海洋戦略研究

軍事戦略、管理思想、情報、金融経済、国際情勢、ロジスティックス、IT技術等を考察、良質な軍事、管理、情報知識の提供を目標!

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2010年6月9日

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『危険不可視社会』

 畑村洋太郎『危険不可視社会』講談社、2010年、1500円+税は、人間と人工物(機会)の関係が変わってきて新たな危険が生まれ、「安全」を絶対視するがゆえに、「危険」が隠され、そのためかえって潜在的な危険性が増してるという考えから、「危険学プロジェクト」を立ち上げ、その「危険」の話を纏めている。
 危険地図を作って危険を可視化して、危険を避けることを考えることが目的となっている。
 制御システムの組み込みソフトはまだ未成熟な分野で、ブラックボックス化して、制約条件が分からないままロジックをいじると思わぬ事故や、トラブルが起きる可能性があるという。
 遊具事故から遊具が絶滅していくが、そうではなく「制御された危険」な遊具を開発する必要性を説いている。
 クイーンズ大学のジェラルド・J・S・ワイルド名誉教授の「リスク・ホメオスタシス理論」は、安全になったがゆえに高まる危険もあり、機械やシステムがどんどん安全になると、それに頼って行動する人間の活動分野は広がり、そのことで逆に危険に遭遇する確率が高まるという。
 どんなに進歩した安全装置を装備しようと、どんなに改良しようとも、規制、安全基準を強化しても、「事故率はそれほど変わらない」という。「変わらない」と予測している事故率は、総体的なもので、個別的に見れば、安全技術の進歩によってある種の事故は確実に減るが、新たな危険による事故が増えるというものである。だから総体としての事故は減らないというわけである。
 このリスク・ホメオスタシス理論を背景に危険を説明している。
 それで致命的な危険を回避して、制御された危険に変えていくことが重要である。
 危険について考えさせられる本である。

註:畑村洋太郎『危険不可視社会』講談社、2010年、1500円+税
  「失敗知識データベース」http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search
  「危険学のすすめ」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/44583206.html

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ホワイトハウス名物記者引退へ

 米国ケネディ政権以降、ホワイトハウス記者会見上最前列で歴代大統領に最初に質問したりして、取材を続けてきたホワイトハウス担当最長老名物女性記者ヘレレ・トーマス氏(89歳)が、5月27日他の記者のインタビユーに対し、「(イスラエルのユダヤ人は)パレスチナから出て行きなさい」、「ポーランドでもドイツでも、どこでも帰ればよい」と再三答えたことが物議を醸した。トーマス氏は、この発言について、「深く後悔しているなど」と謝罪声明を発表したが、米国内で大きな反響を呼び、非難が続いた。その結果、7日引退となった。
 レバノン系移民を両親に持つトーマス氏は、名物記者として自信を持って、本音で話したのであろう。それが政治的な真実である建前、公平さが失われたと非難を浴びたのであろう。
 イスラエルがNPT会議等で米国とホワイトハウス間で摩擦が高まるにつれて、イスラエル・ロビーも、マスメディアの一部ユダヤ支援勢力も、ユダヤ人団体も、敏感となり、これを奇貨として米国世論に影響を与えかねないとして追放したようである。
 同時にガザ支援船拿捕事件でも摩擦が高まっているので、オバマ政権に対する牽制の意味もあるかもしれない。
 去った人は過去の人となり、今は誰が最前列中央に座るかが取り沙汰されている。

註:「89歳名物記者、舌禍で引退」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100609-00000046-san-int
  「ヘレン・トーマス」http://ja.wikipedia.org/wiki/ヘレン・トーマス
  「米イスラエル対立?」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/61218791.html
  「ユダヤ金融システムはなぜ崩壊したのか」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/60596585.html
  「アメリカ経済のユダヤ・パワー」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/50732371.html

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仏ミストラル級揚陸艦露に売却問題

 8日マカロフ・ロシア軍参謀総長は、フランスからの購入交渉が行われているミストラル級強襲揚陸艦について、日本の北方領土を含む千島列島の防御をするために不可欠との認識を示したという。
 インタファクス通信によると、マカロフ参謀総長は、「千島列島では必要なときに上陸部隊を急派できる移動手段が必要だ」と述べた。
 ロシアは、フランスからミストラル級4隻を購入する交渉を進めている。1隻当たりの価格は6億ユーロ(約653億3300万円)と報じられている。
 マカロフ総参謀長の発言は極めて政治的なもので、黒海・バルト海、北極海沿岸諸国の反対を宥め、購入をしやすくするためのものである。
 それらの国々は、フランス売却反対の申し入れなどをしているので、フランスが売却しやすいように千島目的極東配備だという口実を与えているのであろう。
 まして日本は、何もしないし、これほど言われても、何もしないで黙っているので安心して当て馬に使えるということであろう。
 揚陸艦は、たとえ極東に配備されたとしても、北極経由で欧州に緊急配備は可能である。
 むしろ岡田外相は、マカロフ発言でフランス政府にミストラルをロシアに売却しないように申し入れるべきである。併せてロシアに日露友好のためにも北方海域での軍備増強に反対を申し入れるべきである。
 なお、フランスなど欧州諸国は、ユーロ危機で手っ取り早く稼ぐため武器売却を急いでおり、今後は中国に最新兵器を売却することが予想される。
 申し入れをしないのであれば、あるいは、しても無視されれば、自衛隊の北海道配備を増強すべきであろう。

註:「露の新型揚陸艦『北方領土向け』」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100609-00000045-san-int
  「仏武器輸出過去最高に」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/61107512.html
  「仏ミストラル級揚陸艦露に売却」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/61077898.html
  「北極利権争奪戦」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/59540575.html

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中国、北朝鮮密輸船銃撃抗議

 4日未明、鴨緑江中朝国境付近で中国密輸船が北朝鮮の警備艇に銃撃され、3人が死亡、1人が負傷した事件に関して、8日秦剛中国外務省報道官が定例記者会見で事実を認め、北朝鮮に異例ともいえる正式抗議に踏み切ったという。
 秦報道官は、「事件発生後、中国側は事態を極めて重視し、直ちに厳正な申し入れを行った。事件は現在調査中であり、関係部門が適当な時期に発表する」と明らかにした。
 中国は、口で言うほど、北朝鮮に厳しくはないようである。第1、4日の事件を8日の定例記者会見で発表するくらいである。しかも、厳正な申し入れであり、外交官を呼びつけたわけでもない。
 事件がばれたので、北朝鮮を叱っておきましたよというジェスチャー程度であろう。
 
註:「北国境警備隊『密輸』の中国人射殺 中国、異例の正式抗議」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100609-00000049-san-int
  「北朝鮮、中国密輸船銃撃」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/61491167.html
  「朝鮮半島緊張?(5)」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/61468707.html
  「中国、中朝国境封鎖準備完了?」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/60614106.html

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