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■何が凄いか?:ライブドア定額公衆無線LAN参入■

世の中で一度立場を確立すれば、とても儲けやすいビジネス。それはインフラビジネスです。電話のNTT、新電電、ドコモ、au他、カード決済のNTTデータしかり、書籍流通のトーハン、ニッパンしかり。

こうしたビジネスは多額の初期投資が必要ですが、一度立場を確立すると、そのインフラシステム確立コストの大幅な低下がない限りは、他社の参入が困難となる=超過利潤を得やすいビジネスです。

携帯電話は儲けすぎと言ってたホリエモンは、この点を良く理解して今回の「公衆無線LANビジネスに参入」したのでしょう。

ホリエモンが上手いのは、こうした目の付け所だけではなく、

(1)競合候補となる企業を上手く押さえ込んでいる
(2)既存ビジネスと相乗効果が望める形にしている
(3)自社の投資額を抑える工夫がある

という点でしっかりと工夫をしていることです。

(1)競合候補となる企業を上手く押さえ込んでいる


こうした多数の消費者向けインフラサービスを立ち上がる際に鍵となるのが、ブランドと有料会員数です。この2つを保有している代表的な会社は、Yahoo! BB、有線電話系(NTT、KDDIなど)、携帯電話系(NTTドコモ、auなど)、公共サービス系(電気、ガス)です。

この中で、Yahoo! BBや有線・携帯電話系企業は、家庭での使用も可能な固定料金無線LANへの参入は、現在の自社のビジネスに深刻なダメージを与えるため参入しにくいというのが本音です。特に投資資金の回収も出来ていないYahoo! BBにとっては悪夢です。

これは技術革新をフルに活用することで、既にインフラを構築してしまった既存企業の強みを弱味に転換する戦略です。Yahoo! BBが得意としてきた戦略で、

Yahoo! BBにすれば、今まで自分が武器としてきた戦略をLivedoorにやられたというところでしょうか。


一方で、公共サービス系である東電は、まだまだ通信インフラ事業者としては弱い立場にいますので、Livedoorの今回の打ち手に対しても失うものがないためガチンコで勝負が出来ます。

東電とLivedoorのガチンコ勝負となれば、その桁違いのブランド力と有料会員数、そして巨額の資金をもってすれば勝てはしなくとも、Livedoorが苦戦することは間違いないでしょう。ところが、東電は今回の件でLivedoorと組んでしまっています。

つまりホリエモンは、今回の東電との提携により競合候補を上手く押さえ込むことに成功したのです。


(2)既存ビジネスと相乗効果が望める形にしている


当然ですが、ポータル事業で重要なのはサイトの訪問者数です。訪問者数さえ増えれば広告料と言うことで収入が増えるため、各ポータルは無料サービスを各種提供して訪問者数を増やそうとするわけです。

今回の無線LANでは、「会員登録をしなくても、無料で取得できるlivedoorIDを持っていれば、検索や地図、ニュース、グルメ、路線案内といったライブドアポータルの一部サービスは、無線LAN対応PCなどの機器を使って誰でも無料で利用できる。」(CNET Japan 2005/06/15)となっています。

こうなると、LivedoorのIDを持つことや、Livedoorポータルを利用するインセンティブが大幅に上がりますので、このサービスを提供するとこで、

かなりの数のLivedoor会員の獲得と訪問者数の増加をLivedoorは見込めるでしょう。


その結果、インフラサービス参入によりLivedoor訪問者数が増える>Livedoorのポータルとしての価値は上がり広告収入も増える>インフラサービス内容を拡充できる>利用者が更に増えるという、成長のスパイラルに入る可能性が高まります。

この無線LANビジネスへの参入は、単なる新ビジネスへの参入だけではなく、既存ビジネスの活用と成長に大きく寄与するためでもあるのです。


(3)自社の投資額を抑える工夫がある


インフラビジネスを実現するために必要な大きな投資はブランドとインフラへの投資です。しかし、多額の投資は収益を圧迫しかねませんから、こ成功するためには投資額の抑制が不可欠です。ここでもLivedoorは上手い工夫をしてます。

まずブランドと言う意味では、IBM、東電、フジテレビという超が付くほどの有料ブランドを取り揃えました。勿論、いまやLivedoor自身も有名ではありますが、'信頼と言う意味ではこうした企業ブランドの補完は心強いでしょう。

次に、投資額ですが、東電と組むことで電柱という既存インフラが活用できるため、携帯電話やPHS事業者が苦しんだアクセスポイント設置コストを大幅に引き下げることに成功しました。

こうして、Livedoorは。ブランド構築とインフラ投資額を大きく引き下げる算段をつけることに成功したので、価格引下げ余力が出て、「初期費用1050円、月額525円の定額使い放題」という驚異的な価格の提示が出来たのです。


詳細はまだまだ見えてきませんが、現段階で分かる範囲で見る限りは、戦略として良く出来た良いプランですね。時間があれば、明日このビジネスをLivedoorが成功させる上での課題について考えて見たいと思います。

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