不確実性のもとでどのような決定を下すべきか(1)
|
先日の「温暖化懐疑論者の再反論が出たよ 」の記事で、不確実性のもとでどのような決定を下すのが合理的かちらっと説明したが、今回はそれについてもう少し詳しく説明しよう。
前回は天気予報と傘の準備のたとえ話をしたので、今回もそのたとえを使って説明してみよう。
朝、駅で天気予報を見ると、夕方の降水確率は50%だった。今は雨は降っていない。傘は持っていないし、もし傘を買うなら今しかない。傘を買わずに雨が降った場合、自慢のコートがずぶ濡れになり、2000円のクリーニング代がかかってしまう。傘は500円で売っているが、雨が降らなかったら丸損だ。また、傘を持っていたとしても、雨が降ればズボンのクリーニング代として500円かかってしまう。 さて、あなたならどうする?
このような場合、損失がどのような場合にどの程度になるか、表にして書き出してみると良い。
今回の場合、次のような表ができる。
傘を買わず、雨が降らなかった場合は当然損害額は0円、また雨が降ってしまった場合はクリーニング代2000円がかかる。 傘を買って、雨が降らなかった場合は傘代として500円、また雨が降ってしまった場合は傘代500円+クリーニング代500円がかかる計算となる。
これを一般化すると、以下のように書ける。
ここで、AおよびB2はそれぞれ予防策をとらなかった場合ととった場合の損害額であり、またB1は予防策を取るのにかかる費用となる。
次に、この表を元にして後悔度の表を作る。後悔度とは、結果的に選択を誤ったことによって損をした額だ。「傘を買ったのに雨が降らずに傘代損したよ」とか「傘を買わなかったら雨が降ってクリーニング代が余計にかかってしまった」などがこれに相当する。
傘を買わず、雨が降らなかった場合は後悔なしで0円、また雨が降ってしまった場合は、コートのクリーニングにかかった費用2000円から、もともと必要だったズボンのクリーニング代として500円と使わなかった傘代500円を引いた額として1000円がかかる。 傘を買って、雨が降らなかった場合は必要なかった傘代として500円、また雨が降ってしまった場合は後悔なしで0円がかかる計算となる。
これを一般化すると、以下のように書ける。
つまり、傘を買わずに雨が降ると1000円分の余計な支払いに後悔し、傘を買って雨が降らないと500円分の余計な支払いに後悔することになる。雨が降る確率は1/2だから、傘を買わなかった場合は1/2の確率で1000円損し、傘を買った場合は1/2の確率で500円損することになる。 ここまで説明すれば傘を買うべきかどうかおわかりだろう。この場合、傘を買った方が損をした場合の後悔度が少なくなる。 一般的な形に書き直すなら、後悔度A-B1-B2とB1を比較し、低くなる方を選択することになる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
