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老いの細道
今年で古希を迎えた。古希は「人生70古来希なり」という言葉から来ているらしいが希どころではない。右を向いても左を見ても、私の周りは皆老人ばかりだ。そしてそれぞれ皆、自分は若いと思っている。そして自分自身はすぐには死なないと思っている。
厚生労働省によると日本人の平均寿命は男が78歳程度、女が85歳程度だが、平均余命では70歳の男はあと14年ほど、女は残り19年ほどらしい。
平均寿命と平均余命とはどう違うのか、Googleで調べればすぐ分かる話だが古希を過ぎた人はすぐさまパソコンには向かわないだろうなあ。
この書庫では「老いの細道」と題して、古希を迎えた男が生理的、身体的、精神的にどう衰えていくのかを同時進行的に綴ってみることにした。平均余命はあくまでも平均であるから、この書庫はこれから14年続くとは限らない。明日にでも平均のうちの一番短いケースとなるかもしれない。
老いは徐々に目に見えない進行をするのだろうか。私はそうは思わない。逆のケースを見れば分かる。私の孫は女の子が8歳、男の子が5歳になるが、生まれてからいままでの成長過程を観察してみるとある段階で飛躍的に成長する時期があった。
上の女の子は5歳頃から文字を読み始めたが、あっという間に本を読み始め(アメリカだから勿論言語は英語だが)いまではハリーポッターの本を全巻読んでいる。下の男の子は2歳までまったく言葉を喋らなかった。ひょっとして聾唖の子かもしれないと心配したが、突如として喋り初め、今では人一倍よく喋る。人間は成長期では生まれてから数ヶ月でハイハイをし、1年ほど経過すると歩き始める。
個人差はあるが、生後3ヶ月で歩いたという話は聞かない。3年経過しても歩かないという話も聞かない。(なんらかの病気にかかっていれば別の話)人生には節目があるのだ。
老いの進行も、このようななだらかな下降線を辿るのではなく、階段状に、あることをきっかけとして急速に老いるのだろう。ある事とは、病気、手術、交通事故、転倒、経済的状況の激変、エトセトラ、エトセトラ。がくんと落ちた所でしばらくは小康状態を保つが、またあることをきっかけとしてもう一段下がっていく。
こうやってあることをきっかけとしてあの世へ旅立つことになる。あること、それらは、がん、脳溢血、心筋梗塞、肺結核、エトセトラ、エトセトラ。
老いの細道では古希から死亡に至るまでの老いの進行をテーマとしたい。
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