川汲(かっくみ)市街から道道83号(函館南茅部線)で函館方面に約2km走行すると川汲川沿いに「明林荘」が姿を現す。周囲は自然のままの広葉樹が繁茂し、桜やオンコを植えて、春は桜、秋は紅葉の名所となっている。道路沿いの専用駐車場に車を停め、「明林荘」の浴舎に向かうが、カーブから車が突然出てくるので道路を横切るときは要注意。
南茅部町史によると、昭和5年(1930)、函館海産商の金曽幾太郎が杉林季朔から「温泉旅館芽の湯」の経営を譲り受けている。川汲川上流の湯元から川汲市街地まで15町(1,636m)の距離を木管で引き、石炭で焚き適温にして浴用利用していた。昭和14年(1939)、金曽家の養女千代に譲渡されるが、戦争中は廃業状態だった。昭和23年(1948)、佐藤源三郎・千代夫婦により湯元に浴舎が建ち、一般客に利用される。昭和24年(1949)から旅館の建築に取り掛かり、一部を除いてほとんど自力で工事が進められたという。こうして、昭和28年(1953)に「観光第一旅館明林荘」が開業。現在は元気闊達な千鶴子お婆さんが湯守を引き継いでる。
●参考資料
「南茅部町史」
◇日帰り入浴情報
写真撮影禁止とある。実際に、無断で写真を撮っていると叱責が飛んでくることもあるようだ。宿泊棟はカーテンが閉められて営業していない気配だが、素性の知れた常連客には提供しているという。フリー客は、断っているそうだ。
◇温泉分析書(脱衣所掲示)
平成21年4月20日に作成した温泉分析書(北海道立衛生研究所)。泉温:45.3℃(平成21年4月8日、気温:11℃)、湧出量:43ℓ/分(自噴)、pH値:8.9、溶存物質:0.790g/kg、成分総計:0.790g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)
◇温泉成分に影響を与える項目
・特に掲示はないが、該当なし。保健所『該当なし』確認シール添付。源泉100%かけ流し。
◇内風呂(男湯)
浴室は半地下にあり、階段で降りて行く。注意書きを見ると、過去に浴槽で入れ歯を洗っていた客がいたのだろうか。
湯治場風の簡素な浴室に四角い湯船が1槽。カラン2台。
女湯の仕切り下は湯繋がりになっている。微乳色を帯びてみえるが、ほとんど無色透明の湯。湯口から45.2℃(6月19日計測時以下略)、pH8.9の源泉が約20ℓ/ほど注いでいる。知覚的には、たまご臭味。
湯船の中ほどで、湯温43.1℃、pH8.9を計測。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。源泉100%かけ流しと査定。つるすべ感が肌に心地よい。平成2年の温泉分析表では、ラドンは空白になっていたが、平成21年度では、0.576マッヘ単位kgになっている。
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