松田博の研究室

社会思想史・グラムシ研究についての随想や現代社会、文化などについての随想

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読後感 加藤哲郎『ワイマール期ベルリンの日本人』(岩波書店)

 本書は、『モスクワで粛清された日本人』(青木書店)など一連の著作で、反戦平和など大いなる希望と情熱を持ってコミンテルンに献身した人々の実相をリアルに鋭く解明してきた著者の近年の研究の濃密な集約です。私は1920年代から30年代後半にかけての世界史的激動の時代を生きたリアルな人間群像に引き込まれ一気に読了し、大きな感銘を受けました。

 ベルリンで国崎定洞たちが社会科学研究会を結成した1926年に、グラムシは議員特権があるにもかかわらずファシズム当局に逮捕されました(それだけムッソリーニはグラムシを恐れていたといえますが)。彼はスターリン独裁が強化された1929年に『獄中ノート』の執筆を開始しました。国崎は37年8月に「日本のスパイ」という名目で逮捕され、同年12月に銃殺されます。またグラムシは国崎より三才年上ですが、同年4月事実上獄死します。その意味で国崎とグラムシは同時代人といえるでしょう。

 本書は現代史の陰影の深さとともに、このような「不都合な真実」にたいしても真摯な探求をおこなうことが、かつてのような陰惨で不幸な事柄の再発・再現を許さないためにも必要不可欠である事を著者は訴えていると思います。とくに若い世代に読んで欲しい力作です。
 なお本書の紹介を兼ねた書評を、季報『唯物論研究』106号(08年秋季)に書きましたので御笑覧ください。

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Gramsciについて興味深い論文を見つけましたので紹介しておきます。
http://www.marxists.org/italiano/damen/gramsci/ 削除

2009/9/9(水) 午前 11:01 [ Sigesige ]

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