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ディック・フランシス『侵入』&『重賞』

血祭りです。
←いきがかりでロボゲイシャになってますが、そのうちまた変えます。


侵入 ディック・フランシス 1985
イメージ 1

ここからディック・フランシス3連発行きます。
1962年から始まるブリティッシュ・ミステリー最高峰と呼ばれる
通称『競馬シリーズ』。
毎年1作づつ継続して書かれていたものが、作者の高齢化により今世紀に
入って途切れるものの、2006年からは息子との連名で復活。
すべてが競馬にまつわるサスペンスなので敬遠する人もいるかもしれない
が、イギリスの競馬は日本のように汚いオヤジだとか、ブームに乗った
女たちのものではない(これ偏見ですかねえ(笑))。
どの作品でもいいから読めばわかるけど、イギリスでは貴族などの上流
社会、もしくは真の男がたしなむものが競馬なのだ!
だから、むしろ日本の競馬好きの人よりも、何も知らない人の方が入りや
すいかもしれない。

30代の男性主人公が事件に巻き込まれて、悪人に肉体的・精神的な苦痛
を与えられるが、それを克服して反撃し、後味のいい結末を迎えるという
のが、シリーズの大体の骨子。
割と分かりやすい悪人が複数出てくるのも大きな特徴。
そこに最新のトピックスを交えてマンネリを防いでいるところは、いわば
イギリスの『こち亀』といったところか(我ながら違う気もする)。
そんな恐ろしくレベルの高いシリーズの70年代、80年代、90年代の
ものをピックアップして取り上げる。

主人公は年間チャンピオンにもなったことのある騎手。
彼の妹は敵対する一家の息子と結婚して今は夫婦で厩舎を営んでいるが、
新聞の中傷記事によって経営危機を迎えてしまう。
果たしてその情報を新聞社にリークしたのは誰か?
妹夫婦の危機に主人公は立ち上がるが、彼も敵の罠に落ちてしまう。

80年代の円熟期の作品だけあって、プロット良し、キャラクター良しで
巨匠ならではの安定感を感じる作品。
あまりにも揺るぎないので、面白かった以外の感想が書けないのが難点で
すな(笑)。

★★★★


重賞 ディック・フランシス 1975
イメージ 2

上の『侵入』が善良な調教師とその仲間が悪辣な馬主を懲らしめる話だと
したら、こっちは逆に悪い調教師の悪事を小金持ちの馬主が暴くお話。
長年調教師に無駄な金を使わされていたことに気がついたスコットは、
その調教師に絶縁を食らわせる。
復讐に燃える調教師はスコットの馬を駄馬とすりかえるという凶行に及ぶ。
スコットは仲間と共に愛馬の奪還を画策する。

仲間たちとの絆がとてもさわやかな作品。
初期の作品なのでページ数も手ごろで、後のシリーズよりも緊密度が高い。
主人公の手作りの玩具発明家という設定も興味深い。

★★★★

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