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以下の記事を日経メディカルのブログに投稿しました。
経カテーテル的大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve insertion: TAVI)の無作為比較試験を主導し発表したことにより当科チーフのDr. Smith、循環器内科教授のDr. Leon(写真)を始めとした当院のチームは大きな脚光を浴びています。
ご存知の通り、TAVIの大きな特徴の一つは、外科と内科が協力して実施するということです。スポットライトの当たる上記の2教授を現場で支える実行部隊は両科の混成ですが、僕自身の立場は3番目の外科医(といってもトップのDr. Smithはほとんど実効には当たらないため、実質二番手となりましょう)であり、この技術の素晴らしさを目の当たりにしてきました。超高齢者で再手術症例や低心機能症例といった外科医にとっては難症例がさくさくと片付けられていきます。不明な長期成績とか脳梗塞の合併率とかの課題はありますが、大動脈弁疾患治療の将来を担っていく技術であることに間違いはないと思われます。ヨーロッパではどんどん臨床使用が進められており、僧帽弁への応用も早い時期から見受けられています。日本でも積極的に取り入れるべきでしょう。
外科医として、もう一つの発見は前述のようなハイリスクの患者さんがかなりの手術侵襲に耐えうるということです。TAVIとAVRの比較試験に参加し、手術に振り分けられた多くの患者さんを執刀する機会がありましたが、当たり前の手技を丁寧に行なえば、余力のなさそうに見えた方々でも元気に快復されます。これはDr. Smithが比較試験結果の発表時に強調していた通りです。
さて、TAVI実行部隊の一員として小耳に挟んでいるトリビアをいくつか報告します。ただし、真偽のほどは定かではないので、噂ばなし程度に留めておいて下さい。
PARTNER2 trialが計画されています。対象患者を外科手術の中程度リスクまで引き下げるとのこと。現在手術を受けている患者の内リスクの高い方1/3程度がターゲットとなるようなデザインとのこと。いよいよ本丸に切り込むということでしょう。
血栓塞栓症から脳血管を保護するデバイスの開発が進められています。内頚動脈ステント時に使用されるdistal protection deviceと同様のコンセプトです。
Edwards SAPIENの弁サイズは23mmと26mmのみですが、他のサイズも追加されるようです。また、カテーテルの小口径化も進められています。現行サイズと小口径カテーテルの比較もPARTNER2の一部となるようです。この辺りの技術進歩は日進月歩となりましょう。
呼び名ですが、TAVIではなく、transcatheter aortic valve replacement: TAVRをこの技術の保険上の呼称として提唱するだろうとのことです。従来の外科的AVRと同程度の技術料を請求できるようにするための処置だとか。今回の表記はよく通っているTAVIで統一します。
実施医の資格に関する検討がされています。指定修練施設での3ヶ月以上の研修が義務付けられるとの噂です。この資格に関わらず、心臓外科医の中にもカテ室でのトレーニングを積む外科医が増えてきました。TAVIを含めたカテーテルインターベンションの流れに乗り遅れないようにしようとする若手外科医の意図が見て取れます。
アメリカでは本年末頃の保険認可が噂されています。Medtronics社のCorvalveの臨床試験も始まりました。本格的なTAVIの時代の到来です。
日本もこのイノベーションの臨床応用に参加し、さらにはリードしていきたいものです。それには多くの若手医師が積極的に貪欲に技術を吸収すること、更にそこから自分なりの考えを巡らせることが肝要となりましょう。
最後にもう一言。自分の生まれ故郷が未曾有の大地震に襲われ、異国に暮らす僕の元にもその被害状況が刻々と伝わってきていた3月の末頃は、自分の国のために自分がどの様に行動すべきか、大いに悩みました。家族を始めとした日本にいる同胞の苦しみを分かち合っていないことへの自責の念もありました。僕なりの結論は、募金をすることと、今いる環境で地に足を着けて地道に仕事するということでした。アメリカにいる日本人の僕が日本人として考えて行動することが日本の役に立つのか全く分かりませんし、そんな大それた思惑もありませんが、これでやっていこうと思っています。日本の皆様、頑張って下さい。一緒に頑張りましょう!
(写真)
Transapical AVR手術を施行中の循環器内科医Dr. Leon (左後頭部)と心臓外科医Dr. Williams(右後頭部)。外科医が開胸し心尖部を露出した後、内科医がカテーテルを操ります。
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現状に満足している者は追い抜かれる心配で守りに入るが、現在のレベルに満足しないで向上を目指す者が上司になった場合、自分の持っている知識や技術の全てを後進に伝える。すると、全員が活力あり,日々楽しい職場の雰囲気となる。
2011/6/16(木) 午前 8:16 [ mar**aka43 ]