海洋戦略研究

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『新しい労働社会』

 濱口桂一郎『新しい労働社会−雇用システムの再構築へ』岩波書店、2009年、700円+税は、日本の労働社会全体上手く機能させるため、どこをどのように改善していくべきかについて、現実的で斬新的な改革の方向を示そうとしている。
 サービス残業、日雇い派遣、ワーキングプアといった問題点が大きく報道されるようになると、労働問題を冷静に議論する土壌がなかなか構築されず、ややもするとセンセーショナリズムに走る結果となり、かえって解決すべき問題の本質を隠すことになりかねない。
 雇用スステムは、他の部分と深く関わり合い、一つのシステムをなしている。部分部分の改善は、常に全体像を意識しながら行われなければ、部分最適の罠に填り込見、合成の誤謬の結果となりかねない。
 また、雇用システムは、法的、政治的、経済的、経営的、社会的などの様々な側面が一体となった社会システムであらい、崩壊赤口額や理論経済学なそ特定の学問ディシプリンに過度に捕らわれることは、議論としては美しいが、現実には適合しない処方箋となりかねない。
 このため全体としての現実適合性を担保するのは、国際比較の観点と歴史的パースペクティブである。空間的時間的広がりの中で現代日本の労働問題を考えることで、まともな議論を展開することができるとしている。
 世界的に通常は、雇用契約で職務内容を明確に定めて、その範囲内の労働についてのみ労働者は義務を負うし、使用者は権利を持つという考え方であるが、これに対し日本型雇用システムの特徴は、職務という概念が稀薄なことにあり、雇用契約それ自体の中には具体的な職務は定めていないことにあって、いわば雇用契約の法的性格は、一種の地位設定契約或いはメンバーシップ契約と考えられるという。
 日本方雇用契約システムの特徴とされる長期雇用制度、年功賃金制度及び企業別組合は、すべてこの職務のない雇用契約という本質からそのコロラリー(論理的帰結)として導き出される。
 ここから説き始め、問題点を指摘し、働くことが得になる社会、そして産業民主主義の再構築を訴えている。
 雇用契約をメンバーシップ契約という視点で解きほぐしていく様は目から鱗である。
 雇用システムを考える上で勉強になります。お勧めします。

註:濱口桂一郎『新しい労働社会−雇用システムの再構築へ』岩波書店、2009年、700円+税
  「クリティカル チェーン」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/60379013.html
  「こんなに使える経済学」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/54623249.html
  「若者を見殺しにする国」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/54596813.html
  「パラサイト虐待」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/54577579.html
  「部分最適から全体最適へ」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/25116159.html

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