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2005年4月19日

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■フジテレビの罠?:増資に隠された一文■

先ほどのエントリーを終えて、お気に入りのblogを回ってたところ、「株は世につれ、世は株につれ」さんのエントリー「これから、これから」が気になりました。また、私のblogによくコメントをくださるnebokehimeさんからも同じようなことについてコメントが入っています。

それは、今回の「ライブドア・フジ和解案に関する開示」の中(P4)にある一文についての指摘です。

「資本参加の内容:証券取引法に基づく諸手続きを経て、フジテレビはライブドアが実施する第三者割当増資を引き受ける予定です。基本合意された第三者割り当ての内容は下記のとおりですが、払込期日までに実施されるフジテレビによるライブドアのデューディリジェンスの結果によっては、当該内容は変更または本資本参加は中止される可能性があります。」

簡単に言いますと、フジテレビがライブドアの中身を見て正当な価値を判断する、そしてその判断次第で発行価格の条件を変更したり、資本参加自体を中止する可能があるということです。

こうしたことから、nebokehimeさんはライブドアの決算内容に疑義があると訴えている山根さんのblogを引き合いに出されているのだと思いますし、「株は世につれ、世は株につれ」さんは「フジテレビによるデューディリジェンス(適正評価手続き)で難癖を着けられる可能性がもあります(以下略)」と書かれているわけです。

これに対する私の見解は、ちょっと異なります。

同合意書のP3にある「(1) ライブドア・パートナーズの全株式のフジテレビへの譲渡」を見てください。

ここに、「本株式譲渡は、後述の「(2) フジテレビによるライブドアへの資本参加」がなされることを前提として実行されます。」と書いてあります。つまり、

フジテレビがデューデリの結果として発行価格に難癖をつけたとすると、ライブドアは「ニッポン放送株式をフジテレビに売却することをやめる」といえる立場にいるんですね。


一方で、フジテレビとしては何が何でもニッポン放送を取り返したいわけですから、

フジテレビがデューデリの結果に基づいて、ライブドアに対して、増資条件に難癖をつけたり、結果としてからの増資を引き受けないという選択肢は実質上とりえないと思います。


デューデリをする以上はフジテレビはライブドアに対して守秘義務をおいますから、「デューデリの結果、ライブドアに不正が見つかった!」なんて報道をフジが出したり他社に出させたら、フジテレビ及びフジテレビがデューデリを依頼する証券会社また別の問題を抱えることになります。(特に証券会社はもう信頼されなくなりますからM&Aに絡めなくなって大変です)

こうしたことから、私は

「払込期日までに実施されるフジテレビによるライブドアのデューディリジェンスの結果によっては、当該内容は変更または本資本参加は中止される可能性があります。」

は、通常の増資引き受けで入れる一文として入れているだけではないかと思っています。デューデリもしないで440億円もの増資を引き受けたら、フジテレビの役員が「注意義務違反」で訴えられかねませんからねぇ。

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■ライブドア・フジ和解案:ライブドアは満足■

本当にライブドア・フジテレビ和解案の発表がありましたねぇ。発表の概要は、前日の報道と同じものでしたが、詳細が発表されましたので、昨日挙げた2つのポイントからの評価と、更に昨日忘れていたポイントからの評価をしてみます。

発表の概要は、ご存知の通り

(1)ライブドアが保有するニッポン放送株式全てをフジに売却(価格は6300円/株程度)
(2)ライブドアがフジテレビに対して400億円程度の第三者割当増資を実施
(3)ライブドアとフジテレビの業務提携については両社による委員会を設置して今後も継続的に協議していく

でしたね。

そして私が前日挙げたポイントは

(A)業務提携に関する委員会の前提と権限
(B)ライブドアが手にする1400億円以上の資金の使い道に対する制限の有無

です。そして本日これに加えたいポイントは

(C)フジテレビが保有することになるライブドア株の売却制限条項

です。(いやはや、何でこれを昨日忘れたんでしょう。お恥ずかしいです。)ライブドアにとって最悪の事態は、業務提携の議論が進まない中で、フジテレビがライブドアの株式を市場などで売却してしまい、ライブドアとの業務提携を推し進める動機を無くすということです。

ライブドアとしては、業務提携の話について決着がつくまでは、フジテレビにライブドアの株式を保有し続けてもらう必要があります。


さて、(C)を追加したところで、(C)も含めた3つのポイントから今回の和解案を見てみましょう。

(A)業務提携に関する委員会の前提と権限


この件で分かってきたのは、

・今後6ヶ月程度をめどに結論を出す
週1〜2回のペースで開催される
・メンバーはライブドア、フジ共に数名で既に選定済み

ということです。この情報だけでは、両者の経営陣が入って議論するものでもなければ、その議論の結果に責任を持つ必要もない委員会にみえますねぇ。委員会の結論として「業務提携は出来ない」が許されるようにみえますし、委員会が下した結論が両社の実質上の経営判断となるものとは思えません

唯一、ライブドア側から見て正解かなと思うのは、委員会で議論する期間を「6ヶ月」と明示したことです。


(B)ライブドアが手にする1400億円以上の資金の使い道に対する制限の有無


ここで大切なのは、今回獲得する1400億円の資金の用途に制限があるかどうかですが、「第3者割り当てで調達した資金で企業買収を行うのか。」という記者の質問に対して、

「基本的にはインターネット・ポータル事業に関連した投資に当てようと思う。別のM&Aに当てることも考えたい。」(ライブドアニュース)

と答えていますので、

1400億円の資金の用途には制限がないようですね。


この点について言えば、あとは、ライブドアによるフジテレビ株の購入について制限がなければ、ライブドアにとっては満足がいく状況ではないでしょうか。

(C)フジテレビが保有することになるライブドア株の売却制限条項


やはりこれはありましたね。当然といえば当然ですが、今回の和解案最大のポイントだと思います。条件をまとめてみますと、

・フジテレビはライブドアの第三者割当増資にH17.5.23付けで応じる予定
・フジテレビは購入したライブドア株を原則としてH19.9末まで売却しない

ということです。

つまり、フジテレビはライブドア株を最低でも2年間以上保有する義務があるわけです。


(総論)


今回の和解の大まかな評価は、以下のポイント毎に見た点からライブドアにとって一方的に有利なものとは言えませんが、まぁ、満足いくものだと考えます。(願わくば委員会の位置づけをもっと明確かつ強いものにしておきたかったでしょうが)

(A)で議論の期限を「6ヶ月」と切ったこと
(B)で1400億円の用途に制限がないこと
(C)でフジテレビはライブドア株を最低でも「2年間」は保有しなくてはならないこと

もう少し、具体的に言いますと、上記の(A)(B)(C)の組み合わせにより、

(1)2年間は保有しなくてはならない400億円の株式価値を下げるようなこと(=業務提携は出来ないという結論を委員会で出すこと)は、流石にフジテレビといえども難しい
(2)今から6ヶ月たっても委員会の議論に何も進捗がないようであれば、ライブドアは、今回手に入れた1400億円の資金を使ってフジテレビ株の購入を開始することも可能になります。そしてその際に、対抗手段としてフジテレビがライブドア株を売却することは少なくとも1年半は出来ない
(3)上記のような状況が予想されるため、ホリエモンが嫌いだからという理由で、委員会で単なる時間稼ぎをするわけにはいかない

となると予想されるからです。

ホリエモン(FAの日興?)やるなぁ

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