーク秋の移ろい歌う

仲秋の渋谷に高く上る月夜明けの西に紀ノ川の月

大和なる「櫛羅(くじら)」の里は葛城のやまふところに海の風吹く

山田君明日(あした)は明日の風といえど今日吹く風のいずこへ流る

人の目を気にせず車中に化粧するおみなの顔はキャンバスのごと

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紀見逍遥(2)

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(女郎花咲きたる野邊を行きめぐり君を思い出たもとほり来ぬ 万葉集巻17)

真夜中の徒然草に忍び入れば法師かつ消えかつ現れり

風呂上り扇風機の風二階屋にチャイコフスキー第五番かな

山田君萩咲く家を訪ねませ夜を明かして世間話を

目の前を塵のごと浮くアキアカネひと恋しきや秋ちかみかも

今の世は養殖マグロのIDを人もぶらさげ持ち歩くなり

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Hara Tetsuya
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