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現代は希望をもちにくい世の中だという人もいます。
私はどんなことがあっても、世の中のせいや他人のせいにすることは
好きではないのですが、昨今の世の中には、人々が短絡的に考え、
希望を失い、すぐにあきらめてしまうように誘う要素があるのかも知れない、
と考えることがある。
それは多様な価値観を認めない社会であるとか、人々の置く価値観が多分に
金銭的・物質的なものへの比重が大きくて、人間と人間のかかわりへの配分が
減ってきたことにも起因するのだろうか。社会の雰囲気、教育のあり方などにも
関わってくるのだろうか、などと考えていると、膨大な要素の前に立ちすくむような
思いもしてくる。
ただ一ついえることは、我々はすぐにあきらめてはならないのだ、ということ。
私が英語を教えている中学生、高校生たちにもたびたびいっています。
「人間が生きているのはなんでだと思う?俺が思うのは可能性を見つけるため。
どんな人にも生きている限り可能性がある。晩年のお年寄りにも可能性はあるんだが、
特に若いお前たちにはもっともっと大きな可能性がある。それを見つけるためにみんな生きている。
俺にもお前たちよりも年齢のせいで小さくなってるけれど、それなりの可能性は絶対ある。
きっと死ぬまでその可能性をみつけてゆくんだろう。だからあきらめちゃいけないんだ」
こんななことをいうとき、私は彼らに言い聞かせるというよりは、むしろ自分にも
言い聞かせているのですが、ふとある歌を思い出しました。
“Don’t give up”
イギリスのロック歌手、ピーター・ガブリエル(英語の発音は「ゲイブリエル」が近いでしょう)の歌。
これはガブリエルと、美しい歌声で知られる女性歌手、ケイト・ブッシュのデュエットで、
彼が1986年に発表したアルバム ”SO” の中に収められています。
デンゼル・ワシントン主演の映画「ボーン・コレクター」でも使用されたとか。
(私は観ていないのですが)
当時大学生だった私は、この歌を聞いてとても強い印象を受けました。
失業し、社会から完全にあぶれてしまった男性の境遇をガブリエルが
淡々と唄います。それに呼応してケイト・ブッシュが「あきらめないで」(Don’t give up)と
勇気付けるように、そして優しく繰り返す。
程度の差こそあれ、どんな人の人生にも、希望を失いかける時期があるのではないでしょうか。
そんなとき、この歌のように、誰かが寄り添っていてくれる人がいればいいな、と思います。
もし誰かが希望のない状態にいれば、私が寄り添いたい。
そして私が希望を失いかけたとき、だれもいなければこの歌を思い出すことにしよう。
20年ぶりにじっくりこの歌を聴いて、そのようなことを思いました。
(以下日本語の歌詞は私の拙訳)
Don’t Give Up
In this proud land we grew up strong
プライドの高いこの国で、僕らは強くなれと育てられた
We were wanted all along
そういう期待を背負わされた
I was taught to fight, taught to win
戦うんだ、そして勝つんだと僕は教え込まれた
I never thought I could fail
失敗するなんて思いもよらなかった
No fight left or so it seems
もう戦う意欲はなくなってしまったよ
I am a man whose dreams have all deserted
夢も希望も消えうせた
I’ve changed my face, I’ve changed my name
顔も変え、名前も変えてみた
But no one wants you when you lose
でも負け犬には誰も相手をしない
Dont give up
あきらめないで
‘cause you have friends
友達がいるじゃない
Don’t give up
あきらめないで
You’re not beaten yet
まだ力尽きてはいないわ
Don’t give up
あきらめないで
I know you can make it good
きっとあなたはまだやれるから
Though I saw it all around
他人の挫折はよく目にしていたけれど
Never thought I could be affected
自分には関係ないと思っていた
Thought that we’d be the last to go
自分だけはそうなるまい、と思っていたんだ
It is so strange the way things turn
状況なんてあっという間に変わってしまうものだ
Drove the night toward my home
夜中に実家まで車を走らせた
The place that I was born, on the lakeside
湖のそばの僕が生まれた家だ
As daylight broke, I saw the earth
夜が明けると、あたりがみえてきた
The trees had burned down to the ground
あたりの木々は焼け落ちていたんだ
Don’t give up
あきらめないで
You still have us
私たちがまだついているから
Don’t give up
あきらめないで
We don’t need much of anything
期待に応えようと思わないでいいのよ
Don’t give up
あきらめないで
‘cause somewhere theres a place
いつかきっとみつかるから
Where we belong
わたしたちがいるべき場所が
Rest your head
考えるのはやめて
You worry too much
心配しすぎないでね
It’s going to be alright
きっと大丈夫
When times get rough
つらいときがきたら
You can fall back on us
私たちに頼っていいのよ
Don’t give up
あきらめないで
Please, don’t give up
お願い、あきらめないでね
got to walk out of here
ここから立ち去ることにしよう
I cant take anymore
もう限界だ
Going to stand on that bridge
橋のたもとに立ってみる
Keep my eyes down below
水面を見下ろしてみる
Whatever may come
どんなことがおきようと
And whatever may go
どこに行こうとも
That river is flowing
あの川は流れ続けている
That river is flowing
あの川はいつも流れている
Moved on to another town
他の街に移ってみた
Tried hard to settle down
なんとかがんばってみた
For every job, so many men
でもどんな仕事にも人は足りている
So many men no-one needs
人手は余っているんだ
Don’t give up
あきらめないで
‘cause you have friends
友達がいるのだから
Dont give up
あきらめないで
You’re not the only one
つらいのはあなただけではないわ
Dont give up
あきらめないで
No reason to be ashamed
引け目を感じなくてもいいのよ
Don’t give up
あきらめないで
You still have us
私たちがついているから
Don’t give up now
今あきらめちゃだめ
We’re proud of who you are
あなた自身を誇りに思っているから
Don’t give up
あきらめないで
You know it’s never been easy
いままで決して順調ではなかったわね
Don’t give up
あきらめないで
cause I believe there’s a place
きっといつか場所がみつかるから
There‘s a place where we belong
私たちが落ち着ける場所があるはずよ
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言葉の重みを改めて認識させられます。
ピーターガブリエルに関しては名前しか知らないケインですがお勤めしたことあるんだろうか。失業して実家に帰る歌なんて歌う柄じゃないようなイメージを持ってました (^^;
80年代といえばサッチャー政権の下、英国が失業者の増大、不況から脱出しようとしていた時期でしょうか。その時代にも思いをめぐらされました。
2008/7/2(水) 午前 11:12 [ MaxD ]
ケインさん、僕もこのアルバムが出るまでの彼のイメージは、ジェネシス時代のサーカスのような衣装のライブ、という偏ったものだったので、内省的なこの歌にまず驚きました。おっしゃるとおり、ビッグバン前後の不況で失業者が大量に発生して自殺問題などが深刻化していたことが背景にあったようです。この図式、今の日本やアメリカでも同じようなものを感じさせませんか?
2008/7/4(金) 午前 7:45
人間は人の為に役立ち愛と思いやりと感謝をする事を学ぶ為に生まれます。
勉強は世の中の役に立つ可能性を広げる事と、自分が世の中に役立つ方法を見つける為に勉強していくのです。
2008/7/4(金) 午後 5:07 [ iwa*ima*u*a1949 ]
iwa1949さん、そう思っていない人にそう思ってもらうためにはどうしたらよいのでしょうか。それが当面の私の課題でもあります。この歌については何かご感想はおありですか?
2008/7/8(火) 午前 7:10
この曲で大事なのは↑の赤い歌詞のカ所、ケイト・ブッシュのパートだとわたしは昔から思っています。
きーさんがこの記事を書いたときはそうでもなかった世の中ですが、現在の社会に置き換えると見事に歌詞とリンクしていますね。
2009/2/17(火) 午後 1:45
KEYさん過去の歴史を勉強させてください。
役人天国が政治が腐敗させ、富の格差を生み犯罪・テロ・戦争等が起きています。
正論を言う人の事を自分自身が、パフォーマンスや受けを狙ってと批判し無い事です。
2009/2/17(火) 午後 5:36 [ iwa*ima*u*a1949 ]
パケットさん、赤線部分が大切なのはそりゃそうですよ、それがなければあまりに救いがなさすぎる(笑)。
ところでこの文章を私が書いたのはわずか半年前です。現時点と根本的な状況は変わっていないでしょう。そもそも20年前のイギリスのビッグバンに端を発した不況時につくられたものだし。
2009/2/18(水) 午前 7:04
wamimasuda1949さん、私は特に歴史に詳しいわけではないので、お教えできることがあるか自信はありませんが、「過去の歴史」とはどの時代のことですか?ところで私は今の政治の状況はひどいと思いますが、その責任は政治家や官僚だけにあるのではなく、我々国民一人一人にもあるのだと考えます。こうなるまでの状態を放置し看過していたという意味においてです。
2009/2/20(金) 午前 7:18
泣けてきます。やはり遠くにいてもイザという時は、こんな風に声をかけたいKATEみたいに! 素敵な訳をありがとう!
2011/9/7(水) 午前 9:59
ととこさん、はじめましてコメントありがとうございます。この歌は80年代半ばにつくられたのですが、20年以上たったいま、いまだに、というよりも、そのとき以上にこの歌の意味が心にしみるような状況になっているのかも知れません。歌などから、少しでも前を向く気持ちが出るといいですよね。
2011/9/14(水) 午前 8:22
寒そうな満月の空の下(そう、ちょうど昨夜のような)ピーターとケイトが抱き合いながら歌うMTVの映像もまた忘れられない25年位前に初めて聞いてから私の応援ソングです。
2012/2/9(木) 午前 11:56 [ chairy ]