- 風のゆくえ - another version.

この言葉が、この過去が。 風に乗って誰かの心に届きますように・・・。

中学生時代。

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俺の中学時代 - chapter 36-

そして この学校生活、この山の中で、この桜の木の下で、このメンバーで
最後の春を迎えることになった。

あの頃の四人の関係は、本当に澄み切った綺麗な色をしていた。
汚れない、お互いにお互いを赦せる関係だった。

俺とアケミの関係は変わらないままだけれど、それはそれでよかった。
変わらない関係を続けることの方が、大事な気がしたから。

そうして、修学旅行の5月を迎えた。
担任のせーちゃん、校長を抱えての旅行だった。

フェリーに乗り、神戸港から、奈良、京都、USJを回る予定だった。
ワクワクドキドキ、とまではいかないが。
何か楽しい事が起きないか、と期待していたのは、きっと俺だけだったのかもしれない。

そんな気持ちを一人抑えながら、寝る前のミーティングと言うか
翌日の予定の確認をする為の個室の中で、せーちゃんが呟いた。

『実はー、このクラス・・に、修学旅行後に転校生が、二人来るんや。
 一人は、タケルの昔の友達。もう一人は、全く知らない女の子。』

その瞬間、皆『マジっすか!?』
と、喜びのリアクションを示す俺たちを横目に

『ってか・・なんで今更??』と、アケミが呟いたのだ。

せーちゃんは気付いてなかったが
俺はアイツの意味深な態度が、その言葉が気になって仕方なかった。

8時半を回って、個々の部屋に戻る際に
アケミから『ちょっとツラ貸せ』
と、いつものごとく後ろ襟を掴まれ、アケミの個室まで連れて行かれる。

ドアをゆっくりと閉めた後に
『さーて、何からサシで話をしましょうかね?』と、ベッドに座るアケミ。

俺は靴を脱いでカーペットを敷いてある床に座り
安っぽいクロスを貼ってある壁に背中を押し付け

『何でも聞きますよ。大体さっきのリアクションでわかりますから。』
と、わかった『フリ』をした俺。


すると開口一番、アケミが

『あのね。やっと4人でさ。仲良くなって?ぼちぼちやれてるわけやん。
 しょーみ不必要なわけよ。確かにあたしらが居なくなって。
 今の一年が居なくなっていったら。廃校だろうね。』

『あー・・そっちか』と、思ってうんうん、と頷いてみる。

『だからさー。別にアタシらが卒業してから廃校でも、別にどーでもいいわけよ。
 転校生とか入れるなっての。誰が一番気を使わなければいけない訳?アタシ以外誰がいんの?』

無駄に落ち着けなくなったのかは解らないが、急にテレビをつけて音楽番組を見つめる。

すまないが、落ち着かないのは俺も一緒なんだ。

いくら気心知れている異性とはいえ
そいつの部屋に入って同じ時間を共有する事自体、慣れてない。

『あの、一番気を使ってんのは、俺だと思いますが。』

ポカリスエットを口に含んだ後に、アケミの目を見て言ったのだ。


アケミはしばし考えた後に
『・・・まあ、アンタにもイロイロあるからね。彼女の事とかね。
 残念だよね〜今此処にいるアタシが彼女さんだったなら、したい放題してたんでしょ?』

俺はすぐに
『だから違うって!アイツはただの友達!彼女じゃねえよ!!
 しかもしたい放題ってなんだよ!俺はそこまでバカじゃねえ!!』

そうムキになって否定をする。

するとアケミの思う壺なわけだ。

『だから、ムキになったって誰もアンタの彼女なんか奪いませんからー。
 あたし女好きになる趣味ないからね。
 したい放題の意味が分からない?やりたい放題って事よ〜。』

微炭酸ピーチを飲みながら、俺を横目にニヤニヤ笑う。

『しつけーな。アイツは彼女じゃねえよ。別にお前が信じないならそれはそれでいいけど
 仮にアイツが彼女なら、俺はお前の部屋に入らないね。
 ただでさえ、お前を異性として見てんのに、更に意識しなきゃいけなくなるだろ。』

と、真面目な回答をして、立ち上がってドアノブに手をかけたときに。


『いやいやいやいや!! わかったわかったわかったってば!!
 なっ? なっ?? もーっちょっと、暇つぶしに付き合えよ。』

と、アケミに肩を掴まれる。

そうして時計の針は9時を回り、10時を回り・・・

結局、俺がアケミの『しょーもない暇つぶし』に付き合わされて

男3人の二段ベッドに入り込む事が出来たのは
11時を回っていたことは、俺とアケミしか知らないのだ。


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かっち
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