『危険不可視社会』
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畑村洋太郎『危険不可視社会』講談社、2010年、1500円+税は、人間と人工物(機会)の関係が変わってきて新たな危険が生まれ、「安全」を絶対視するがゆえに、「危険」が隠され、そのためかえって潜在的な危険性が増してるという考えから、「危険学プロジェクト」を立ち上げ、その「危険」の話を纏めている。 危険地図を作って危険を可視化して、危険を避けることを考えることが目的となっている。 制御システムの組み込みソフトはまだ未成熟な分野で、ブラックボックス化して、制約条件が分からないままロジックをいじると思わぬ事故や、トラブルが起きる可能性があるという。 遊具事故から遊具が絶滅していくが、そうではなく「制御された危険」な遊具を開発する必要性を説いている。 クイーンズ大学のジェラルド・J・S・ワイルド名誉教授の「リスク・ホメオスタシス理論」は、安全になったがゆえに高まる危険もあり、機械やシステムがどんどん安全になると、それに頼って行動する人間の活動分野は広がり、そのことで逆に危険に遭遇する確率が高まるという。 どんなに進歩した安全装置を装備しようと、どんなに改良しようとも、規制、安全基準を強化しても、「事故率はそれほど変わらない」という。「変わらない」と予測している事故率は、総体的なもので、個別的に見れば、安全技術の進歩によってある種の事故は確実に減るが、新たな危険による事故が増えるというものである。だから総体としての事故は減らないというわけである。 このリスク・ホメオスタシス理論を背景に危険を説明している。 それで致命的な危険を回避して、制御された危険に変えていくことが重要である。 危険について考えさせられる本である。 註:畑村洋太郎『危険不可視社会』講談社、2010年、1500円+税
「失敗知識データベース」http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search 「危険学のすすめ」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/44583206.html |


