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駄文4-2
「あ、コレおいしー」
「ポテチいる人ー」
「ほしいアルー」
休憩できる広さがある場所で魔法書探検メンバーは持ってきた弁当を広げ、食事を楽しんでいた。
図書館の広さや学園の出鱈目な出来事に話をしているなかネギは自分とは別の魔力を感じる。
魔法の事をを唯一知る明日菜に耳打ちすると他のメンバーに冷やかされた。
「いけそ?」
「うん」
木乃香以外で図書館探検部である夕映に確認を取ると、騒いでいる他のメンバーに声を掛けた。
終始笑顔の彼女を本棚の影から刹那が安堵と一抹の寂しさを交えた顔で見守っていた。
(お嬢様…あんなに楽しそうに笑われて)
刹那は無意識に持っている刀の柄をギュっと握り締める。
彼女の寂しさを表すような行動ではあるが、その事に気付く者はいなかった。
「ほな、そろそろいくえー」
木乃香の声に皆が応え、荷物を整理すると魔法書を目指して歩き始めた。
続いて隠れながら刹那が後を追う。
そして…
「もぐもぐ…。お、動くのか」
刹那達の傍にある本棚の上で横島は食事を取っていた。
浮かんだサンドイッチが次々と消えていく。
実際には横島が食べているだけだが、今の彼は姿を隠している。
透明人間が食事をしていると思っていただければよい。
ネギ達は手作りであったが、横島はコンビニで仕入れていた。
残ったサンドイッチを口の中に放り込み、ネギ達一行の後を追う。
図書館島は奥に進めば進むほど、その在り方が図書館と呼んでいいものなのか怪しくなっていった。
「なっ…ここはホントに図書館なのー!?」
「本棚あるやん」
「こんな所にある本を誰が読むのよーっ!?」
明日菜が叫び、木乃香が突っ込みを入れる。
底が水で満たされた部屋に巨大な本棚が所々に聳え立っていた。
ネギ達はつながっている本棚の上を歩き、先を目指す。
(魔法使いってのは自分の技術に自信があるんだなぁ。稀に本が湿気るとか考えんのか?)
一昔の彼であったら渡るにしても怯えていただろうが、今はさほど恐怖を覚えていないようだ。
姿を隠す場所がないので、後を追う事を躊躇していた刹那を追い越してネギ達の後について行く。
「冷たいーっ! なんで湖が…」
「うえー、下着ぐしょぐしょー」
まき絵が嘆くが図書館探検部ニ名は更なる奥への探究心に満ちて聞こえていないようだ。
もはや突っ込む事を諦めたのか、明日菜の疑問に答える者はいない。
(こういった場面に出くわすと、五行覚えていてよかった気がするな)
横島は湖の事は特に気にせず、すたすたと歩いていた…水面の上を。
その足跡は水面に波紋をたたせないほどであり、技術の高さを物語っている。
他にも底の見えないほどの本棚をロープで降りながら遂に一行は目的地のすぐ傍まできた。
「あーん、もうイヤー! 服ボロボロー」
歩伏前進する女子中学生でも苦労するような狭い通路を一行は突き進む。
そのような通路は当然のごとく掃除されるわけもないので皆埃塗れであった。
当然、中学生よりも体格のよい成人男性である横島はさらに苦労するであろうが…。
(くっくっく…この程度の通路。女体の神秘を覗きみる為に培った技術の前には造作もない事よ)
前を行く女生徒の下着を見ないためにバンダナで目線を隠してはいるものの、
実際にこの姿が他者の目に写ったのであれば社会的な非難を受けるのは明白である。
(けど、やっぱ俺には狭いな…)
這い回っているのは同じなので横島もまた例外なく埃塗れであった。
「ゆ、夕映ちゃん。まだなのー」
「いえ…もうすぐそこです」
夕映がペンライトを咥えながら、明日菜の問いに答える。
その表情は日常生活に見せる表情と変わりなかったが、些細な変化を
同じ部活仲間である木乃香は感じ取っていた。
「夕映、結構燃えてるやろ」
「ふふ…わかります?」
(いつもと同じ表情に見えるけど)
明日菜に見分ける事が出来なかったが、さすがに声には出さないで心の中でツッコミをいれる。
暫く匍匐前進を続ける面々であったが、天井から僅かに漏れる光がみえた。
「この区域には大学部の先輩達でもなかなか到達する事が出来ません。
中等部では私達が初めてでしょう…」
そういって夕映は光が漏れている天井を指差す。
「ここまで来れたのはバカレンジャーの運動能力の賜物です。おめでとうです。
さあ、この上に目的の本がありますよ」
明日菜が先頭となって天井を持ち上げると、そこは中世のRPGゲームに出てくるような祭壇場であった。
学校の地下にこのような物があることに驚く各者達。
その中でネギは二体の石像に守られるように置かれている本を見つける。
なぜか見開きされているが、それはメルキセデクの書と呼ばれる魔法書であった。
目標となっていた物を見つけて喜ぶ明日菜達は罠があると云うネギの制止を無視して書に駆け寄って行く。
(あ〜〜、やっとついた。さてネギ達はどうしたんかな?)
ひょこっと顔を出した横島の目には動き出した石像――ゴーレムによって英単語の問題を出されていた。
(なに…やってんだ?あいつらは)
(あのゴーレム…どうやら魔法使いが操っておるようだな。常に念波が送信されておる)
後ろから別の女性――刹那が近付いている事を感じた横島は狭い通路から這い出ると
部屋全体を見渡せる壁の傍にある本棚の上に飛び乗った。
ゴーレムが次々と問題を出すが答える方法はツイスターゲーム形式となっており、
タダでさえ苦戦する明日菜達――バカレンジャーは頭だけではなく関節にまで痛みが発生していた。
最後の問題に答えるべく、痛みを我慢して答えようとする。
そして「DISH」の答えを「お」・「さ」まではよかったが、なにを思ったのか…
「ら」といいながら「る」の文字を踏んでしまう。
問題を間違えた事により、ハンマーを持っているゴーレムの一体に更に下層の階へと落とされるネギ達。
「ネギ! っと将来有望な女の子達が!!」
「お嬢様!?」
狭い通路から様子を伺っていた刹那と本棚の上で様子を見ていた横島が同時に叫ぶ。
その声に反応した大剣を持ったゴーレムが気配に覚えのない…むしろ感じない側を警戒するように声を出した。
『刹那君、侵入者じゃ!』
「はっ!?」
覚えのある声に反応する刹那。
その反応速度は女子中学生とは思えぬほど俊敏迅速だ。
一般人の目には掠れるほどの速度で大剣のゴーレムが指差した…
ぷかぷかと宙に浮く埃に目掛けて持っていた真剣の刀を振るう。
(ちっ!?)
だが、その刃が届く事は無かった。
いち早くその場を後にした横島は空中で一回転すると刹那とゴーレムからある程度離れた位置に着地する。
刹那も飛び乗った本棚の上から降りて注意深く横島――未だにぷかぷかと浮かんでいる埃に向かって刀を構えた。
(戯け。無断で侵入しておるのに声を出す奴がおるか)
(しゃーないやん。ついびっくりしちまったんだからさ…)
「さて…どうしたもんかね〜」
今度こそ声をはっきりと聞いた刹那の表情が更に険しいものへと変わっていく。
結界を、魔法先生などの警備を抜けて図書館島の奥深くまで侵入されたのだ…警戒するのも仕方ない。
刹那は無意識に刀の握りを強く握りしめた。
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