エコカーへの買い換えのベストタイミング:CO2編
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先日、プリウスの燃費計算をした際に、プリウスでどの程度CO2排出を抑えられるかを紹介した。そこではプリウスの二酸化炭素排出量削減効果が41%にもなりうることが示されていた。このデータからは、車を購入する際に一般の車とプリウスのどちらを選択すれば二酸化炭素排出量削減に繋がるかを知ることができる。ただし、ここで注意してほしいのは、これだけではいつ買い換えればいいのかを知ることはできないということだ。仮に現在は燃費の悪い車に乗っており、プリウスに乗り換えたいと考えていたとしても、ただちにプリウスに買い換えた方が良いのか、それともちゃんと現在の車を乗り切ってから買い換えた方が良いのか、どちらが二酸化炭素排出量削減に繋がるかはわからない。なぜなら、CO2は走行するときにのみ排出されるわけではなくて、車の製造や廃棄の段階でも排出されるからだ。例えば、10年10万キロで買い換えた場合よりも、5年5万キロで買い換えた場合の方が、10年間で見ると車1台製造・廃棄するのにかかったCO2が余計に排出されるわけだ。
そこで今回は、一般の車からプリウスに乗り換える際、いつ買い換えれば二酸化炭素排出量削減に最も貢献できるのかを考えてみることにする。
始めに仮定として、現在は燃費13.7km/Lの車(対照車とする)を購入したばかりとする。また、この車と、プリウスの二酸化炭素排出量はこのページに従うとする。
さて、まずは極端な例から計算してみよう。もしまったく買い換えることなしに10年10万キロ走行した場合、CO2排出量は
(対照車の製造・廃棄時のCO2排出量)+(対照車が10年10万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)
となる。それぞれの値をグラフから読み取ると、およそ4.3、17.7トンとなる。合計して22トンだ。
一方、対照車を買って、それに乗ることなしにすぐにプリウスに買い換えた場合(ありえないが)、CO2排出量は
(対照車の製造・廃棄時のCO2排出量)+(プリウスの製造・廃棄時のCO2排出量)+(プリウスが10年10万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)
となる。数値としては、4.3+6.5+8.0=18.3トンとなる。
次に、5年5万キロだけ対照車に乗り、あとの5年5万キロはプリウスに買い換えて乗った場合、CO2排出量は
(対照車の製造・廃棄時のCO2排出量)+(対照車が5年5万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)+(プリウスの製造・廃棄時のCO2排出量)/2+(プリウスが5年5万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)
となる。ここでプリウスの製造・廃棄時のCO2排出量を2で割ったのは、プリウスには10年乗り続けると仮定し、プリウスの製造・廃棄時のCO2排出量を10年の均等割りで配分したためだ。数値としては4.3+8.85+3.25+4.0=20.4トンとなる。
具体的な計算方法がご理解頂けただろうか。では次に、これを一般化する。T年T万キロで買い換えた場合、CO2排出量は
CO2排出量=(対照車の製造・廃棄時のCO2排出量)+(対照車が10年10万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)*T/10+(プリウスの製造・廃棄時のCO2排出量)*(10-T)/10+(プリウスが10年10万キロ走行した時のCO2排出量、メンテナンス含む)*(10-T)/10
となる。具体的数値を当てはめると、
CO2排出量=4.3+17.7*T/10+6.5*(10-T)/10+8.0*(10-T)/10=18.8+0.32*T
となる。CO2排出量が最小になるのはT=0のときとなる。つまり、ただちに買い換えた方がCO2排出は最小限になるわけだ。
これは、この式の意味を理解することで納得出来ると思う。上の式は以下のように書き換えることができる。
CO2排出量=定数+(対照車が10年10万キロ走行した時のCO2排出量-プリウスの製造・廃棄・10年10万キロ走行時のCO2排出量)*T/10
つまり、プリウスの製造・廃棄・10年10万キロ走行時のCO2排出量と対照車が10年10万キロ走行した時のCO2排出量を比較せよ、ってことだ。前者が小さいならただちに買い換えた方がCO2排出が少なくて済むし、後者が小さいなら今の車を乗り続けた方がいいということになる。まあよく考えてみれば当たり前だが、ここまで来るのに結構時間がかかってしまった。
さて、プリウスと対照車との比較が出来たところで、次はもっと一般化してみよう。一般化するために必要なデータは、前の式からすると、対照車の10年10万キロ走行した時のCO2排出量、乗り替え予定車の10年10万キロ走行した時のCO2排出量、乗り替え予定車の製造・廃棄時のCO2排出量となる。このうち、前の2つはほとんどガソリンの燃焼によるものなので、燃費のデータがあれば簡単に算出することができる。ガソリン1L当たりのCO2排出量は2.32kg/Lなので、10年10万キロ走行時のCO2排出量は以下のように算出することが出来る。
10年10万キロ走行時のCO2排出量=2.32*100000/燃費(km/L)
問題は車両の製造・廃棄時のCO2排出量だ。プリウスの場合はこのデータが既に出ていたのでそれを使えば良かったのだけれど、全ての車種についてこのデータが出ているわけではない。だから、自分で推定するしかない。幸い、日産自動車では複数の車種についてのCO2排出量が出ているので、これを参考にする。ここで凄く大雑把な推定をするなら、車両の製造・廃棄時のCO2排出量は車両の重量に依存すると言える。もちろん車両の材質や組み立ての質等にも依存するだろうが、最も重要なのは重量だと思う。実際日産の車両の比較をみてもだいたいそうなっている。先のページのデータを元に、車重から製造・廃棄時のCO2排出量を算出する推定式を以下のように書くことができた。
車両の製造・廃棄時のCO2排出量=車重(kg)*3.1+2600
結論
これらの式を使って、買い換えた方がいいのか、それとも今乗っている車に乗り続けた方が良いのか判断することができる。
M1:買い換え予定車の燃費(km/L) M2:現在の車の燃費(km/L) W:買い換え予定車の車重(kg) とすると、 CO2排出量の差(kg)=232000/(M2-M1)-W*3.1-2600 この値が正なら買い換え、負なら乗り続けた方がCO2排出量の削減に効果的であると言える。
ただし、簡潔さを優先させたので、あまり正確ではない。おそらくプラスマイナス1000くらいの誤差は生じるだろう。また、古い車は廃車になることが前提となっているので、中古車市場に出回るような程度の良いものだとその辺りも考慮しなければならなくなってくる。これは今後の課題ということにしておこう。
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