酒井先生講演会「脳はどのようにことばを生みだすのか」(091025)
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東大の酒井先生は物理学専門でしたが言語に興味を持たれて スザンヌさんのMIT言語・哲学科訪問研究員を経て、今に至っております。 それは、理系、文系を超えて”人間の科学”として学んでいかなければいけない、と思ってらっしゃるから。 さて、10/25、11/1の2回の講演会は、酒井先生のご厚意により、東大駒場キャンパスで行われました。 「脳はどのようにことばを生みだすのか」 第一回「ことばのふしぎ」 バベルの塔で神様は人間のことばを分けた、と言われていますが、 有名な問いがあるそうで。 Q「火星人が人間の言語を調べたら?」 火星人回答は・・「人間は同じ言語である。」と結論づけるでしょう。 =普遍文法(以前ブログの記事に載せましたよね)があるから。 普遍文法=基本構造(フラワーモデルの、真ん中)は普遍、共通なもの。 つまり「人間語」・・「人間のことば」しかない。さかっちゃんが言っていたことですね。 外国語はただ「人間語」のバリエーションでしかない。 物理では「思考実験」というのがある(頭で考えて結果を予想する)。 生物学者:人間の言語の起源を調べ、それは人間の祖先のネズミに言語の原始的枠組みがあるのでは、 と仮定したがるが、 言語学者の中には、それは本筋ではない、という考えがある。 酒井先生は、サルなどには言語的能力があるだろう、と思っていたけど、 言語学に触れてから、言語は人間独自のものだと考えるようになったそうです。 それは脳にヒミツがあるだろう。 動物の言語は外にあるものに対してのみなされるであろうが、 人間は、言語で思考する。 さて、チンパンジーに手話を教えると、 「ちょうだい、オレンジ、私、ちょうだい、オレンジ、・・・」と単語の足し合わせである。 ことばを覚え始めの人間は同じ状態だけど、 そのうち「私はオレンジを食べたい」となる。 つまり、人間の言語には文法がある。 「言語の骨(法則性)」 語順や、動詞と目的語がはじめにくっつく(意味を成す)ということが普遍的なモノ。 単語を取った「骨」に意味がある。 これはチョムスキーが50年前考えたこと。 どっかの国の歌に、どんどん歌詞が足されていくものがある。 これは ジャックの 建てた 家に 置いた 小麦を 食べた ネズミを 殺した ネコを いじめた イヌ ・・・・・・ と延々長くなるのだが、 この様に、人間の言語はいくらでも長い文章が作れる。 言語の本質は、いくらでも創造的に長い文が作れる。 上記の文の場合、「これは」をさすものが、名詞、つまり「イヌ」であることは明らかである。 以上が「再帰的な言語の骨構造」 再帰的とは、自分に帰ってくる、どんどんつながる 骨が人間の言語の構造 なので 「これ」が何を指すのかが、図を見れば一目瞭然。 これを人間の脳は自動的にやっている。だから、簡単に「これ」をさすものが判る。 このツリー構造があるので、どんなに長い文をつけても意味が判る。 =可能無限 (無限にすることが可能) 人間は無意識にツリーを作っている。すべての言語がこの構造を作っている。例外なく。 この骨が最も見えない構造。家を増築するように脳の中でやっている。 再帰的計算の典型例:マトリョーシカ 入れ子のもの 音楽では、ベートーベンの「運命」 言語と同じくツリーが作れる。 ベートーベンは無意識にこれを作り、聴き手はこれを感じる。 <言語と数学、音楽の共通性> ・人間に固有な「再帰的計算」が、数学的法則の発見や作曲に必要とされる。 ・仮説その1:数学や音楽の能力は言語能力を前提とするのではないか? ・仮説その2:脳の「文法中枢」で共有して処理されているのではないか? ・言語の抽象化は生得的だが「数」や「音」の概念の抽象化には教育が必要。 ・したがって数学や音楽には個人差があらわれる。 (でも教育以外の資質ってのがあるんじゃないかと思います。) ・「天分」を持った子供には、適切な環境によって才能が自然に(=母語)発揮される。 <脳の発達と母語の段階的獲得> 一般的に2歳頃で単語、3才頃で2語文、3歳以上で文章を話す。 脳の成長度合は2歳頃で60%、3才頃で80%でしょうか?そして12歳で100%となり、そこは感受性期の終わり。 また、2才?が歌い始める時期。 母語の獲得には1〜3歳が重要だが、脳にことばが刻まれながら、脳が大きくなる。段階的に言語を獲得する。 さて、<聾の乳児が示す手話の「喃語」> 両親が手話で会話をする家庭の10〜14か月の乳児が、ことばの獲得と同じように、手話で喃語を話すというケース。 つまり、自然に、自発的に複雑な手の動きをするそうです。 <聾児の手の動きに手話のリズムあり> 聾児の手の動きは、聴児の手の動きに比べ、ゆっくりなデータがとれました。 てのも、手話をするにはゆっくりでなければ判らないから。=ただ動かしてるのでなく、手話してる。 <手話を生みだしたのは10歳以下のこどもたち> ニカラグアでは、手話はありませんでした。 口話法でスペイン語が教えられていました(手話が禁じられていた)。 ところが!子供たちが放課後、手話を始め、完成させてしまいました. マイム(パントマイム?)がクレオール化した 子どもは文法をもつ言語を創り出す能力がある 10歳以下の子が考えて上級生に教えている。 つまり、言語を作りだすことは、最も原始的な能力。 「ボールが転がり落ちる」を手話を作ってみましょう。 大人はジグザグに手を動かす。 が、10歳以下のこは、丸を書いて、下向きの直線であらわす。 ジグザグに動かすのはジェスチャー 子どものは手話 ジェスチャー:様子と経路を同時に表現する 手話:様子と経路を順に構造化して表現する。 どんな風にどうだった、を構造化して表現する。 言語のツリーとおんなじ。 手話は共通ですか?とみなさん初めに思われますが、手話も多言語(国によって違う)です。 でも、上記のように自然言語なんです。 <手話が自然言語であることの証拠> 1.手話には音声言語と同様に語順があり、文法構造を持つ。 2.手話は乳幼児が母語として獲得できる。 単語:言語の本質でない(大人の決めごと。コンピューターはコンピューチャーとは言わない) どう単語をつなげるか:乳幼児でもできる。 3.左脳の損傷で音声言語と同様に手話失語が起こる。 4.手話に伴う脳活動は、基本的に音声言語と同様である。 脳の領域で、英語でも日本語でも同じ場所が使われる。=普遍文法は脳にある! 大人が英語を習うと、習いたてのときは脳の広い領域が使われるが、なれると狭まる。 <脳の言語地図> 文法はブローカ野、文章理解はその近く。 単語、音韻(アクセント、子音、母音)は聴覚に近いところ。 <酒井先生が学んだこと> ・異分野の研究を通して「サイエンス」はやはり1コのものであると確信した。 ・海外の文化やくらしにふれて「人間」はやはり同じであることに気付くのと同じ。 ・全く違う様に見えることの問いに共通性を見出すのは究極の醍醐味。 (ホントですよね〜) 「サイエンスは一つのものです」 物理学をやるにしても他の多くの部門の知識が必要です。 自分の専門以外のことをちっとも知らなかったために回り道しちゃうのね〜(書ききれなかった) by寺田寅彦 酒井先生はとても分かりやすく、笑いもありの、お話の上手な方でした。 |





物凄くお久しぶりです。
私も、脳科学の講演に参加する予定でしたが・・・
主人と娘2人が体調を崩し聴講することが出来ませんでしたぁ。。 (>_<。)
最近、もの凄く興味を持っていた分野だけに・・・ぜひ参加したかった!!
当日の雰囲気を感じられて嬉しかったです。
有難う御座いましたっ☆
2009/11/9(月) 午前 0:01
お久しぶりです!ご家族の体調は良くなられました?
さて、酒井先生2日目は行かれましたか?私は地元の行事で行かれず・・
2009/11/13(金) 午後 3:43 [ hip*ono*ab* ]